この用語集は、このCOBOLシステムで使用される用語の意味を定義したものである。したがって、ここに取り上げた用語の意味は、他の用途で使われた同じ用語とは異なることがある。
以下に説明する用語は、参考資料または入門資料とすることを目的としているので、マニュアルの言語仕様を読む前に目を通しておくとよい。用語の定義は、簡潔な説明にとどめてあり、詳細な構文規則は含んでいない。
この用語集は、COBOLの方言を含まない。
定義
(あ行)
暗黙区分(implicit segment)
コード区分の大きさを調整するために、COBOLシステムによって作成される区分。
暗黙範囲符(implicit scope terminator)
先行する文の有効範囲の終わりを区切る、分離符の終止符(.)。または、文の中の指定で、それが出て来ることにより、先行する指定が含まれる文の有効範囲を区切るもの。
一意名(identifier)
データ項目に名前を付ける、構文的に正しい文字列と分離符との組合わせ。
関数ではないデータ項目を指すときは、一意名は、データ名とその参照の一意性を保つために必要な修飾語、添字、部分参照から構成される。関数を指すときは、関数一意名を使用する。関数の参照、修飾、添字付け、部分参照は、一般形式の規則の中で禁止されている場合がある。
印字位置(column)
印字行中の文字位置。
受取り側項目(receiving item)
画面節中のPICTURE句において、TO指定またはUSING指定が対象とするデータ項目。
英字(alphabetic character)
下記の文字集合に属する文字。
A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P, Q, R, S, T, U, V, W, X, Y, Z,
a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, m, n, o, p, q, r, s, t, u, v, w, x, y, z、
空白。
英数字(alphanumeric character)
計算機の文字集合中の、任意の文字または数字。
英数字関数(alphanumeric function)
関数のうち、得られる値が、計算機の文字集合の中の1文字以上の文字から構成されるもの。
演算符号(operational sign)
数字データ項目または数字定数に付けて、値が正であるか負であるかを示す算術符号。
送出し側項目(sending item)
画面節中のPICTURE句において、FROM指定またはUSING指定が対象とするデータ項目。
(か行)
カーソル(cursor)
CRT画面上の記号で、現在入出力の対象となっている行とカラムの座標位置の目印となる。
外部データ(external data)
プログラム中で、外部データ項目および外部ファイル結合子として記述したデータ。
外部ファイル結合子(external file connector)
実行単位の中で、1つ以上の実行用プログラムによって呼び出すことのできるファイル結合子。
カウンタ(counter)
他の数値に基づいて、値を増減したり、ゼロまたは任意の正か負の値に変更したり、再設定したりするために使用する、データ項目。
拡張モード(extend mode)
EXTEND指定をしてOPEN文を実行した後の、ファイルの状態。このファイルに対してCLOSE文を実行するまで、拡張モードのままである。
可変反復データ項目(variable-occurrence data item)
反復回数が変えられる、表の中のデータ項目。そのデータ記述項にはOCCURS DEPENDING ON句が含まれるか、またはそのような項目の下位に属する。
画面記述項(screen description entry)
データ部の画面節中の記述項。レベル番号と、それに続く画面名と、一連の画面句から構成される。画面名は指定しなくてもよく、画面句は必要なものを指定する。
この記述項は、形の上ではデータ記述項とよく似ている。ただし、データ記述項は記憶領域を定義するのに対して、画面記述項は画面領域を定義する。
画面項目(screen item)
画面記述項がその属性を定義する、画面上の項目。
画面節(screen section)
データ部中の最後の節。この節で、ACCEPT文の書き方4およびDISPLAY文の書き方2を通じて呼び出す、画面領域のレイアウトを定義する。
カラム(column)
文字位置。左端の文字位置を1として、順次右側に1ずつ繰り上げて番号付けされる。
仮原文(pseudo-text)
仮原文区切り記号(==)によって囲まれた、一連の文字列や分離符。ただし、仮原文区切り記号は含まない。
仮原文区切り記号(psuedo-text delimiter)
等号(=)を2つ並べたもの。仮原文を区切るために使用する。
環境句(environment clause)
環境部の記述の一部として書く句。
完結文(sentence)
1つ以上の文を連ね、その最後の文を終止符(.)に続く空白で止めたもの。
関数(function)
関数は、呼び出されて実行されると作成者が設定した機構に従って、その時点で該当する一時データ項目の値を定める。
関数一意名(function-identifier)
関数を参照する、構文的に正しい文字列と分離符の組合わせ。関数によって表わされるデータ項目は、関数名と、引数がある場合にはその引数とによって、一意に識別される。
関数一意名には、部分参照を適用することができる。
英数字関数を指す関数一意名は、一般形式中の一意名を指定できる箇所であればどこにでも指定できる。ただし、何らかの制限がある場合がある。
整数関数または数字関数を指す関数一意名は、一般形式中の算術式を指定できる箇所であればどこにでも指定できる。
関数名(function-name)
関数の名前。(関数の項を参照)
キー(key)
レコードの所在を識別するためのデータ項目、またはデータの整列順を決定するデータ項目の組。
記号関数(symbol function)
データの種類を表わすために、PICTURE句内で指定された文字を使用すること。
記述項(entry)
COBOL原始プログラムの見出し部、環境部、データ部に書く一連の句。分離符の終止符(.)で止めたもの。
記述項の左辺(subject of entry)
データ部内の記述項において、レベル指示語またはレベル番号の直後に来る、作用対象(オペランド)または予約語。
基本項目(elementary item)
論理的にさらに分割されることのない形で記述されている、データ項目。
逆編集(de-edit)
数字編集データ項目からすべての編集文字を論理的に除去して、編集前のそのデータ項目の値に戻すこと。
行順ファイル編成(line sequential file organization)
順ファイルの一種であって、ホスト・オペレーティングシステムによって生成される、テキスト・ファイル形式の可変長レコードを含む。
共通プログラム(common program)
あるプログラム中に含まれているプログラムであるが、その親プログラム中に直接的または間接的に含まれる任意のプログラムからも呼出せるプログラム。
