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第 1 章 はじめに

Animator は、メニューで操作することのできる COBOL プログラム用の強力なデバッグツールです。このツールは Server Express 開発環境の一部として提供されています。Animator では、画面上のウィンドウにソースコードとアプリケーションが表示され、プログラムの実行に伴ってソースの各行が次々と強調表示されます。この過程はアニメート処理と呼びます。

1.1 Animator とアプリケーション開発

Animator を使用すると、開発サイクルのさまざまな段階でアプリケーションをデバッグできます。具体的には、次に挙げる対象のデバッグが可能です。

プログラムの構文チェックを実行すると、Animator に必要な情報を含む Animator 情報ファイルがデフォルトで生成されます。このファイルは拡張子 .idy を持ち、通常は .idy ファイルと呼ばれます。

Animator では、次の方法でプログラムやアプリケーションをデバッグできます。

1.1.1 Net Express からのプログラムのデバッグ

Net Express を使用して、リモートでプログラムをデバッグすることができます。この機能を使用すれば、Server Express で UNIX 向けに開発したプログラムや、Net Express の UNIX オプションを使用して UNIX システムに配布したプログラムをデバッグできます。リモートデバッグ機能は Net Express バージョン 3 で提供されています。リモートデバッグの詳細については、Net Express のマニュアルを参照してください。

リモートデバッグを実行するには、使用している UNIX システムでデバッグサーバを動作させる必要があります。詳細については、『Animator の起動』 の章の『リモートデバッグ』 の項を参照してください。

1.2 Animator の機能の概要

Animator は実行中のプログラムの情報を、ソースコードの対応する部分と共にウィンドウに表示します。Animator ではプログラムの実行速度を制御したり、実行に割り込みをかけてデータ項目のチェックや変更を行ったり、実行順序を変更することができるほか、特定の COBOL 文に入って、そこからプログラム実行を再開することも可能です。これらの機能を活用すればデバッグ作業をすばやく容易に行うことができます。

1.2.1 プログラムの実行

Animator では、一連の実行機能を柔軟に使いわけることによって、対処すべき問題に適した速度でコードを実行できます。すなわち、特に問題のない部分ではズーム機能を使用してコードの実行速度を最大限に上げ、問題のある箇所では文ごとにステップ実行したり、適度な実行速度に自動設定することができます。

ソースコードには任意の位置に区切り点を設定できます。区切り点を設定するには、必要な文ごとに個別設定するか、区切り点が発生する条件を定義します。区切り点を設定すれば、プログラムを自動実行する場合でも、任意のポイントで制御を手動に切り替えることができます。

1.2.2 データ項目の値の照会、監視、および変更

プログラムのデバッグでは、予期しない結果が生じた原因を探るため、さまざまなデータ項目の監視が必要になることが少なくありません。プログラムの実行中には、監視対象のデータ項目の値が変更されるに伴って、Animator が該当項目を強調表示します。

プログラムに含まれるデータ項目を照会し、その内容を ASCII テキストや 16 進数形式で表示することもできます。照会したデータ項目の内容には、変更を加えることが可能です。変更した内容は、プログラム実行を再開するとただちに反映されます。

1.2.3 ロジックテスト

一連の Do 関数を使用すれば、プログラムのロジックテストを中断することなく、実行するコードを追加できます。Do 関数は直接入力して実行できるほか、他の COBOL 文と関連付けて、その文と共に実行することも可能です。後者の方法では追加コードがファイルに保存されるため、その部分がロジックとして効果的であれば、そのままソースコードに盛り込むことができます。

一部のコードのテストが不要な場合は、Reset 関数群を使用して該当するコードの実行をバイパスできます。


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