Dialog Systemアプリケーションでの Microsoft のビジュアル スタイルの有効化

Dialog System で作成されたアプリケーションは、現代の環境では非常に時代遅れな外観である場合があります。Compatibility AddPack for Visual COBOL の最新バージョンでは、Windows ビジュアル スタイル、およびシステム フォントの使用がサポートされています。それらが Dialog System アプリケーションで有効になっている場合、アプリケーションの外観は、アプリケーションが実行されている Windows オペレーティング システムに固有の、互換性のある現代的な外観になります。

Windows ビジュアル スタイルは共通コントロールの外観を定義するカスタマイズのセットであり、ご使用の Windows OS で選択されているテーマと直接関連があります。アプリケーションでそれらのビジュアル スタイルを使用する場合には、その共通コントロールの外観は、そのアプリケーションが実行されている Windows OS で選択したテーマの外観に合わせて変化します。

Dialog System アプリケーションでそれらのビジュアル スタイルが有効になっている場合は、すべての Dialog System コントロール、および GUI Class Library を使用して作成されたコントロールが、現在のビジュアル スタイルを使用して表示されます。これによるサードパーティ製コントロールへの影響はなく、それらの外観は前と同じように表示されます。

ビジュアル スタイルはデフォルトでは適用されないため、アプリケーション内で有効にする必要があります。

次のいずれかの方法で、Dialog System アプリケーションでビジュアル スタイルを有効にできます。

注記: AddPack では、新しいプロジェクト テンプレートである Dialog System Application (Modern)Enterprise Developer にインストールされます。このテンプレートには、新しい Dialog System アプリケーションにデフォルトでビジュアル スタイルが適用されるようにする、マニフェスト ファイルが含まれています。

次のいずれかの方法で、アプリケーション内でビジュアル スタイル フォントを有効にできます。

注記: MFVSSW/c /f.

また、ビジュアル スタイルおよびビジュアル スタイル フォントを有効にするための構成オプションを Dialog System ペインタでも使用可能です。これらのオプションが選択されている場合は、編集したペインタおよびスクリーンセットで、選択されている Windows テーマの共通コントロールのフォントおよび外観が使用されています。

重要:共通コントロールでビジュアル スタイルおよびビジュアル スタイル フォントが使用されている場合、それらのコントロールの多くは、Windows のバージョンが異なると動作や外観が異なります。これにより、Windows のさまざまなバージョンの間でコントロールのサイズおよび位置が変化し、アプリケーションの UI の一貫性がなくなる可能性があります。Micro Focus では、アプリケーションで使用されるコントロールおよびフォントが必ず予想どおりに表示されることを確認するために、さまざまなバージョンの Windows でアプリケーションをテストすることを推奨しています。

ビジュアル スタイルおよびシステム フォントを使用する場合の予想される変化の一部については、このトピックの後半の動作の変化を参照してください。考えられる変化および提案されている回避策をすべて示したリストについては、Compatibility AddPack for Visual COBOL のリリース ノートを参照してください。

Dialog System アプリケーションでのビジュアル スタイルの有効化

Compatibility AddPack for Visual COBOL により、Dialog System アプリケーションを作成するためのプロジェクト テンプレートが Enterprise Developer に追加されます。ビジュアル スタイルを使用するアプリケーションを作成するには、それらのスタイルがデフォルトで有効になっている Dialog System Application (Modern) プロジェクト テンプレートを使用します。

既存の Dialog System アプリケーションの場合は、次のように手動でビジュアル スタイルを有効にする必要があります。

  • MFVSSW 環境変数をアプリケーションに追加し、それを/c.

