次の例は、手続き型プログラムを ILSMARTLINKAGE コンパイラ指令で JVM COBOL コードにコンパイルすることで、マネージ アプリケーションに公開する方法を示しています。これにより、クラスのメンバーになっているより低いレベルのデータ項目とともに各グループ項目のクラスを生成することで、手続き型コードの連絡節項目およびエントリ ポイントの、他のマネージ言語への公開が促進されます。
この例では、ラッパー クラスの使用例に含まれていた、計算プログラムの微調整バージョンを使用します。
まず、手続き型プログラムを保持するプロジェクトを作成します。
これによって、指定された場所にプロジェクト用の calclib サブフォルダーが作成されます。次に、手続き型コードを保持するプログラムを作成する必要があります。
これによって、デフォルト パッケージのプロジェクトの src サブフォルダーにプログラムが作成され、そのプログラムがエディターで開かれます。
       program-id. Calc.
       data division.
       working-storage section.
       
       linkage section.
       01 operands. 
         03 op-1 pic 9(4) comp-5.
         03 op-2 pic 9(4) comp-5.
       
       01 the-result pic 9(8) comp-5.
       
       01 func-code pic x.
       78 add-op value '+'.
       78 sub-op value '-'.
       78 mult-op value 'x'.
       78 div-op value '/'.
      
       procedure division using by reference func-code operands the-result.
           evaluate func-code
              when add-op
                 add op-1 to op-2 giving the-result
              when sub-op
                  subtract op-2 from op-1 giving the-result
              when mult-op
                   multiply op-1 by op-2 giving the-result
              when div-op 
                    divide op-1 by op-2 giving the-result
           end-evaluate.
           
           goback.
           
       end program Calc.
 
                     			 自動ビルドが完了すると、必ずエラーがない状態になります。
この例のバリアントは、ハイフンでつないだ変数 (op-1 および op-2) を使用して、ILSMARTLINKAGE がそれらをどのように扱うかを示しています。
 をクリックし、[追加指令] ダイアログ ボックスで「ILSMARTLINKAGE」と入力して [OK] をクリックします。
                  ILSMARTLINKAGE でコンパイルすると、プログラムのグループ項目が新しいクラスとして、またグループ項目がそのクラスのプロパティとして公開されます。他のマネージ言語は、ハイフンでつながれたデータ項目を認識しませんが、ILSMARTLINKAGE はそれにも対応します。データ項目の名前からハイフンを削除し、Camel 記法で大文字と小文字を変更します。その結果、他のマネージ言語は、operands がクラス Operands として公開されているものと見なし、変数 (op-1 および op-2) はそのクラスのプロパティ Op1 および Op2 として公開されているものと見なします。同様に、func-code は FuncCode として公開されます。
次に、クラスおよびそのプロパティとして公開されている calclib プロジェクトの手続き型コードのグループ項目エントリにアクセスする JVM COBOL のアプリケーションを作成します。
これによりプロジェクトに Class1.cbl が作成され、エディターでそのファイルが開かれます。
       class-id OOCalc.Class1.
       working-storage section.
       78 add-op value '+'.
       78 sub-op value '-'.
       78 mult-op value 'x'.
       78 div-op value '/'. 
       
       method-id. main static.
       procedure division.
          declare calculation as type Class1
          set calculation to new Class1
          invoke calculation::Add()
       end method.
          
       
       method-id Add public.
       
       local-storage section.
       01 operand type Operands.
       01 CalcOO type Calc.
       01 func-code type FuncCode.
       01 result pic x(4) comp-5.
       
       procedure division.
       
      
       set func-code to new FuncCode()
       set operand to new Operands()
       set operand::Op1 to 1.
       set operand::Op2 to 2.
       
       set CalcOO to new Calc()
       set func-code::FuncCode to add-op
   
       
       invoke CalcOO::Calc(func-code, operand, result)
       display "The result is " result
 
       
       
           goback.
       end method.
       end class. 
                     			 自動ビルドは、型 Calc、FuncCode、および Operands を認識しないため、コードのコンパイルに失敗します。これを解決するには、OOCalc の JVM ビルド パスに calclib プロジェクトを追加する必要があります。
calclib は OOCalc の JVM ビルド パスにあるため、OOCalc のコードは calclib で定義されたクラスを検出し、以降のビルドが成功します。
Class1 で、プログラムのメイン エントリ ポイントである静的メソッド main を定義します。 main は、型 Class1 のオブジェクト calculation を定義し、Class1 の Add メソッドを実行します。
このコードは、変数として、型 Operands の operand (クラスとして公開されている手続き型プログラムからのグループ項目)、型 Calc の CalcOO (クラスと見なされている手続き型プログラム)、型 FuncCode の func-code (手続き型プログラムの func-code がどのように公開されるか) を使用するメソッド Add を定義します。
そして、func-code、operand、および CalcOO のインスタンスを作成して、手続き型プログラムで op-1 および op-2 に値を与え、add-op 操作を呼び出すことを指定し、算術計算 invoke CalcOO::Calc(func-code, operand, result) を行うパラメーターとして func-code、operand、result を使用して手続き型コードを呼び出します。