句(clause)
記述項の属性を指定するために並べた、一連のCOBOLの文字列。
句読文字(punctuation character)
下記の文字がある。
|
文字 |
意味 |
|
, |
コンマ |
|
; |
セミコロン |
|
. |
終止符 |
|
" |
引用符 |
|
( |
左かっこ |
|
) |
右かっこ |
|
|
空白 |
|
= |
等号 |
|
' |
アポストロフィ |
区分番号(segment-number)
手続き部内の節を、区分化の目的で分類するための利用者語。区分番号には、0から9までの数字だけが使用できる。区分番号は、1桁または2桁の数字で表わすことができる。
組合せ条件(combined condition)
2つ以上の条件を、論理演算子の"AND"または"OR"で結んだ条件。
計算機名(computer-name)
原始プログラムを翻訳(コンパイル)したり、実行用プログラムを実行したりする計算機を識別するためのシステム名。
形式(format)
データを整える形。
けた位置(digit position)
1桁の数字を収めるのに必要な、物理的記憶単位。その大きさは、該当するデータ項目の用途によって変わる。
言語名(language name)
特定のプログラミング言語を指定する、システム名。
現在レコード(current record)
ファイルのレコード領域中で、利用できる状態にあるレコード。
原始プログラム(source program)
このマニュアルにおいては、原始プログラム(ソースプログラム)とは、見出し部で始まり手続き部の末尾で終わる、文法的に正しい一連のCOBOLの文を指す。混同される危険がない文脈においては、原始プログラムの代わりに、単にプログラムという語を使うことがある。
原文語(text-word)
COBOL登録集、原始プログラム、仮原文の中の、境界Aから境界Rの間の1文字または一連の文字のうち、下記のもの。
原文名(text-name)
登録集原文(ライブラリ・テキスト)を識別する、利用者語。
語(word)
30字以下の文字列。利用者語、システム名、予約語、関数名として使用される。
降順キー(descending key)
データ項目の比較規則に従って、値が最大のものから最小のものの順にデータを整列させるために使用するキー。
更新項目(update field)
画面項目のうち、その記述中にUSINGが指定されているもの。
構成節(configuration section)
環境部内にあって、翻訳用計算機および実行用計算機の全般的な仕様を記述する節。
構文(syntax)
プログラムをコーディングするときに、各要素を組み合わせて並べる順序、またその規則。
固定方式(fixed format mode)
画面上の数字項目および数字編集項目にデータを入力するときの、省略時解釈の方式。
この方式では、入力されたデータは形式を整えられて画面に表示される。また、キーボードからデータを入力するにつれて、該当する項目に指定されているPICTUREの内容に応じて、カーソルが移動される。
"+"と"-"と小数点以外の文字は受け付けられない。編集項目中の挿入文字は、カーソルが前後に移動する際に、飛ばされる。符号を表わすものは正規の仕様に従って変更される。浮動記号は項目中を左右に移動される。数字が挿入されたり削除されたりするのに応じて、挿入記号が表示されたり消去されたりする。
固有の照合順序(native collating sequence)
実行用計算機段落に指定した、計算機に固有の省略時解釈の文字の照合順序。
固有文字集合(native character set)
実行用計算機段落に指定した、計算機に作成者が定義した文字集合。
(さ行)
最右端(low order end)
文字列の右端の文字。
最左端(high order end)
文字列の左端の文字。
作業場所節(working-storage section)
データ部内にあって、作業場所データ項目を記述する節。作業場所節は、独立項目または作業場所レコードのどちらか一方または両方から構成される。
索引ファイル(indexed file)
索引編成のファイル。
索引編成(indexed organization)
ファイル内の各レコードを、レコード中の1つ以上のキーの値によって識別する、永続的な論理ファイル構造。
作用対象(operand)
作用対象(オペランド)の一般的な定義は、「操作の対象となる要素」である。このマニュアルの記述では、一般形式の中に日本語で示した語が、作用対象を表わしている。日本語で示した語は、作用対象によって表わされたデータ項目を暗黙的に参照することも表わす。
算術演算子(arithmetic operator)
下記の1文字または2文字の組合わせ。
|
文字 |
意味 |
|
+ |
加算 |
|
- |
減算 |
|
* |
乗算 |
|
/ |
除算 |
|
** |
べき乗 |
算術式(arithmetic expression)
数字基本項目の一意名、数字定数、それらの一意名や定数を算術演算子でつないだもの。または、算術式を算術演算子でつないだもの。または、かっこで囲んだ算術式。
参照キー(key of reference)
索引ファイル中のレコードを呼び出すために、現在使用されているキー。
システム名(system-name)
操作環境に関する情報を伝えるために使用する、COBOLの語。
実行時(run-time, execution time)
実行用プログラムを実行する時点。
実行単位(run unit)
1つ以上のプログラムの組。実行時に、問題解決の単位として相互に作用する。
実行用計算機(object-computer)
実行用プログラムを実行する計算機。また、これを記述する、環境部内の段落の名前。
実小数点(actual decimal point)
データ項目中の小数点の位置を、終止符(.)またはコンマ(,)を使用して、実際に表現したもの。
指定(phrase)
COBOLの手続き文または句の中で、詳細仕様を指定するために使用する語。
指標(index)
表の中の個々の要素を識別するために使用する、計算機の記憶領域またはレジスタ。
指標付きデータ名(indexed data-name)
データ名とその後ろにかっこで囲んで付けた、1つ以上の指標名からなる一意名。
指標データ項目(index data item)
指標名に関連する値を格納する、データ項目。
指標名(index-name)
表に付けた指標の名前を表わす、利用者語。
修飾語(qualifier)
修飾されたデータ名(qualified data-name)
一意名のうち、連結語のOFまたはINの後にデータ名を書いた修飾語の組を、データ名の後ろにいくつか続けたもの。
集団項目(group item)
一連の基本項目の組に、名前を付けたもの。
自由方式(free format mode)
固定方式(画面上の数字項目および数字編集項目にデータを入力するときの省略時解釈)、とは別の方式。
