基本的なロールフォワード回復

ロールフォワード回復処理を行う前に、次の点を確認します。

  • Fileshare サーバーの動作中に作成されたすべての回復ログ ファイルは、回復ログ ファイル ディレクトリ (データベース参照ファイルで指定する場合はログ ファイル バックアップ ディレクトリ) に格納されている必要があります。
  • 元のデータ ファイル (Fileshare サーバーの起動前に作成されたバックアップ バージョン) は、正しいディレクトリに復元する必要があります。

Rollforward Recovery Utility は、/r (recover) オプションを使用して起動します。Rollforward Recovery Utility を起動する場合は、データベース参照ファイルを指定する必要があります。その例を次に示します。

fs /r dbase.ref [options]

この場合、dbase.ref は、Rollforward Recovery Utility で使用するデータベース参照ファイルの名前です。このファイル名は、Fileshare サーバーが動作中に使用するデータベース参照ファイルと同じ名前でなければなりません。Rollforward Recovery Utility は、データベース参照ファイルを読み込み、ロールフォワード回復ログ ファイルの場所と名前、および、回復するデータ ファイルの名前を判断します。

注:ロールフォワード回復ユーティリティを起動する前に、データベース参照ファイルのメンテナンス ユーティリティ (/e オプション) を使用して、データベース参照ファイルから不要な項目を消去すると、復元するデータ ファイルを選択することができます。

Rollforward Recovery Utility では、次のオプションを指定することができます。

  • /dt date-time

    このオプションでは、Rollforward Recovery Utility により、指定した時間までに行われたデータ ファイルへの更新を復元するように指定します。date-time の形式は、YYMMDDHHMMSS (年、月、日、時、分、秒) で、数字で指定します。このオプションを指定しない場合は、Rollforward Recovery Utility が、ロールフォワード回復ログ ファイルに記録されているすべての更新を適用します。

    次に例を示します。

    fs /r dbase.ref /dt 931231235959

    このコードでは、データベース参照ファイル dbase.ref を使用して、Rollforward Recovery Utility を起動します。この場合は、1993 年 12 月 31 日までに行われた更新のみが回復します。

  • /v

    このオプションでは、Rollforward Recovery Utility を使用して、検索中の回復ログ ファイルに関する追加情報と格納されているディレクトリを表示します。

更新は複数のログ ファイルに記録することができます (詳細は、「ロールフォワード回復ロギング」を参照してください)。Rollforward Recovery Utility は、ログ ファイル ディレクトリで開始ログ ファイルを検索します。開始ログ ファイルが見つからない場合は、このログ ファイル ディレクトリで開始ログ ファイルのバックアップ ファイルを検索します。ここでも開始ログ ファイルが見つからず、データベース参照ファイルで指定したバックアップ ディレクトリがある場合は、このバックアップ ディレクトリでも同じ手順で検索を繰り返します。Rollforward Recovery Utility が開始ログ ファイルを検出できた場合は、回復手順が始まります。検出できない場合には、エラーが表示され、回復手順は開始されません。

開始ログ ファイルの処理が完了すると、Rollforward Recovery Utility は継続ログ ファイルを検索します。回復ログ ファイルのバックアップを実行していない場合は、継続ログ ファイルが存在しないため、回復処理は終了します。Rollforward Recovery Utility は、継続ログ ファイルを、まずログ ファイル ディレクトリで、次にログ ファイル バックアップ ディレクトリで検索します。すべての更新が回復し、データ ファイルに適用されるまで、回復処理は、継続ログ ファイルを使用して続行します。

トランザクションの処理中にサーバーが終了すると、処理中のトランザクションはログに記録されますが、コミットされません。また、サーバーを強制終了すると、開いているファイルはすべて、トランザクション中であってもクローズとしてログに記録されます。ロールフォワード回復処理ではこれらのトランザクションをコミットできないため、その後に続く通常のクローズは無効となります。このような状況になった場合は、次のメッセージが表示されます。

FS290-W Uncommitted transaction recorded - cannot complete transaction.

このメッセージの後に、トランザクションを完了できないファイル名が示されます。