Fileshare の基本的な回復ロギングをロールフォワード回復に使用する場合は、次の方法を推奨します。
詳細は、「基本回復ロギング」のセクションを参照してください。
Fileshare ではそれらのアクションを自動で実行できますが、/backup オプションを使用してデータベース リファレンス ファイルのバックアップ ディレクトリ名を指定する必要があります。次にコマンド例を示します。
Windows:
fs /d dbase.ref /backup c:\backdir
UNIX:
fs /d dbase.ref /backup /backdir
たとえば、上記のコマンドでは、c:\backdir (Windows) または /backdir (UNIX) をバックアップ ディレクトリとして指定するデータベース参照ファイル、dbase.ref に項目を追加します。バックアップ ディレクトリに対しては、完全パスを指定することができます。完全パスを指定しない場合は、Fileshare サーバーの現在のディレクトリに対する相対パスとして判断されます。
このようにしてバックアップ ディレクトリを設定すると、Fileshare サーバーは、起動時に、データベース参照ファイルで指定したすべてのデータ ファイルを c:\backdir (Windows) または /backdir (UNIX) にコピーします。また、Fileshare サーバーは、データベース ファイルをバックアップしたために不要となったデータを格納する回復ログ ファイルを検索して削除します。
Fileshare サーバーの動作中は、ロギングを設定したファイルに対するすべての更新が、通常どおりログ ファイルに記録されます。次に Fileshare サーバーを再起動したとき、再びデータベース ファイルをバックアップし、ログ ファイルを削除します。ただし、Fileshare サーバーの以前のセッションが正常にシャットダウンされておらず、有効な終了レコードがログ ファイルに書き込まれていないこと (たとえば、システムの故障などが原因の場合) を検出すると、Fileshare は、自動的に Rollforward Recovery Utility を起動します。この機能により、データベース ファイルの以前のバックアップを自動的に復元し、ログ ファイルの記録にしたがって、すべての更新を回復します。回復が正常に完了した場合は、Fileshare サーバーが通常どおりに起動します。
バックアップ ディレクトリがデータベース参照ファイルで指定されていると、Fileshare サーバーを起動する前に、手動で Rollforward Recovery Utility を実行することができます。Rollforward Recovery Utility は、回復処理を開始する前に、以前のバックアップを自動復元します。
データベースの自動バックアップを設定するために、バックアップ ディレクトリを指定した場合、"/o l" オプションを使用して、データベース参照ファイルで宣言されたデータ ファイルに対するロギングを解除することはできません。データベース参照ファイルで指定されている各ファイルのロギングをアクティブにすると、Fileshare は、バックアップ ディレクトリからバックアップ バージョンをコピーしたときに、確実にすべての更新を回復できます。自動バックアップを必要としないファイルがある場合には、データベース参照ファイルからそれらのファイルを削除してください。
たとえば、一晩でシステム全体のバックアップを行うなどのように、Fileshare ファイルをバックアップする必要がある場合は、Fileshare マネージャーの API 関数を使用して Fileshare をシャットダウンし、すべてのデータベース ファイルをバックアップしてから、新しいログ ファイルを作成して再起動します。この処理が完了したら、Fileshare バックアップ ディレクトリの固定ハード コピーを作成することをお奨めします。詳細については、「Fileshare マネージャー」の章にある「高度な操作」セクションを参照してください。
例
fs /d dbase.ref /l logfile fs /d dbase.ref /backup c:\backdir fs /d dbase.ref /f c:\accounts\customer.dat fs /d dbase.ref /f c:\finance\history.dat
fs /d dbase.ref /l logfile fs /d dbase.ref /backup /backdir fs /d dbase.ref /f /accounts/customer.txt fs /d dbase.ref /f /finance/history.txt
このコマンドの内容は、次のとおりです。
Fileshare サーバーは、起動時に、これらのデータ ファイルをディレクトリ c:\backdir (Windows) または /backdir (UNIX) に自動的にバックアップします。Fileshare サーバーの動作中にログ ファイルがバックアップされた場合も、バックアップ ファイルは c:\backdir ディレクトリに格納されます。Rollforward Recovery Utility を起動すると、c:\backdir (Windows) または /backdir (UNIX) のバックアップ ファイルは元のディレクトリで復元され、ログ ファイルに記録された更新が再適用されます。