PLIDUMP の使用

本セクションでは、PLIDUMP の呼び出しに使用するダンプオプションおよび構文について説明します。また、プログラムをデバッグする際に役立つ、ダンプに含まれる PL/I 固有の情報についても説明します。

PLIDUMP を呼び出してプログラム環境ダンプを生成する PL/I ルーチンの例を次に示します。この例では、メインルーチンの PLIDMP が PLIDMPA を呼び出し、その後 PLIDMPA が PLIDMPB を呼び出します。PLIDUMP の呼び出しは、ルーチン PLIDMPB で行われます。

%PROCESS MAP GOSTMT SOURCE STG LIST OFFSET LC(101);
 PLIDMP: PROC OPTIONS(MAIN) ;

   Declare   (H,I) Fixed bin(31) Auto;
   Declare   Names Char(17) Static init('Bob Teri Bo Jason');
   H = 5;	 I = 9;
   Put skip list('PLIDMP Starting');
   Call PLIDMPA;

     PLIDMPA:  PROC;
       Declare (a,b) Fixed bin(31) Auto;
       a = 1;	 b = 3;
       Put skip list('PLIDMPA Starting');
       Call PLIDMPB;

         PLIDMPB:  PROC;
           Declare  1 Name auto,
             2 First   Char(12) Varying,
             2 Last    Char(12) Varying;
           First = 'John';
           Last = 'Thompson';
           Put skip list('PLIDMPB Starting');
           Call PLIDUMP('TBFC','PLIDUMP called from procedure PLIDMPB');
           Put Data;
         End PLIDMPB;
     End PLIDMPA;
 End PLIDMP;

本セクションでは、全体を通して上記の例を参照します。

PLIDUMP を使用する場合は、次の点を考慮してください。

1 つのルーチン内で PLIDUMP を複数回呼び出す場合は、それぞれの PLIDUMP 呼び出しに一意のユーザー識別子を使用してください。こうすることで、各ダンプの開始を容易に識別できるようになります。
ddname PLIDUMP の DD 文を使用して、ダンプのデータセットを定義することができます。DD 文で定義するデータセットでは、300/304 以上の論理レコード長 (LRECL) を指定して、ダンプレコードの折り返しを避けてください。DD 文のターゲットとして SYSOUT を使用する場合は、MSGFILE(SYSOUT,FBA,300,0) または MSGFILE(SYSOUT,VBA,304,0) を指定して、行の折り返しを避けてください。
ダンプトレースバックテーブルに、プログラムユニット名、プログラムユニットアドレス、およびプログラムユニットオフセットを正しくリストするには、-debug オプションを使用して PL/I プログラムをコンパイルする必要があります。-debug オプションは、-opt または -opt3 オプションと併用できます。シンボルおよび行情報をダンプで取得するには、-debug オプションを使用してコンパイルし、.stb ファイルを生成する必要があります。
生成される .stb ファイルは、.exe、.dll、または .so ファイルと同じ場所か、あるいは環境変数 CODEWATCH_STBPATH で指定されている場所に格納されます。それ以外の場合、PLIDUMP によって生成されたダンプには、役に立つ情報はほとんど含まれません。
Windows プラットフォームでは、追加の .pdb ファイルを、CODEWATCH_STBPATH 環境変数で参照されている関連ディレクトリのいずれかに格納するか、関連付けられている .dll と同じ場所に格納する必要もあります。それ以外の場合、Enterprise Server での実行時に呼び出しスタックを処理しようとした際、S0C4 異常終了が発生する可能性があります。
デフォルトの出力に加えて、またはデフォルトの出力に代えて、コアファイルを出力するように PLIDUMP を設定できます。これを行うには、PLIDUMP_CONFIG 環境変数を使用します。PLIDUMP_CONFIG に指定できる値は次のとおりです。

NONE

出力は生成されません。

CORE

PLIDUMP はコアファイルのみを出力します。

BOTH

PLIDUMP はプログラム環境ダンプに加えてコアファイルを出力します。

PLIDUMP_CONFIG が設定されていない場合、または上記の値とは異なる値が設定されている場合、デフォルトのプログラム環境ダンプのみが生成されます。

PLIDUMP を使用して PL/I ルーチンのダンプを生成することは、システムプラットフォーム間の移植性の確保に役立ちます。

PLIDUMP は、デフォルトの出力に加えて、またはデフォルトの出力に代えて、コアファイルを出力するように構成できます。これは、PLIDUMP_CONFIG 環境変数を使用して制御します。PLIDUMP_CONFIG に指定できる値は次のとおりです。

NONE: 出力は生成されません。
CORE: PLIDUMP はコアファイルのみを出力します。
BOTH: PLIDUMP はプログラム環境ダンプに加えてコアファイルを出力します。

PLIDUMP_CONFIG が設定されていない場合、または上記の値のいずれでもない場合、デフォルトのプログラム環境ダンプのみが生成されます。