この方式では、カーソルが入力項目内にある間は、キーボードから入力したデータはそのまま入力項目内に保持される。カーソルが入出力項目の外に出された時点ではじめて、PICTURE仕様に従ってデータが編集される。このとき、数字と符号と小数点以外のすべての文字は無視される。そして、取り上げられた数字が編集されて格納される。この作業は、同じPICTUREのデータ項目を転記するときの、COBOLの規則に従って行われる。
得られた数値は、画面上に表示されるのが普通である。
終了記号(message indicator)
通信管理システムに対して、通信の終わり(切れ目)を知らせるための論理記号。下記のものがある。
EGI 通信群の終わり
EMI 通信文の終わり
ESI 通信行の終わり
EGIとEMIとESIは、階層関係をもつ。したがって、EGIはEMIとESIを含み、EMIはESIを含む。このため、通信行は、EMIによってもEGIによっても終了される。また、通信文は、EGIによっても終了される。
出力項目(output field)
画面項目のうち、FROM指定を含むもの。
出力先(destination)
待ち行列から伝送する、受信側の記号名。
出力手続き(output procedure)
SORT文の実行中に整列が完了した後で、またはMERGE文の実行中に併合順の次のレコードが選択された後で制御が移される、一連の手続き。
出力ファイル(output file)
出力モードまたは拡張モードで開かれたファイル。
出力モード(output mode)
OUTPUT指定またはEXTEND指定をしてOPEN文を実行した後の、ファイルの状態。そのファイルにCLOSE文を実行するまで、出力モードのままである。
主レコードキー(prime record key)
索引ファイル中のレコードを、一意に識別するキー。
順ファイル(sequential file)
順編成のファイル。
順編成(sequential organization)
ファイル中にレコードを格納したときに確立される先行・後行関係に基づいてレコードを識別する、永続的な論理ファイル構造。
順呼出し(sequential access)
論理レコードを、ファイル中のレコードの順序によって決まる連続した先行レコードと後行レコードの順に、読み込んだり書き出したりする呼出し法。
条件(condition)
真理値を決定するための、プログラムの実行時の状態を指定する記述。
この言語仕様において、一般形式の「条件」(条件-1、条件-2、など)の中または条件を参照する中に、「条件」(条件-1、条件-2、など)という用語があるとき、これは真理値を定める条件式を表わす。
条件式を構成するものには、単純条件(かっこで囲んでもよい)、組合せ条件(構文的に正しい単純条件の組合わせからなる)、論理演算子、かっこがある。
条件式(conditional expression)
IF文、PERFORM文、EVALUATE文、SEARCH文の中に指定された、単純条件または複合条件。単純条件(Simple Condition)および複合条件(Complex Condition)の各項を参照。
条件文(conditional statement)
条件の真理値を判定して、その値によって、実行用プログラムのその後の処理を分ける文。
条件変数(conditional variable)
1つ以上の値に条件名を割り当てられたデータ項目。
条件名(condition name)
条件変数がとることのできるすべての値の中の、ある特定の値や、値の組や、値の範囲に付けた利用者語。または、作成者が定義したスイッチまたは装置に付けた利用者語。
条件名条件(condition-name condition)
ある条件変数の値が、その条件変数に関連する条件名に割り当てられている値の組に含まれるかどうかを問う命題。この結果によって真理値が定まる。
条件名データ記述項(78 level-description-entry)
条件名を記述するデータ記述項。レベル番号に78を使用することになっている。
昇順キー(ascending key)
データ項目の比較規則に従って、値が最小のものから最大のものの順にデータを整列させるために使用するキー。
字類条件(class condition)
作用対象(オペランド)がすべて英字であるか数字であるかを問う命題。この結果によって真理値が定まる。
さらに、小文字の英字、大文字の英字、環境部の特殊名段落中でCLASS句によって定義されている文字集合中の文字、だけを含むことを検査できる。
真理値(truth value)
ある条件を評価した結果の値。「真」または「偽」のどちらかで表わされる。
スイッチ状態条件(switch-status condition)
作成者が定義した「オン」または「オフ」の状態に設定できるスイッチが、指定された状態になっているかどうかを問う命題。この結果によって真理値が定まる。
数字(numeric character)
下記の文字がある。
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9
数字関数(numeric function)
字類および項類が数字に属する関数であるが、関数評価上の何らかの理由によって、整数関数の条件を満たさないもの。
数字項目(numeric item)
0から9の数字によってだけ表わされる値を取る、データ項目。符号付きの場合は、"+"と"-"またはそれ以外の演算符号を含むことができる。
数字定数(numeric literal)
いくつかの数字からなり、小数点と算術符号を含むことができる定数。
小数点は、右端に来てはならない。算術符号がある場合は、左端に来ること。
正書法(reference format)
COBOLの原始プログラムをコーディングする、標準的な書き方。
整数(integer)
一般形式の中に「整数」と示されている場合、これは整数である数字定数でなければならない。また、符号が付いていてもゼロであってもならない。ただし、書き方の規則中で許されている場合は、例外である。
整数関数(integer function)
項類が数字の関数であって、どのような場合にも、その関数を評価した結果として返される値の小数部分がゼロであると定義されるもの。
正負条件(sign condition)
データ項目または算術式の代数値が、正であるか負であるかゼロであるかを問う命題。この結果によって真理値が定まる。
整列併合用ファイル記述項(sort-merge file description entry)
データ部のファイル節中の記述項。レベル指示語のSDと、それに続くファイル名と、必要であれば一連のファイル句から構成される。
整列用ファイル(sort file)
SORT文によって整列(ソート)される、レコードの集合。整列用ファイルは、整列機能によってだけ作成され、使用される。
節(section)
節の見出しと、節の本体から構成される。冒頭に節の見出し、その後ろに本体としての一連の段落、または記述項が続く。ただし、段落または記述項がない場合もある。
節の見出し(section header)
環境部、データ部、手続き部の節の始まりを示す語の組。終止符(.)に続く空白で止める。
環境部およびデータ部では、節の見出しに用いる語は予約語である。
下記のものがある。
環境部
CONFIGURATION SECTION.