    この変数は、アプリケーション構成ファイルをプロジェクトに追加してそこで変数を設定するか、環境で変数を指定することで設定できます。

    この方法では、Dialog System および GUI クラス ライブラリで作成されたコントロールのみにビジュアル スタイルが適用されます。

別の方法として、実行可能ファイルにコンパイルするアプリケーションに対してビジュアル スタイルを有効にするには、必要なバージョンの共通コントロールを含むプロジェクトにマニフェスト ファイルを追加します。

  1. Enterprise Developer で Dialog System アプリケーションのプロジェクトを開きます。
  2. ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックし、[Add > New Item] をクリックします。
  3. [COBOL Items] グループから [Application Manifest] を選択し、[Add] をクリックします。
  4. アプリケーションをビルドし直してビジュアル スタイルを適用します。

    マニフェストを使用することで、すべてのコントロール (Dialog System および GUI クラス ライブラリで作成されたコントロール、およびサードパーティ製コントロールの両方) にビジュアル スタイルが適用されます。

Dialog System アプリケーションでのビジュアル スタイル フォントの有効化

MFVSSW 環境変数をアプリケーションに追加し、それを/f.これにより、アプリケーションでデフォルト フォントとして、Windows メッセージで使用されているフォントが使用されるようになります。

この変数は、アプリケーション構成ファイルをプロジェクトに追加して変数を設定するか、環境で変数を指定することで設定できます。

Dialog System ペインタでのビジュアル スタイルの有効化

Dialog System ペインタを、それを実行している Windows バージョンで使用されているビジュアル スタイル コントロールおよびデフォルト システム フォントを使用するように構成できます。それには、次の手順を実行します。

  1. Dialog System で [Options > Configuration > Defaults] をクリックします。
  2. [VISUAL STYLE CONTROLS] を選択し、これを [Yes] に設定します。
  3. [VISUAL STYLE FONTS] を選択し、これを [Yes] に設定します。
  4. Dialog System を再起動します。

    Dialog System が新しいビジュアル スタイルとフォントで起動されます。

別の方法として、Dialog System ペインタをコマンド ラインから起動する場合は、ビジュアル スタイルを使用してペインタを起動するよう MFVSSW も設定します。

動作の変化

ビジュアル スタイルおよびビジュアル スタイル フォントが有効になっている場合、共通コントロールのウィンドウの外観とサイズは、Windows オペレーティング システムが異なりビジュアル スタイルが異なると変化する場合があります。この結果、ビジュアル スタイルおよびビジュアル スタイル フォントを既存の Dialog System アプリケーションに適用した場合に、異なる Windows バージョン間で UI に一貫性がなくなる可能性があります。

  • ウィンドウが異なるサイズで表示される可能性があります。
  • 一部のコントロールが重なる可能性があります。
  • テキスト適合オプションを使用するコントロールが、テキストのサイズに対して大きすぎるか小さすぎる可能性があります。
  • コントロールのセクションのデフォルト サイズ (リスト ビューの列サイズやステータス バー領域など) が、そのコントロールが保持する情報に対して大きすぎるか小さすぎる場合があります。
  • デフォルトのウィンドウ背景色は、ビジュアル スタイル設定に基づきます。
  • 上位のウィンドウにはないにもかかわらず、クリップされた子ウィンドウには引き続き境界線の丸みが残ります。
  • アプリケーションでビジュアル スタイルが使用されている場合は、Dialog System ランタイムによってそのコントロールに 3D の境界線が適用されません。
  • Dialog System ペインタでは、表示フィールドの背景色は、ビジュアル スタイル設定に基づきます。
  • Dialog System ペインタのアイコン パレット ツールバー内の画面制御アイコンは、スクリーンセットに追加されるコントロールに相当します。それらはペインタでビジュアル スタイルを有効にした場合でも影響を受けず、その 3D の外観のままとなります。
  • ラジオ ボタンおよびチェック ボックスに前景色を設定することはできません。

考えられる変化および提案されている回避策をすべて示したリストについては、Micro Focus SupportLine Web サイトの『製品アップデイト』セクションから入手可能な Compatibility AddPack for Visual COBOL のリリース ノートを参照してください。