構成

エンタープライズ サーバー クラスターの設定には、最小限の構成のみが必要です。

エンタープライズ サーバー クラスターの全メンバーに共通する構成

グローバル ロック マネージャー (GLM) を含むエンタープライズ サーバー クラスターの全メンバーでは、JES サブシステムが有効である必要があり、また全メンバーは必ず同じシステム カタログと Data Allocation Default Location (DADL) を共有します。これらの設定は、主にリージョン定義の [JES] タブで指定します。

これらの設定は、各エンタープライズ サーバー クラスター クライアントとエンタープライズ サーバー GLM 間のハンドシェイクの際に検証されます。場所と名前がクラスター内のすべてのリージョンで一致する必要があります。不一致が検出されると、次のメッセージが console.log に送られます。

TXSI5014S Severe error in ES cluster negotiation with parm 1 (parm 2), region terminating

メッセージには、不一致が CATALOG.DAT の場所または DADL のいずれで発見されたかについても表示されます。

ハンドシェイクに成功すると、次のメッセージ

CASSI5012I Successfully negotiated with ES Cluster manager GLMAPPLID

console.log に表示されます。

また、GLM を含むエンタープライズ サーバー クラスターのすべてのメンバーには、次の環境変数が設定されている必要があります。
ES_CLUSTER
クラスターのメンバーは、各自の環境のスペースに環境変数 ES_CLUSTER があるかどうかをチェックすることで、自身を特定します。この変数には、ES_CLUSTER=YES など、任意の値を設定できます。

エンタープライズ サーバー クラスター GLM の設定

GLM は次の環境変数を使用して設定します。
ES_GLM
GLM は、その環境のスペースに環境変数 ES_GLM があるかどうかをチェックすることで、自身を特定します。この変数には、ES_GLM=YES など、任意の値を設定できます。
ES_GLM_TIMEOUT=60
この環境変数は、GLM のみで設定できます。秒単位で定義されるこの値から、システムは、エンタープライズ サーバー クラスターへの接続ステータスが Disabled として示される前に通信エラーが検出された場合に GLM に対して行う再試行の回数を導き出します。GLM に設定された値はすべてのクライアントにプッシュされます。

エンタープライズ サーバー クラスター メンバーの設定

エンタープライズ サーバー クラスター メンバーに追加の設定は必要ありません。

エンタープライズ サーバーのインスタンスは、次の場合に自動でエンタープライズ サーバー クラスター クライアントになります。
  • インスタンスがそのシステム カタログと DADL をクラスターの全メンバーと共有する場合。
  • インスタンスによって環境変数 ES_CLUSTER の値が設定されている場合。
  • GLM がこのサーバー インスタンスに先行して起動しているか、または CASGLM.LCK というファイルがすでに存在しエンタープライズ サーバー クラスター メンバーとメンバーのステータス (アクティブまたは非アクティブ) のリストを含んでいる場合。

データセットの範囲の設定

データセットの範囲は、リソース名リスト (RNL) によって決まります。すべての RNL は、設定可能でない名前と場所を持つ 1 つのファイルで作成される必要があります。
  • 名前:ESCLRNLs.cfg
  • 場所:ESCLRNLs.cfg ファイルを、システム カタログが使用するフォルダーと同じフォルダーに作成します。
GLM が ESCLRNLs.cfg ファイルを見つけない場合、GLM はデフォルトでそのファイルを作成し、次の 1 行を書き込みます。
RNLDEF RNL(INCL)TYPE(GENERIC) QNAME(SYSZDSN) 
この結果、すべての SYSZDSN で範囲がグローバルに設定されます。

ISC リスナーおよび SYSC 接続

クラスター メンバーは、Micro Focus ISC インターフェイス上で通信します。動的に作成された ISC リスナーおよび ISC 接続は、エンタープライズ サーバー クラスター クライアントとエンタープライズ サーバー クラスター マネージャーとの間で有効になります。ISC リスナーおよび/または SYSC 接続を定義する必要はありません。ISC リソースの作成に必要な情報は動的に収集され、GLM によって CASLGM.LCK ファイルに保存されます。その後、情報はエンタープライズ サーバー クラスターの全メンバーによって消費されます。

ISC ベース接続は APPLID および SYSID によって特定されるので、APPLID および SYSID はシステム全体で固有である必要があります。

APPLID はエンタープライズ サーバー名から派生するので、すべてのエンタープライズ クラスター メンバーが異なる名前であることを簡単に確認できます。

SYSID はシステム初期化テーブル (SIT) で定義されます。各エンタープライズ サーバー クラスター メンバーには、固有の SIT が必要になります。同じリソース定義ファイルをエンタープライズ サーバー クラスター全体で使用できます。