INPUT-OUTPUT SECTION.
データ部
FILE SECTION.
WORKING-STORAGE SECTION.
LOCAL-STORAGE SECTION.
LINKAGE SECTION.
COMMUNICATION SECTION.
REPORT SECTION.
SCREEN SECTION.
手続き部では、節の見出しに用いる語は、節名に続く予約語のSECTIONと節番号から成る。ただし、節番号はなくてもよい。
節名(section name)
手続き部内の節に付ける名前として使用する、利用者語。
宣言完結文(declarative-sentence)
単一のUSE文を、分離符の終止符(.)で止めた翻訳指示完結文。
宣言部分(declaratives)
手続き部の冒頭に続けて書いた、特殊な目的用のいくつかの節。
最初の宣言節の冒頭には必要語DECLARATIVESを置き、最後の宣言節の末尾には必要語END DECLARATIVESを置く。宣言部分には、まず節の見出しを書き、続けてUSE翻訳指示完結文と必要な段落を書く。段落は、必要ない場合もある。
相対キー(relative key)
相対ファイル中の論理レコードを識別するためのキー。
相対ファイル(relative file)
相対編成のファイル。
相対編成(relative organization)
ファイル中のレコードを1以上の整数値によって一意に識別する、永続的な論理ファイル構造。この整数値は、ファイル中のレコードの論理的な順序を表わす。
想定小数点(assumed decimal point)
データ項目中に実小数点を含まないで指定された、小数点位置。想定小数点は、論理的には意味をもつが、物理的な表現はなされない。
添字(subscript)
表の中の、個々の要素を識別するための出現番号。この番号は、整数またはデータ名または指標名によって表わす。
データ名または指標名を使用する場合は、その後ろに、演算子の正号(+)または負号(-)に続けて整数を記述してもよい。関数の引数に添字付けした一意名を使用するときは、語ALLを添字として使用できる。
添字付きデータ名(subscripted data-name)
データ名の後ろに、いくつかの添字をかっこで囲んで付けたデータ名。
(た行)
単項演算子(unary operator)
変数または算術式の中の、左かっこの前にある正号(+)または負号(-)。それぞれ、式に+1または-1を掛ける効果をもつ。
単純条件(simple condition)
下記の条件の1つ。
比較条件
字類条件
スイッチ状態条件
条件名条件
正負条件
上記の単純条件をかっこで囲んだもの
端末(terminal)
対話型の入出力装置。表示画面または印字装置とキーボードから構成される。この装置を通じて、操作員がデータを入力したり視覚データを受け取ったりすることができる。
段落(paragraph)
見出し部および環境部においては、段落の見出しに続く、いくつかの記述項(記述項がない場合もある)。
手続き部においては、段落名(終止符に続く空白で止める)に続く、いくつかの文(文がない場合もある)。
段落の見出し(paragraph header)
見出し部および環境部で、段落の始まりを示す予約語。終止符(.)に続く空白で止める。
下記のものがある。
見出し部
PROGRAM-ID.
AUTHOR.
INSTALLATION.
DATE-WRITTEN.
DATE-COMPILED.
SECURITY.
REMARKS.
環境部
SOURCE-COMPUTER.
OBJECT-COMPUTER.
SPECIAL-NAMES.
FILE-CONTROL.
I-O-CONTROL.
