ジョブをサブミットすると、そのジョブは入力キューに置かれます。指定したクラスの JCL を実行するイニシエータがある場合、ジョブがロック済みのファイルのロックを要求しない限り、ジョブはアクティブ・キューに移動されその場所で実行します。この場合、JCL は [Waiting] モードになります。
GLM およびクラスタ・クライアントのロックを参照/表示できます。エンタープライズ・サーバ・クラスタがアクティブの場合、グローバル・ロック・マネージャ (GLM) に保持されるすべてのグローバル・ロックを参照し、所定の JCL、イニシエータ、またはクライアントのロックを特定することもできます。クラスタ・クライアントで、すべてのグローバル・ロックおよびそのクライアント独自のローカル・ロックを参照できます。これを行うには、ESMAC または caslock コマンドを使用します。
GLM およびエンタープライズ・サーバ・クラスタ・クライアントには、いずれもアクティブなロックを参照できるツールがあります。GLM では、クラスタ全体のグローバル・ロックをすべて参照できます。クラスタ・クライアントでは、そのクライアント独自のグローバル・ロックとすべてのローカル・ロックのみを表示できます。
GLM でロックを表示するには、対応する ESMAC ページを表示します。[Resources] ペインで、[Active] を選択してから [Locks] を選択します (CASRDO33)。次のような画面が表示されます。
上記のスクリーンショットは、エンタープライズ・サーバ・クラスタ・クライアント ESCLSLV1 のバッチ・イニシエータ (PID 8716) で実行するジョブ JOB01364 (ジョブ名 MYLOCK) がいくつかのデータセットでロックを所有している状況を示しており、res-ID 1 によって特定されるデータセットが含まれます。[Resource Details] グループでは、res-ID 1 が SYSI.CLUSTER.MYFILE というリソース名を持つキュー SYSZDSN に属すものとして定義されます。
同時に、エンタープライズ・サーバ・クラスタ・クライアント ESCLSLV1 のバッチ・イニシエータ (PID 12228) で実行するジョブ番号 JOB01365 (このジョブ名は不明) のステータスは待機中で、このジョブも同じリソース、res-ID 1、SYSI.CLUSTER.MYFILE で排他的ロックを要求します。
Usage: caslock [/a /l /r /u /p /c] /a[client_applid] Remove locks for specified APPLID of the client region /l List all active locks /r[region_name] The name of the region to send the request to /u[username] The user's username /p[password] The user's password /c[group] The user's group
Lock Ownership PID res-ID Type State Persistence Seq 8720 t:001 JOB01485 JRX0033 ( MYLOCK ) (ESCLSLV1/ 10392) 1 Exclusive Controlled Task 1 2 Exclusive Controlled Task 1 3 Exclusive Controlled Task 1 4 Exclusive Controlled Task 1 5 Exclusive Controlled Task 1 6 Exclusive Controlled Task 1 7 Exclusive Controlled Task 1 10660 t:002 ES Subsystem 8 Exclusive Controlled Server 1 Resource Details res-ID Queue Length Resource Name 1 SYSZDSN 19 SYSI.CLUSTER.MYFILE 2 SYSZDSN 20 SYSI.CLUSTER.SPEC002 3 SYSZDSN 20 SYSI.CLUSTER.SPEC001 4 SYSZDSN 20 SYSI.CLUSTER.PATT001 5 SYSZDSN 20 SYSI.CLUSTER.GENE002 6 SYSZDSN 20 SYSI.CLUSTER.GENE001 7 SYSZJOBN 8 JRX0033 8 SYSZJOBD 8 JRX0034
ロック削除機能により、特定の状況でトラブルシューティングを行うことができます。グローバル・ロックの削除は、エンタープライズ・サーバ・クラスタ・クライアントとエンタープライズ・サーバ・クラスタ・マネージャ間に永続的な接続障害が発生した場合、およびクラスタ内でアクティブなままの他のクラスタ・クライアントでジョブが実行できない原因となるロックが含まれている場合のみに行う必要があります。
TXCS3032S Connection to ES Cluster manager GLM APPLID (GLM SYSID) is disabled, verify and release global locks on ES cluster managerまたは
TXCS3033S Attempt to connect to a disabled ES Cluster manager GLM APPLID (GLM SYSID) , verify and release global locks on ES cluster manager
システム管理者は対策を講じる必要があり、その一環として他のアクティブなクラスタ・クライアントで実行する作業単位が正常に実行できない原因となっているグローバル・ロックがこのリージョンに含まれているかを特定する必要があります。そのようなグローバル・ロックが含まれる場合、システム管理者は GLM で ESMAC を使用するかまたは caslock コマンドを使用して、障害のあるエンタープライズ・サーバ・クラスタ・クライアントに含まれるすべてのロックを削除する必要があります。