CLOSE 文は、リール/ユニットおよびファイルの処理を終了する。また、可能な場合に巻き戻しやロック、または取り外しを行うこともできる。
一般形式

構文規則
- CLOSE 文で参照されるファイルは、すべてが同じ編成またはアクセス属性を備えている必要はない。
一般規則
以下の一般規則で特に記載がない限り、「リール」および「ユニット」という語は同義であり、CLOSE 文ではまったく同じものとして使用できる。順編成の大容量記憶域ファイルの取り扱いは、論理的にはテープまたは類似の順編成媒体と同じである。複数のファイル テープ環境に含まれるファイルの扱いは、ファイルが 1 つのリールに完全に含まれている場合、論理的には順編成の単一リール/ユニット ファイルと同じである。
- CLOSE 文は、開かれているファイルに対してのみ実行できる。
- 様々な記憶媒体に適用される各種 CLOSE 文の効果を示すために、すべての報告書ファイルを次の種類に分類する。
- 非リール/ユニット:巻き戻しおよびリール/ユニットの概念が意味をもたないような出力媒体を持つファイル。
- 順編成の単一リール/ユニット:単一のリール/ユニットに完全に格納される順編成ファイル。
- 順編成の複数リール/ユニット:複数のリール/ユニットにわたって格納される順編成ファイル。
- ファイルの種類ごとに、CLOSE 文の各形式の実行結果をまとめて次の表に示す。
表 1。CLOSE 文の形式およびファイルの種類の関係
CLOSE 文の形式 |
ファイルの種類 |
非リール/ユニット: |
順編成の単一リール/ユニット: |
順編成の複数リール/ユニット: |
CLOSE |
C |
C、G |
A、C、G |
CLOSE WITH LOCK |
C、E |
C、E、G |
A、C、E、G |
CLOSE WITH NO REWIND |
C、H |
B、C |
A、B、C |
CLOSE WITH REEL/UNIT |
F |
F、G |
F、G |
CLOSE REEL/UNIT FOR REMOVAL |
F |
D、F、G |
D、F、G |
上の表の中に示した記号の意味を以降に説明する。
- A:出力報告書ファイルに対する前のリール/ユニットに影響を与える
報告書ファイル内の現在のリール/ユニットよりも前にあるリール/ユニットがすべて閉じられる。ただし、すでに CLOSE REEL/UNIT 文によって制御されているものは除く。
- B:現在のリールを巻き戻さない
リール/ユニットは、現在の位置にとどまる。
- C:出力報告書ファイルを閉じる
報告書ファイルにラベル レコードを指定している場合、作成者の標準ラベル方式に従ってラベルが処理される。ラベル レコードを指定しているが存在しない場合、またはラベル レコードを指定していないが存在する場合、CLOSE 文の動作は不明となる。作成者が指定した終了手続きが実行される。報告書ファイルにラベル レコードを指定していない場合、ラベルの処理は行われないが、作成者が指定した他の終了手続きは実行される。
- D:リール/ユニットを取り外す
可能な場合、現在のリールまたはユニットが巻き戻され、実行単位から論理的に取り外される。ただしその後、その報告書ファイルに対して REEL または UNIT を指定しないで CLOSE 文を実行してから、報告書ファイルに対して OPEN 文を実行すると、その報告書ファイル内のリールまたはユニットを適切な順番で再び呼び出せる。
- E:ファイルをロックする
報告書ファイルはロックされ、この実行単位の実行中に再度開くことはできない。
- F:リール/ユニットを閉じる
出力報告書ファイル (リール/ユニット媒体):
次の操作が行われる。
- 標準終了リール/ユニット ラベル手続きが実行される。
- リール/ユニットを交換する。現在のボリューム ポインターが新しいリール/ユニットを指すように更新される。
- 標準開始リール/ユニット ラベル手続きが実行される。
- そのファイルに対して次回書き込み処理を実行する際に、次の論理データ レコードがそのファイルの次のリール/ユニットに書き出される。
出力報告書ファイル (非リール/ユニット媒体):
この文の実行は正常に終了したものと見なされる。ファイルは開かれたまま、一般規則 4 で指定された処理以外には何も行われない。
- G:巻き戻す
現在のリールまたは類似の装置は、物理的始点に位置指定される。
- H:任意指定は無視される
任意指定はないものとして CLOSE 文が実行される。
- CLOSE 文を実行すると、ファイル名-1 に関する入出力状態の値が更新される。
- 報告書ファイルの処理を終了するには、その報告書ファイルに関連する起動済みのすべての報告書を TERMINATE 文を実行して終了してから、報告書ファイルに対して CLOSE 文を実行する。
- REEL または UNIT が指定されていない CLOSE 文の実行が正常に終了すると、報告書ファイルは開かれた状態ではなくなり、ファイル結合子との関連付けが解除される。
- 単一の CLOSE 文に複数のファイル名-1 を指定すると、その実行結果は、個々のファイル名-1 に対して CLOSE 文で指定した順序で CLOSE 文を別々に実行した場合と同じである。