段落名(paragraph-name)
手続き部で、段落を識別し、その始まりを示す利用者語。
注記行(comment line)
原始プログラム中の標識領域に、星印(*)を付けた行。その行のA領域およびB領域に、計算機の文字集合中の任意の文字を記述できる。注記行は、プログラム中で説明のためだけに使用する。
もう1つ、特別の注記行を表わすものとして、標識領域に斜線(/)を書くことができる。この場合、その注記行が印字される前に、改ページされる。
注記項(comment entry)
見出し部中の記述項であって、計算機の文字集合中の任意の文字を含めることができる。
通貨編集用文字(currency symbol)
特殊名段落中で、CURRENCY SIGN句によって定義された文字。COBOL原始プログラム中にCURRENCY SIGN句を指定しないと、通貨編集用文字は通貨記号と同じになる。第3章「中核」の「特殊名段落」の節を参照。
次の実行完結文(next executable sentence)
現在の文の実行が完了した後で制御が移される、次の完結文。
次の実行文(next executable statement)
現在の文の実行が完了した後で制御が移される、次の文。
次のレコード(next record)
ファイル中の現在レコードの、論理的に次のレコード。
定数(literal)
記述したとおりの値が、暗黙に設定される文字列。
定数名(constant-name)
固定値(定数)の名前として付ける、利用者語。
定数項目(literal field)
画面上の基本項目であって、その記述項中にPICTURE句が含まれないもの。
データ記述項(data description entry)
データ部中の記述項。レベル番号と、それに続くデータ名と、必要な一連のデータ句とから構成される。
データ句(data clause)
データ部のデータ記述項の中の句。データ項目の性質を表わす情報を含む。
データ項目(data item)
COBOLプログラムまたは関数評価の規則によって定義される、データ(定数を除く)の単位。
データ辞書(data dictionary)
COBOLシステムによって作成され、記憶領域中に保持される表。各利用者語に関する情報を記録している。
データ名(data-name)
データ部中のデータ記述項に記述する、データ項目の名前に付ける利用者語。一般形式において「データ名」と示されているときは、添字も指標も付けていないものを指す。ただし、書き方に関する規則に、添字または指標を使えると明記してある場合は例外である。
手順名(routine-name)
COBOL以外の言語で書かれた手続き(ルーチン)を識別するための利用者語。
手続き(procedure)
手続き部内の、1つまたは論理的に連続したいくつかの段落。または、1つまたは論理的に連続したいくつかの節。
手続き部の終わり(end of procedure division)
COBOL原始プログラム中の、物理的な終端。これ以降には、プログラム手続きは現れない。
手続き名(procedure-name)
手続き部内の段落または節に、名前を付けるために使用する利用者語。段落名、または節名から成る。
デバッグ行(debugging line)
標識領域に、"D"または"d"を書いた行。
デバッグ節(debugging section)
USE FOR DEBUGGING文を含む節のこと。
動詞(verb)
翻訳(コンパイル)時、固有コード(機械語)の生成時、実行時に、COBOLプログラムが取る動作を記述する語。
動的呼出し(dynamic access)
呼出し方式で、OPEN文を実行してから、論理レコードを順序に従わずにディスク・ファイルから取り出したり格納したりできる(乱呼出し(Random Access)の項を参照)。また、論理レコードを順序に従ってディスク・ファイルから取り出すこともできる(順呼出しの項を参照)。
登録集原文(library-text)
COBOL登録集(ライブラリ)中の、一連の文字列および区切り文字。
登録集名(library-name)
目的コードを生成中に、COBOLシステムによって使用されるCOBOL登録集原始ファイルに名前を付ける利用者語。
特殊名(special-names)
作成者語に利用者が付ける呼び名。また、これを記述する環境部内の段落。
特殊文字(special character)
下記の文字がある。
|
文字 |
意味 |
|
+ |
正号 |
|
- |
負号 |
|
* |
星印(アスタリスク) |
|
/ |
斜線(スラッシュ) |
|
= |
等号 |
|
\ |
通貨記号 |
|
, |
コンマまたは小数点 |
|
; |
セミコロン |
|
. |
終止符(ピリオド)または小数点 |
|
" |
引用符 |
|
( |
左かっこ |
|
) |
右かっこ |
|
> |
より大きい記号 |
|
< |
より小さい記号 |
|
' |
アポストロフィ |
|
& |
アンパサンド |
特殊文字語(special-character word)
算術演算子または比較演算子として使用する、予約語。
特殊レジスタ(special registers)
COBOLシステムによって用意される、記憶領域。主として、特定のCOBOL機能を使う利用者用に作成される情報を記録するために使用される。
独立項目(noncontiguous item)
作業場所節、局所記憶節、連絡節中の基本データ項目で、他のデータ項目と階層関係をもたないもの。
独立データ記述項(77 level-description-entry)
独立データ項目を記述する、データ記述項。レベル番号に77を使用することになっている。
独立のプログラム(separate program)
中に含んでいるプログラム以外の他プログラムとは、すべて別々に処理されるプログラム。
(な行)
内部データ(internal data)
プログラム中に記述されているデータで、外部データ項目と外部ファイル結合子をすべて除いたもの。連絡節中に記述したデータは、内部データとして扱われる。
内部ファイル結合子(internal file connector)
実行単位中の1つの実行用プログラムからだけ呼び出すことのできる、ファイル結合子。
入出力管理(i-o control)
環境部内にあって、入出力に関する実行用プログラムの要件を記述する段落の名前。この段落中に指定する事項には、入出力技法、再開始点、複数のデータ・ファイル間での同じ領域の共有、単一の入出力装置上への複数のファイルの格納、がある。
入出力節(input-output section)
環境部中にあって、ファイルの入出力に関する記述を書く節。この節で、プログラムで使用するファイルおよび外部媒体に名前を付け、プログラムの実行中にデータを伝送したり操作したりするために必要な情報を記述する。
入出力両用ファイル(input-output file)
入出力両用モードで開いたファイル。
入出力両用モード(i-o mode)
I-O指定をしてOPEN文を実行した後の、ファイルの状態。このファイルに対してCLOSE文を実行するまで、入出力両用モードのままである。
入力項目(input field)
記述中にTO指定が含まれる、画面項目。
入力手続き(input procedure)
整列用ファイルにレコードを引き渡すたびに実行される、一連の文。
入力ファイル(input file)
