Micro Focus 製品との下位互換性

Micro Focus 製品を使用して開発およびビルドされた COBOL アプリケーションは、Enterprise Developer で開発およびビルドできます。ただし、動作と用語にはいくつかの相違点があります。

診断ツール

FaultFinder ツールは、現行バージョンの Enterprise Developer では削除されました。これに伴い、次のチューナーが削除されました。

  • faultfind_level
  • faultfind_outfile
  • faultfind_recsize
  • faultfind_config
  • faultfind_cache_enable

これらのチューナーについては、アプリケーションから削除するか、構成ファイルでチューナーcobconfig_error_report=falseを設定してください。

Studio Enterprise Edition との下位互換性

ファイル制御記述 (FCD)
32 ビット アプリケーションのファイル処理操作のデフォルトの FCD 形式は、Studio Enterprise Edition では FCD2 でしたが、Enterprise Developer では FCD3 です。

Net Express および Mainframe Express IDE との下位互換性

Net ExpressMainframe Express、および Eclipse IDE の主な相違点は次のとおりです。

  • パースペクティブ。Team Developer パースペクティブは、アプリケーション エクスプローラー ビュー、[Program Outline]、[Outline]、および [Console] ビューなど、COBOL や PL/I の開発に関連するビューとメニューを表示します。デバッグ、インターフェイス マッパー、および CTF には他のパースペクティブがあります。
  • [Project > Build automatically]。リソースの変更内容を保存するたびに、増分ビルドが開始されます。これにより、前回のビルド後に変更されたすべてのリソースが再ビルドされます。[Project > Clean] を使用すると、再ビルドを強制できます。
  • ビルド設定。ビルド設定は、次の 3 つの場所で使用できます。
    • [Project > Properties > Micro Focus > Project Settings]。ビルド時にコンパイラに渡される追加の指令を指定できます。これらの設定は、アクティブなビルド構成には依存せず、常にコンパイラに渡されます。
    • [Project > Properties > Micro Focus > Build Configurations]。さまざまなビルド シナリオに合わせて複数のビルド構成を用意し、それらを切り替えることができます。使用する構成を選択するには、選択した構成を現在アクティブな構成として設定します。選択した構成は、プロジェクト言語設定をオーバーライドします。
    • 個々のファイルのコンテキスト メニューの [Properties]。これを設定するには、アプリケーション エクスプローラー ビューで COBOL ファイルを右クリックします。この設定はこのファイルに固有であり、現在アクティブなビルド構成と [Project Language Settings] をオーバーライドします。
  • デバッグ構成と実行構成。プログラムをデバッグまたは実行する前に、これらのいずれかの構成が必要です。これらの構成は、次のメニューから使用できます。
    • [Project > Properties > Micro Focus > Run-time Configuration]。これらは、このプロジェクトのランタイム設定です (ランタイム引数、ランタイム チューナー、COBOL スイッチなど)。
    • [Run > Debug Configurations]。ビルド構成と同様、複数のデバッグ構成を保持して切り替えられます。これらは、プロジェクトのランタイム構成をオーバーライドします。
    • [Run > Run Configurations]。これらはデバッグ構成と同様に動作しますが、オプションが若干異なります。
  • チート シートこれらはチュートリアルのようなものであり、タスクの実行方法を簡単な説明とともに段階的に案内します。[Help > Cheat Sheets > COBOL Development] を参照してください。次の操作を行うためのチート シートがあります。
    • 「Hello COBOL World」というメッセージを表示するプロジェクトの作成
    • Eclipse への既存 COBOL ファイルのインポート
    • プログラムのデバッグ

製品の一部のオプションおよびファイルの変更点は次のとおりです。

DBCS リテラルの処置
Net Express では、NCHAR 指令の下で、英数字リテラルに DBCS 文字のみが含まれている場合、そのリテラルは字類 NCHAR として扱われました。Enterprise Developer では、これは当てはまりません。同等の動作を実現するには、手続き部のリテラルの前に N を付ける必要があります (例:IF N"dbcs-chars" = data-item-1.)。これは、NCHAR リテラルに 2 バイトのスペースを埋め込む比較を実行する際に重要です。Enterprise Developer では、文字を指定せずに引用符で囲まれたすべてのリテラル(B"、N" など)は常に英数字として扱われます。
注:次のシナリオでは、リテラルは引き続き NCHAR リテラルとして扱われます。
01 data-item pic N value "dbcs-charaters".
ADIS
Micro Focus 製品では、ADISCTRL ファイルのデフォルトの場所は $COBDIR でした。Enterprise Developer では、このファイルのデフォルトの場所は $COBDIR/etc です。
デフォルトの作業モード
Visual COBOL R4 以前のバージョンでは、COBMODE 環境変数で設定されるデフォルトの作業モードは 32 ビットでした。現行リリースの Visual COBOL および Enterprise Developer では 64 ビットです。
索引の形式
Net Express では、IDXFORMAT オプションのデフォルトの設定は 4 でした。現行リリースの Enterprise Developer では 8 です。
FILEMAXSIZE ファイル ハンドラー構成オプション

Net Express では、FILEMAXSIZE のデフォルトの設定は 4 でした。現行リリースの Enterprise Developer では 8 です。

Micro Focus 製品との共存

COBCONFIG に起因するランタイム システム エラー
Enterprise Developer アプリケーションを実行する場合、または Enterprise Developer を使用してプロジェクトを編集または作成し、Enterprise Developer が参照する構成ファイルに Enterprise Developer にとって無効なエントリが含まれている場合、COBCONFIG または COBCONFIG_ 環境変数を設定すると、ランタイム システム エラーが発生します。

たとえば、Net Express または Studio Enterprise Edition がインストールされており、それに対する COBCONFIG または COBCONFIG_ が設定されている場合は、このエラーが発生する可能性があります。

この問題を回避するには、Enterprise Developer が実行されていないことを確認してから、次のいずれかを行って構成ファイルを変更します。

  • 無効なチューナーを他のアプリケーションが必要としていない場合は、そのチューナーをランタイム構成ファイルから削除します。
  • 構成ファイルの先頭に次の行を追加します。
    set cobconfig_error_report=false
  • COBCONFIG (または COBCONFIG_) を設定解除します。あるいは、実行中の特定のセッションで、無効なチューナーを含まない別の構成ファイルを COBCONFIG (または COBCONFIG_) に設定します。
環境設定によるライセンス エラー
Net ExpressMainframe Express、または Studio Enterprise Edition ユーティリティを Enterprise Developer から呼び出すと、「Micro Focus License Manager service is not running」というメッセージが発生する可能性があります。この問題は、Net Express または Studio Enterprise Edition の環境設定を必要とするツールが Enterprise Developer の環境設定で呼び出された場合に発生します。

この問題は、Net Express または Studio Enterprise Edition に関連付けられている .dat などのファイルを編集すると発生します。これは、Net Express または Studio Enterprise Edition 製品内のユーティリティを Enterprise Developer の外部ツールとして呼び出す場合にも発生します。

Enterprise Developer でこの問題を回避するには、次の操作を行います。

  1. ツールを呼び出す前に COBREG_PARSED を設定解除するバッチ ファイルを作成します。バッチ ファイルには、次の内容が含まれます。
    Set COBREG_PARSED=
    Call [PathToUtility] %1

    PathToUtilityは、Net Express または Studio Enterprise Edition ユーティリティへのパスです。

  2. Visual Studio IDE で、外部ツールとしてユーティリティ自体の代わりにバッチ ファイルを追加します。

    これにより、そのツールの実行時に適切な環境が確立されます。