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Server Express には、UNIX システムで実行する COBOL アプリケーションの開発に必要なコンポーネントがすべて含まれています。 Server Express を使用すると、IBM メインフレーム COBOL や UNIX システムなど、他の様々なシステムや方言から、COBOL アプリケーションを問題なく移植することができます。 この章をお読みになる前に、『入門書』を参照してください。COBOL システムのインストール方法や、使用方法の概要が説明されています。
この章では、COBOL ソースコードから実行ファイルを作成するのに必要な手順と、アプリケーションの開発に役立つ便利なツールについて、概要を説明します。オブジェクト指向の COBOL プログラムを作成する場合は、これ以外にも情報が必要です。 詳細は『OO Programming with Object COBOL』 を参照してください。 64 ビットモードで作業する場合は 『32 ビットモードおよび 64 ビットモードでの作業』の章を参照してください。
プログラムのデバッグは、アプリケーション開発サイクルのどの時点でも行うことができます。通常の場合、アプリケーションは、「編集 -> コンパイル -> デバッグ」サイクル (上記手順 1〜3) で開発中にデバッグしますが、実行可能プログラムは、Server Express の様々なデバッグ機能を使って、いつでもデバッグすることができます。これにより、運用段階に入った後でも、プログラムを簡単に修正、および保守することができます。
Server Express には、COBOL プログラム、およびアプリケーションの開発に役立つツールやユーティリティが用意されています。以降の章では、これらのツールやユーティリティついて説明します。
プログラムの作成と編集は、アプリケーションを書く上で必要な、最も基本的な機能の 1 つです。
プログラムの編集にはエディタを使用します。エディタに関する詳細は、『Utilities Handbook』の 『Editor』の章を参照してください。エディタ以外にも、vi のようなシステムエディタを使用して、プログラムを編集することができます。
プログラムをデバッグする前にプログラムの構文をチェックする必要があります。構文チェックはコンパイルの第 1 段階です。
構文チェックでは次のファイルが作成されます。
これらのファイルはプログラムをデバッグする際に、Animator で使用されます。
プログラムの構文チェックには cob コマンドを使用します。コンパイルと cob コマンドに関する詳細は 『プログラムの作成』、『コンパイラの使用』、および 『COBOL システムインターフェイス (Cob)』 の章を参照してください。
プログラムの構文チェックは、エディタからも実行できます。エディタからコンパイラを呼び出して、プログラムの構文をチェックします。 コンパイラで構文エラーが検出されると、メッセージが表示されます。構文チェックが終了すると、エディタは編集画面に戻り、最初のエラーの場所にカーソルが表示されます。 エラーを修正すると、次のエラーにカーソルを移動することができます。 詳細は、『Utilities Handbook』の 『Editor』の章を参照してください。
Server Express では、プログラムのデバッグツールとして Animator を提供します。 Animator は多機能のデバッグ環境を実現します。
Animator を使用すると、ソースコードを表示しながらそのプログラムを実行したり、実行結果を実行文ごとに表示することができます。Animator を使用したデバッグは、「アニメート」とも呼ばれます。
Animator を使ってプログラムをデバッグすると、次の作業を実行できます。
Animator の基本的な機能を以下に示します。これらの使い方を理解し、Animator を有効に活用してください。
Step
Perform Step
Perform Exit
Breakpoint Set
Zoom
View
Locate
Query
Monitor ([Query] メニュー)
上記の基本的な機能を理解し、Animator が使いこなせるようになったら、さらに次の機能も活用してください。
Breakpoint Do
Do statement
Reset Quit
Split Text
Breakpoint If
Animator の使用方法に関する詳細については、『デバッギングハンドブック』を参照してください。
プログラムのデバッグが終了したら、コンパイルして実行可能形式のファイルを作成する必要があります (実行可能ファイルのタイプについては、『アプリケーションのパッケージ化』の章の、 『実行可能ファイルのタイプ』の項で説明しています)。特定の実行可能形式でプログラムを作成する場合の詳細は『プログラムの作成』の章を参照してください。
Server Express は、アプリケーションをパッケージ化する方法を複数用意しています。それぞれにメリットとデメリットがあります。アプリケーションのパッケージ化方法に関する詳細は、『アプリケーションのパッケージ化』の章で説明しています。 アプリケーションをパケージ化する方法には次のものがあります。
Server Express は、アプリケーションに必要なすべてのサブプログラム、およびサポートモジュールをメモリに保持することができます。 これにより、通常はアプリケーションの作成時に必要となる、システムの実行可能プログラムのステップへのリンクが不要になります。Server Express をこのように使用する場合は、プログラムを呼び出し可能な共有オブジェクト、中間コード、または生成コードにコンパイルする必要があります。
実行可能ファイルの形式に関する詳細は、『アプリケーションのパッケージ化』の章で説明しています。
アプリケーション内のプログラムを、呼び出し可能な共有オブジェクト、中間コードファイル、または生成コードファイルとして、簡単にユーザに提供することができます。
cob を使用してプログラムをリンクし、実行可能ファイルを作成することができます。 プログラムのリンクプロセスは 2 段階で実行されます。 まず、ソースコードがコンパイルされ、オブジェクトコード形式のファイルが作成されます。 次に、オブジェクトコードファイルがリンクされ、システムの実行可能ファイル、共有ライブラリ、または呼び出し可能な共有オブジェクトが作成されます。リンクに関する詳細は、『システムの実行可能プログラムへのリンク』の章で説明しています。
通常は、cob コマンドを使用して、コンパイルとリンクを 1 操作で行います。
前の項で説明したいずれかの方法のでアプリケーションをパッケージ化すると、アプリケーションを実行することができます。 アプリケーションを実行するには、コマンド行でシステムの実行可能ファイル名を入力します。 たとえば、アプリケーションをリンクして、システムの実行可能ファイル myprog を作成した場合に、このプログラムを実行するには、コマンド行で次のように入力します。
myprog
ACCEPT ... FROM COMMAND-LINE 文を使用して、コマンド行を読み込むプログラムの場合は、必要なコマンドをファイル名の後に入力します。 たとえば、次のように入力します。
myprog in-file new-file
呼び出し可能な共有オブジェクト、中間コードファイル、または生成コードファイルを使用してアプリケーションをビルドした場合は、cobrun トリガを使う必要があります。 たとえば、次のように入力します。
cobrun myprog
また、プログラムがマルチスレッドの場合は次のように入力します。
cobrun_t myprog
マルチスレッドプログラミングに関しては、『Multi-threaded Programming』 を参照してください。 実行時トリガに関しては、このマニュアルの『実行』 の章を参照してください。
アプリケーションを、作成し、テストを行った後に、必要であれば、エンドユーザに提供できます。 アプリケーションを提供する場合は、アプリケーションを形成するすべての実行プログラムと、すべての構成ファイル、およびデータファイルを提供する必要があります。 これ以外に、アプリケーションで必要な Micro Focus Server Express のシステムファイルを含む Application Server も提供する必要があります。
Application Server に関しては、『Application Server の使用』の章を参照してください。
詳細情報は次の章を参照してください。
次のマニュアルも参照してください。
『入門書』の『サンプルセッション』の章では、チュートリアルを使って、開発プロセスを説明しています。
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