入力モードで開かれるファイル。
入力モード(input mode)
INPUT指定をしてOPEN文を実行した後の、ファイルの状態。このファイルに対してCLOSE文を実行するまで、入力モードのままである。
(は行)
発信源(source)
待ち行列へ通信文を送信する、発信元の記号名。
範囲明示文(delimited scope statement)
範囲符を明示した(記述した)文。
比較(relation)
比較演算子の項を参照。
比較演算子(relational operator)
比較条件を記述するために使用する、予約語や比較文字の組。下記のものがある。
|
比較演算子 |
意味 |
|
IS [NOT] GREATER THAN IS [NOT] > |
より大きい、または、[より大きくない] |
|
IS [NOT] LESS THAN IS [NOT] < |
より小さい、または、[より小さくない] |
|
IS [NOT] EQUAL TO IS [NOT] = |
等しい、または、[等しくない] |
|
IS GREATER THAN OR EQUAL TO IS >= |
以上 |
|
IS LESS THAN OR EQUAL TO IS <= |
以下 |
|
IS UNEQUAL TO IS <> |
等しくない |
|
EQUALS |
等しい |
|
EXCEEDS |
より大きい |
比較条件(relation condition)
ある算術式またはデータ項目の値が、他の算術式またはデータ項目の値と、指定した関係にあるかどうかを問う命題。この結果によって、真理値が定まる。比較演算子の項を参照。
比較文字(relation character)
下記の文字がある。
|
文字 |
意味 |
|
> |
より大きい |
|
< |
より小さい |
|
= |
等しい |
|
>= |
以上 |
|
<= |
以下 |
|
<> |
等しくない |
引数(argument)
関数の評価に使用される値を指定する、一意名または定数または算術式。
必要語(key word)
書き方の中に示されている語の中で、原始プログラム中でその書き方を使用するときに、必ず指定しなければならない予約語または関数名。
否定組合せ条件(negated combined condition)
かっこで囲んだ組合せ条件の直前に、論理演算子のNOTを付けたもの。
否定単純条件(negated simple condition)
単純条件の直前に、論理演算子のNOTを付けたもの。
表(table)
データ部でOCCURS句を使用して定義する、論理的に連続したデータ項目の集合。(テーブル)。
表意定数(figurative constant)
意味を表わす語を用いて指定する定数。このための予約語が用意されている。その予約語の記述から、COBOLシステムによって該当する定数値が生成される。
標識領域(indicator area)
COBOL原始コードの、左端の文字位置。ここに記入した値によって、その用途が示される。
標準データ形式(standard data format)
COBOLプログラムのデータ部内でデータの特性を記述するために用いる概念である。
この概念では、無限の長さと幅をもつページにデータを印字することを想定して、データの性質や特性を表現する。計算機の内部や何らかの外部媒体にデータを格納することには目を向けない。
表要素(table element)
表を構成する反復項目の中の、個々のデータ項目。
部(division)
COBOLプログラムを構成する最大の単位。見出し部、環境部、データ部、手続き部がある。各部は、部の見出しと、一定の規則に従って構成されるいくつかの節または段落から構成される。
ファイル(file)
レコードの集まり。
ファイル位置指示子(file position indicator)
ファイルの入出力を行う一連の操作において、次にどのレコードを呼び出すかを論理的に示すもの。この概念は、出力モードまたは拡張モードで開いたファイルには適用されない。ファイル位置指示子の設定に影響を及ぼすのは、OPEN文とREAD文とSTART文だけである。
ファイル管理(file-control)
環境部の中にあって、プログラムで使用するデータ・ファイルについて宣言する段落の名前。
ファイル記述項(file description entry)
データ部のファイル節中にあって、ファイルに関する情報を記述する部分。レベル指示語のFDから始まって、それに続くファイル名と、必要な一連のファイル句から構成される。
ファイル句(file clause)
データ部の、下記の記述項の中に記述する句。
ファイル記述(FD)
整列併合ファイル記述(SD)
通信記述(CD)
ファイル結合子(file connector)
ファイルに関する情報を収録した記憶領域。ファイル名と物理ファイルの間、およびファイル名とそのレコード領域の間をつなぐために使用される。
ファイル固有属性(fixed file attribute)
ファイルを作成したときに定まり、以降そのファイルが存在している間は変更できない、ファイルの属性情報。
具体的には、ファイルの編成(順編成、相対編成、索引編成)、主レコードキー、副レコードキー、符号系、レコードの最大の大きさと最小の大きさ、レコードの型(固定長か可変長か)、索引ファイル用のキーの文字の照合順序、物理レコードの最大の大きさと最小の大きさ、充てん文字、レコードの区切り文字、がある。
ファイル終了条件(at end condition)
下記のどれかの場合に発生する条件。
ファイル節(file section)
データ部内にあって、ファイル記述項とレコード記述項を含む節。
ファイル編成(file organization)
ファイルを作成するときに永続的に定まる、ファイルの論理構造。
ファイル名(file name)
ファイルの名前として付けた利用者語。データ部のファイル節のファイル記述項、または整列併合ファイル記述項中に指定する。
複合条件(complex condition)
1つ以上の論理演算子が、1つ以上の条件に作用する条件。否定単純条件、組合せ条件、否定組合せ条件の各項を参照。
副プログラム(subprogram)
サブプログラム。呼ばれるプログラムの項を参照。
副待ち行列(subqueue)
待ち行列を、論理的に階層分割したもの。
副レコードキー(alternate record key)
索引ファイル中のレコードを識別するための、主レコードキー以外のキー。
符号系名(alphabet-name)
使用する文字集合や、文字の照合順序に付けた名前。環境部の特殊名段落中で指定する、利用者語。
物理レコード(physical record)
ブロックの項を参照。
浮動小数点数定数(floating-point literal)
浮動小数点形式で表わした数量。仮数部と指数部に分けて表現される。
仮数部は、10を基数にした固定小数点定数であり、小数点を含まなければならない。指数部は、文字"E"の後ろに符号付きで小数点を含まない固定小数点定数を続けたものである。
浮動小数点数データ項目(floating-point data item)
下記の形で表現した数字。
部の見出し(division header)
部の始まりを示すいくつかの語を、終止符(.)と続く空白で止めたもの。下記のものがある。
IDENTIFICATION DIVISION.
