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第 1 章 はじめに

この章では、Net Express Java AddPack の概要について説明します。

1.1 概要

昨今、既存の企業情報システムを e-Business 形態へ進化させる事例が増加している中で、COBOLベースの既存IT資産をJavaベースのプラットフォームで有効活用することが要求されるようになっています。Javaで書かれたモジュールとCOBOLで書かれたモジュールを連携させること、特に新規に作成されたJavaアプリケーションから、既存のCOBOLロジックをコンポーネントとして利用することは、e-Businessのアプリケーションを強固かつ柔軟に作成するための有効な方法です。

ここでは、7月から配布開始される Net Express Java Add-Pack が提供するさまざまな連携技法として、Java Native Interface (JNI) を直接使用する方法や、Enterprise Java Bean (EJB) の記述などのより高度な利用方法を紹介します。

1.2 システム要件

Java アプリケーションを実行するマシンには、Java ランタイム システムが必要です。 Java と COBOL の混合アプリケーションを開発する場合は、Java 開発環境も必要です。 Sun Microsystems から入手可能な Java Software Development Kit を使用するか、または、次にあげる Sun または Microsoft のランタイム環境に基づく Java IDE を使用することができます。

Net Express が現在、Windows 環境でサポートしている Java ランタイム システムは次のとおりです。

1.3 例題プログラム

このマニュアルで解説されている機能の例題が、本 AddPackとともに提供されています。それらは、\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\ の下に置かれています。ここで、\NetExpress は、Net Express がインストールされているルートディレクトリです。

以下の例題が提供されています:

Java/Arrays プロジェクト
\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\COBOL\ARRAYS\ 下にあります。 COBOL プログラムによる、ランタイム cobcall インターフェイスを使用した Java 配列の読み込み/更新の例です。

Java/Pi プロジェクト
\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\COBOL\PI\ 下にあります。 COBOL プログラムによる、ランタイム cobcall インターフェイスを使用した Java 基本型の読み込み/更新の例です。

Java/PrimTypes プロジェクト
\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\COBOL\PRIMTYPES\ 下にあります。 COBOL プログラムによる、ランタイム cobcall インターフェイスを使用した Java 基本型の読み込み/更新の例です。

ARRAYDEMO プロジェクト
\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\OOCOBOL\ARRAY\ 下にあります。 COBOL クラスで Java 配列を使用する方法を説明します。

JAVACALC プロジェクト
\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\OOCOBOL\SIMPLE\ 下にあります。 Java から起動できる COBOL クラスを書く方法を説明します。

SORTDEMO プロジェクト
\NetExpress\BASE\DEMO\JAVADEMO\OOCOBOL\SORT\ 下にあります。 Java を起動するオブジェクト COBOL オブジェクトを持ち、Java オブジェクトを起動するプログラムを書く方法を説明します。

また、例題プログラムとは別に COBOL Enterprise JavaBeans(EJB)テンプレートプロジェクトも提供されています。このプロジェクトをテンプレートとしてプロジェクトのクローンを作成することによって、容易に COBOL Enterprise JavaBeans を作成することができます。

COBOL Enterprise JavaBeans テンプレートプロジェクトは、\NetExpress\BASE\SOURCE\TEMPLATE\EJB\EJBTPLT.APP にあります。使用方法の詳細は、同プロジェクト中の README.TXT を参照して下さい。

1.4 COBOLプログラムのデバッグ

Java から呼び出される COBOLクラスや、COBOL Enterprise JavaBeans を Animator でデバッグするには、デバッグ対象メソッドの PROCEDURE DIVISION の先頭に CBL_DEBUGBREAK の呼び出しを挿入します。

提供されている例題プログラムでは、COBOLクラスのビルドは Net Express IDE のリビルド機能を使用して行いますが、それを実行するには、Debug ディレクトリでコマンド行から起動します。例題プログラムには既に CBL_DEBUGBREAK の呼び出しが挿入されているので、実行時に COBOLメソッドに到着すると自動的に Animator が起動します。


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