IBM 16 進数形式の浮動小数点データ

Visual COBOL では、IEEE または IBM 16 進数形式のどちらかで浮動小数点データを使用できるため、メインフレームと PC 間で浮動小数点データをシームレスに共有できます。この章では、Server Express で異なる形式の浮動小数点データを使用する方法について説明します。

浮動小数点データの異なる形式の使用

ここでは、Visual COBOL で浮動小数点データの異なる形式を使用する方法を説明します。

コンパイル

常に特定の形式の浮動小数点データ項目を使用するプログラムをコンパイルする場合は、NATIVE-FLOATING-POINT 指令を使用します。NATIVE-FLOATING-POINT を設定すると、MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数の設定に関係なく、IEEE 形式の浮動小数点データ項目が使用されます。NONATIVE-FLOATING-POINT を設定すると、浮動小数点データの形式は MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数によって決まります。

MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数については『実行』の節を、 NATIVE-FLOATING-POINT コンパイラ指令の詳細については『NATIVE-FLOATING-POINT』を参照してください。

実行

次のどちらかの方法で、実行時に使用する浮動小数点データの形式を制御します。

両方が指定されている場合は、mainframe_floating_point チューナーの設定よりも MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数の設定が優先されます。

MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数

MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数の形式は IBM 16 進数と IEEE です。

構文:
SET MAINFRAME_FLOATING_POINT=fp-status
パラメータ:
fp-status 浮動小数点データ項目に使用する形式。次のどちらかです。
true IBM 16 進数形式の浮動小数点データ項目の使用を指定します。
false IEEE 形式の浮動小数点データ項目の使用を指定します。
備考:

MAINFRAME_FLOATING_POINT を「true」以外に設定した場合は、「false」に設定した場合と同じことになります。

この環境変数の設定は、NATIVE-FLOATING-POINT 指令により無効になります。 NATIVE-FLOATING-POINT  の詳細は『NATIVE-FLOATING-POINT』を参照してください。

Visual COBOL のコマンドプロンプトで MAINFRAME_FLOATING_POINT 環境変数を設定してから、Visual COBOL を起動する必要があります。

範囲

IBM 16 進数形式の浮動小数点データ項目に指定できる値の範囲は次のとおりです。

タイプ 最小値 最大値
COMP-1 5.5E-79 7.2E75
COMP-2 5.5E-79 7.2E75