ENVIRONMENT DIVISION.
DATA DIVISION.
[{USING } ]
PROCEDURE DIVISION [{ } データ名-1 [データ名-2] ...]
[{CHAINING} ]
部分参照(reference modification)
データ項目の一部を、データ項目として定義すること。このためには、元のデータ項目の文字位置の中で、新しいデータ項目の左端とする位置(オフセット)と、取り出す文字の数(長さ)を指定する。
プログラム終了見出し(end program header)
COBOL原始プログラムの終わりを示す見出し。下記の形式をしている。
END PROGRAM プログラム名 .
プログラム名(program-name)
COBOLの原始プログラムを識別する、利用者語。
ブロック(block)
データの物理的な単位。通常は1つ以上の論理レコードから成る。
大記憶ファイルの場合は、複数のブロックにまたがって1論理レコードを構成することもできる。
ファイル中のブロックの大きさとそのファイルの大きさとの間には、直接的な関係はない。また、1ブロックに複数の論理レコードが含まれる場合でも、1論理レコードが複数のブロックにまたがる場合でも、ブロックの大きさとファイルの大きさとの間には、直接的な関係はない。
ブロックと物理レコードとは、同義語である。
プロンプト文字(prompt character)
画面上で、空の文字位置を示して入力を要求する文字。
文(statement)
手続き部内で、動詞に続けて語や記号を文法的に正しく組み合わせて書いたもの。命令文。
分割キー(split key)
ファイル中のレコード内の隣接していないデータ項目を、論理的にいくつかつなげて1つのキーとすること。この形のキーは、START文とREAD文においてだけ使用できる。
例:
プログラム中に下記のように定義されているデータ項目があるとする。
01 REC.
03 FORENAME PIC X (10).
03 PERSONNEL-NO PIC X (4).
03 SURNAME PIC X (15).
ここで、下記のように指定すると、
RECORD KEY IS FULLNAME = SURNAME FORENAME
FULLNAMEは、下記のように明示的に定義した集団項目と同様に扱われる。
03 FORENAME PIC X (10).
03 SURNAME PIC X (15).
分離符(delimiter, separator)
1つの文字列の終わりを区切って後続の文字列との間を分離する、1つの文字または連続するいくつかの文字。
併合用ファイル(merge file)
MERGE文によって併合(マージ)されるレコードの集合。併合用ファイルは、併合機能によってだけ作成され、使用される。
編集用文字(editing character)
下記の文字がある。
|
文字 |
意味 |
|
B |
空白 |
|
0 |
ゼロ |
|
+ |
正号 |
|
- |
負号 |
|
CR |
貸方(credit) |
|
DB |
借方(debit) |
|
Z |
ゼロ抑制 |
|
* |
小切手改変防止 |
|
\ |
通貨記号 |
|
, |
コンマまたは小数点 |
|
. |
終止符または小数点 |
|
/ |
斜線(スラッシュ) |
変数(variable)
実行用プログラムを実行することによって、値が変わり得るデータ項目。算術式の中で使用する変数は、数字基本項目でなければならない。
ポインタ項目(pointer item)
USAGE IS POINTER句またはUSAGE IS PROCEDURE-POINTER句を適用する、基本データ項目。
補助語(optional word)
記述を読みやすくするためだけに使用する、予約語。補助語が含まれている書き方を原始プログラム中で用いる場合、補助語は書いても書かなくてもよい。
翻訳時(object time, compile time)
COBOL原始プログラムが、COBOLシステムによって中間コードのプログラムに翻訳(コンパイル)される時点。
翻訳指示文(compiler directing statement)
中間コードを生成する間(翻訳時)に、指定した動作をコンパイラに行わせるための、動詞から始まる文。
翻訳用計算機(source-computer)
原始プログラムを翻訳(コンパイル)する計算機。また、これを記述する、環境部内の段落の名前。
(ま行)
待ち行列(queue)
伝送待ちまたは処理待ち状態にある、通信文や処理や印字ジョブなどの論理的な集合。
待ち行列名(queue name)
待ち行列中にある通信文または通信文の一部を呼び出すために、通信管理システム(MCS)に対して指定する、論理経路の記号名。
無効キー条件(invalid key condition)
索引ファイルまたは相対ファイルのキーに指定された値が、実行時に無効であると判定されたことによって引き起こされる条件。
無条件文(imperative statement)
無条件動詞から始まって、無条件に動作を行うことを指定する文。無条件文は、一連の無条件文で構成できる。
文字(character)
言語の、それ以上分割できない基本単位。
文字位置(character position)
用途がDISPLAYとして記述された標準データ形式の1文字を収めるために必要な記憶単位。
文字項目(nonnumeric item)
計算機の文字集合に属する、任意の文字の組合わせを値に取ることのできる、データ項目。文字項目の項類によっては、使用できる文字が制限される。
文字集合(character set)
COBOL言語の文字集合は、下記のすべての文字から成る。
|
文字 |
意味 |
|
0, 1, ..., 9 |
数字 |
|
A, B, ..., Z |
