第 6 章 : デーモンとして実行する SCP の構成

この付録では、デーモンとして実行する SCP プログラムの構成方法を説明します。 UNIX の RSH (Remote Shell) を使用する場合は、RSH セキュリティを構成する必要があります。ここでは、そのかわりにデーモンとして実行する SCP を構成します。 RSH セキュリティについては、Net Express の『UNIX オプションガイド』の付録『SCP の構成』を参照してください。

ここで説明する手順の他に、この方法を使用できるように UNIX パブリッシャを構成する必要があります。 詳細については、Net Express の『UNIX オプションガイド』の『パブリッシャの設定』の章を参照してください。

6.1 サーバの構成

サーバを構成する手順は、次のとおりです。これらのコマンドはスーパーユーザ権限で実行する必要があります。

  1. SCP プログラムを scpd にリンクします。たとえば、次のように入力します。

    ln /cobol_install_dir/bin/cobscp /usr/local/etc/scpd 
    

    cobol_install_dir は、Server Express のインストール先のディレクトリです。

    コマンドを実行する際には実際のディレクトリ名を入力してください。

  2. 監視対象のネットワークポートを選択します。

    SCP デーモンが起動されると、特別なネットワークポートを監視します。デフォルトのネットワークポートは 696 です。システムでこのネットワークポートがすでに使用されている場合、または別のポートを使用する場合には、SCP デーモンの起動時に -p 引数でネットワークポートを変更できます。たとえば、scpd -p 900 のように指定します。

    ポートビジーなどのエラーは、標準のシステム syslog 機能に報告されます。/etc/syslog.conf をチェックして、syslog の出力を受信するファイルを調べることができます。

  3. デーモンモードを選択します。

    SCP デーモンは、コマンド行、シェルスクリプト、または inetd サーバから起動できます。

    コマンド行から起動する場合は、システムの起動プロセスの一部で、サーバを起動してください。システムの起動ファイルは、システムによって異なります。ほとんどの SVR4 システムでは、/etc/rc2.d です。

    inetd サーバから起動する場合は、構成がさらに複雑になります。ただし、システムは必要になったときにデーモンを自動的に起動し、必要なくなるとデーモンを終了します。次のように構成してください。

    1. SCP デーモンが監視するポート番号をサービスファイル /etc/services に追加します。追加する行は次のようになります。
      mf-scpd   696/tcp   # Micro Focus SCP Daemon
      

    2. inetd の構成ファイル /etc/inetd.conf に次のような行を追加します。この定義はシステムによって少し異なります。
      mf-scpd stream   tcp   nowait   root  
                  /usr/local/etc/scpd   scpd

      ここでは、読みやすくするために、2 行に分けて記載しています。

    3. SIGHUP シグナルを inetd プロセスに送り、構成ファイルを再度読み込みます。これを行うには、ps -eaf | grep inet などのコマンドを実行してプロセス ID を見つけ、kill -1 processid コマンドを実行します。

  4. r-command のサーバへのアクセスを許可するかどうかを選択します。

    r-command の UNIX パブリッシャへのアクセスを制限する場合は、SCP プログラムを削除するか、または、プログラムの名前を変更します。

6.2 UNIX の認証

SCP デーモンの構成後、UNIX オプションがサーバとの接続を開始すると、サーバ上のユーザパスワードの入力を求めるダイアログボックスが表示されます。正しくないパスワードを入力すると、UNIX パブリッシャは失敗します。

SCP デーモンでは、次の UNIX 認証方式がサポートされます。


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