本セクションでは、メインフレーム エミュレーション ユーティリティについて説明します。これらのユーティリティは、メインフレームの場合と同じプログラム名、データ セット、およびコマンドを使用して JCL ジョブストリームまたは REXX exec で呼び出すことができます。MSS によってエミュレートされるメインフレーム ユーティリティは次のとおりです。
- DFSORT および SORT - ソート/マージ操作を実行します。
- DSNTEP2 - 動的に実行できる任意の SQL 文を実行します。
- IDCAMS - VSAM データ セットを管理します。
- IEBCOMPR - 2 つの順次または区分データ セットを比較します。
- IEBCOPY - 区分データ セットをコピーまたはマージします。
- IEBGENER - 順次データ セットをコピーします。
- ICEGENER - IEBGENER と似ていますが、VSAM の機能があります。
- IEBUPDTE - 順次または区分データ セットを作成または変更します。
- IEFBR14 - 単に呼び出し元に戻ることによってダミー プログラム機能を提供します。
- IKJEFT01 - バッチ モードで TSO コマンドを実行します (IKJEFT1A および IKJEFT1B も同様)。
- IRXJCL - MVS バッチ モードで REXX exec を実行します。
- IEBDG - テスト データを作成します。
- IEBPTPCH - 順次または区分データ セット、あるいは PDS メンバーを印刷またはパンチします。
これらの名前は、同等の
MSS ユーティリティのエイリアスとして定義されます。
注:これらのユーティリティでは入力ファイルが必須な場合もあり、物理ファイルを作成せずにファイルをカタログすることができます。入力ファイルが存在しない場合に発生する JES エラーを回避するには、環境変数
MFJ_INPUTDS_ERROR=N を使用できます。これを指定すると、JCL ステップでは入力ファイルは必須ではないとみなされ、ほとんどのユーティリティとユーザー プログラムは、存在しない入力ファイルをレコードがゼロ件のデータ ファイルとして扱うようになります。ただし SORT などの一部のユーティリティは、物理ファイルの有無をチェックして、見つからなければエラーを生成します。
本セクションでは、これらのユーティリティを MSS 環境で使用する場合に考慮すべき点について説明します。メインフレームと MSS 環境で同一の動作についての情報は割愛します。本セクションで言及しているメインフレーム ユーティリティの詳細については、IBM の関連マニュアルを参照してください。
注:IKJEFT01 によって呼び出されたプログラムをデバッグする場合は、それと同等の MSS ユーティリティである IDAEFT01 を、デバッグするプログラムとして指定する必要があります。