大文字の英字 |
|
a, b, ..., z |
小文字の英字 |
|
空白(ブランク) |
|
|
+ |
正号 |
|
- |
負号 |
|
* |
星印(アスタリスク) |
|
/ |
斜線(スラッシュ) |
|
= |
等号 |
|
\ |
通貨記号 |
|
, |
コンマまたは小数点 |
|
; |
セミコロン |
|
. |
終止符または小数点 |
|
" |
引用符 |
|
( |
左かっこ |
|
) |
右かっこ |
|
> |
より大きい記号 |
|
< |
より小さい記号 |
|
: |
コロン |
|
' |
アポストロフィ |
|
& |
アンパサンド |
各小文字は、対応する大文字と等しいものとする。ただし、文字定数として使用した場合は例外である。
文字定数(nonnumeric literal)
引用符で両端を囲んだ文字列。この文字列の中には、計算機の文字集合に属する任意の文字を入れることができる。文字定数の中に、1つの引用符を入れる場合は、引用符を2つ並べて記述する。
文字の照合順序(collating sequence)
計算機で処理できる文字を並べる順序。整列、併合、比較のときに使用される。
文字列(character-string)
文字をいくつか並べたもの。COBOLの語、定数、PICTURE文字列、注記項を形成する。
(や行)
呼ばれるプログラム(called program)
CALL文の右辺に指定されているプログラム。実行時に呼ぶプログラムと組合わされて、実行単位を形成する。
呼出し法(access mode)
ファイル中のレコードを操作する方式。(アクセス法)。
呼び名(mnemonic-name)
環境部において、指定された作成者語に付けた利用者語。(ニモニック)。
呼ぶプログラム(calling program)
他のプログラムに対してCALL文を実行し、そのプログラムを呼出すプログラム。
予約語(reserved word)
COBOL言語の一環として、あらかじめ決めてある語。予約語は、COBOLの原始プログラム中で、利用者語またはシステム名として使用してはならない。
(ら行)
ランタイムシステム(run-time system)
COBOLシステムによって生成されたコード(実行用プログラム)を解釈して、オペレーティングシステムとCRTへのインターフェイスをとりながら、そのプログラムを実行できる状態にするソフトウエア。(RTS)。
乱呼出し(random access)
相対ファイルまたは索引ファイルに対して、論理レコードを読込み、削除、挿入するときに、対象とするレコードを、プログラム中のキー・データ項目の値によって指定できる呼出し法。
略記組合せ比較条件(abbreviated combined relation condition)
一連の比較条件を続けて記述するとき、共通する左辺、右辺または比較演算子を記述上省略した組合わせ条件。
利用者語(user-defined word)
句または文の書き方を満たすために、利用者が指定しなければならないCOBOLの語。
レコード(record)
論理レコードの項を参照。
レコードキー(record key)
索引ファイル中のレコードを識別するために使用するキー。主レコードキーと副レコードキーがある。
レコード記述項(record description entry)
1つのレコードに関する、データ記述項の全体。
レコード名(record name)
データ部中のレコード記述項に記述した、レコードに付ける名前として使用する利用者語。
レコード領域(record area)
ファイル節中のレコード記述項に記述したレコードを処理するために割り当てられた、記憶領域。
レベル指示語(level indicator)
ファイルの型またはデータ階層中の位置を示す、2文字の英字。
レベル番号(level-number)
論理レコードの階層構造中のデータ項目の位置を示すか、またはデータ記述項の特殊な性質を示すための、利用者語。レベル番号は、1桁または2桁の数字で表わす。1から49の範囲内のレベル番号は、論理レコードの階層構造中のデータ項目の位置を示す。
1から9までのレベル番号は、1桁の数字として書いてもよいし、前に0を付けて書いてもよい。レベル番号66, 77, 78, 88は、特殊な性質のデータ記述項を示す。
連鎖されるプログラム(chained program)
CHAIN文の右辺に指定されたプログラム。
連鎖するプログラム(chaining program)
他のプログラムに対してCHAIN文を実行し、そのプログラムへ連鎖(チェイン)するプログラム。
連続項目(contiguous item)
データ部内で、連続的に記述されている項目。これらの項目間には、階層関係が作られる。
連絡節(linkage section)
呼ばれるプログラムのデータ部中にあって、呼ぶプログラム側で使用するデータ項目を記述する節。この節に記述するデータ項目は、呼ぶプログラムからも呼ばれるプログラムからも参照できる。
論理演算子(logical operator)
予約語のANDとORとNOT。
条件を記述するとき、ANDとORは、論理連結子として使用できる。NOTは、論理否定子として使用できる。
論理レコード(logical record)
最も包括的なデータ項目。レコード用のレベル番号には、01を当てる。
(英字)
COBOLの語(COBOL word)
語の項を参照。
CRT
操作員が視覚的にデータを受け取ることのできる出力装置。
OPEN文のモード(open mode)
あるファイルに対してOPEN文を実行してからCLOSE文を実行するまでの間の、ファイルの状態。どのモードを使用するかは、OPEN文中に指定する。INPUT(入力), OUTPUT(出力), I-O(入出力両用), EXTEND(拡張)がある。