急速な技術革新の進むコンピューター サイエンスの中で、50 年以上前に誕生したプログラミング言語 COBOL は未だに日々全世界の主要なビジネス業務を駆動しています。その理由は、単に過去に記述された膨大なプログラム資産があるからというだけではありません。事務処理専用言語として誕生した COBOL は金融業務で必須とされる 38 桁までの十進固定小数点変数の四則演算を言語レベルでサポートしています。給与、保険料、利率といった金融業務では計算結果の誤差は許されませんのでこのことはプログラミング言語にとって不可欠な要素となります。 このため昨今のサービス ベースのシステム構築においては、COBOL は業務の心臓部であるビジネス ロジック部分で活用されています。制御系やインタフェース系の部分では Javaや .NETが大活躍している今、COBOL で書かれたビジネス ロジックをコンポジット アプリケーション開発の中で活用することが重要な技術テーマになっている所以です。 一方、既存の業務アプリケーションと接続することは Java コミュニティにとっても重要なテーマであり、このために Java EE 仕様は「コネクタアーキテクチャ」というトランザクショナルな接続仕様を策定しています。この仕様はすでに 15 年の歴史を持ち、メインフレームのトランザクションや業務パッケージ製品など多くのアプリケーション基盤がこの仕様に準拠した Java EE 接続性を提供しています。
Micro Focus は、この仕様が策定されるのとほぼ同時にそれに準拠した Java-COBOL 接続性を開発し製品化しています。Java EE 仕様に準拠した COBOL 用のリソース アダプターは、WebSphere、WebLogic、JBossなどの Java EE 仕様準拠アプリケーション サーバーにインストールすることができ、その上で稼働する Java アプリケーションから標準的なプログラミングで COBOL サービスを呼び出すことができます。COBOL サービスは XA 仕様に準拠したトランザクション マネージャーである Enterprise Server の上で稼働しており、データベース更新はトランザクショナルに管理されます。また呼び出した側の Java のスコープに連動して分散トランザクションを実現しています。
ここで紹介するチュートリアルでは、Visual COBOL 製品を使用して Oracle WebLogic Server 上の Java EE アプリケーションから Visual COBOL で書かれたビジネス ロジックをサービスとして呼び出す方法を体験します。 チュートリアル中では、Oracle WebLogic Server および Enterprise Server を RedHat Linux 上で稼動させるパターンを例に紹介していますが、別の Linux/UNIX 環境でも同等の操作でチュートリアル中の内容をご体験いただけます。Windows 環境上ですべてお試しになる場合は Eclipse のリモート開発の部分を適宜 COBOL プロジェクトによる Windows ローカルの操作に置き換えて読み進めてください。Java EE アプリケーションサーバーに WebSphere や JBoss をお使いになる場合は WebLogic の操作部分を適宜お使いのサーバーでの操作に置き換えてください。
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