チュートリアル:Hello COBOL World アプリケーションのデバッグ

本チュートリアルでは、前に作成して「Hello COBOL World アプリケーションの構成」のチュートリアルで変更した Hello COBOL World アプリケーションを使用して、Visual Studio のいくつかのデバッグ機能について確認します。

アプリケーションの変更

デバッグ機能の確認に役立つコードをアプリケーションに追加します。

  1. エディターで helloworld.cbl プログラムを開きます。
  2. Working-Storage section の行の直後の新しい行に次のコードを追加します。
    01 source-string pic x(10) value "AAbbAAbbCC".
  3. procedure division section の行と COPY 文の行の間に次のコードを追加します。
    inspect source-string replacing all 'A' by 'D'
    display source-string
    inspect source-string replacing characters by 'Q' 
            before initial 'C'
    display source-string
    

source-string 変数は文字列で、初期値は "AAbbAAbbCC" です。この文字列の一部の文字がアプリケーションの実行中に置換されます。

デバッグの準備

複数プロジェクトのアプリケーションをデバッグするときは、開始前にスタートアップ プロジェクトを指定する必要があります。ここでは HelloCOBOLWorld プロジェクトを指定する必要があります。これをスタートアップ プロジェクトにするには、次の操作を実行します。

  1. ソリューション エクスプローラーで [HelloCOBOLWorld] を右クリックし、[Set as StartUp Project] をクリックします。
  2. [Debug > Step Into] をクリックしてデバッグを開始します。

    プロジェクトのビルドがトリガーされ、デバッガーが起動します。Visual Studio のメイン ウィンドウに、いくつかの通知ウィンドウとツール バーが表示されます。

    helloworld.cbl プログラムの手続き部の最初の行が、デバッガーで次に実行する行として強調表示されます。

    アプリケーションのコンソール ウィンドウも開きますが、まだ表示する情報がないため空になります。

  3. 表示される各種のタブ付きウィンドウを確認します。[Autos]、[Locals]、[watch 1]、[Call Stack]、[Breakpoints] などのウィンドウがあり、いずれもデバッグに役立ちます。

    [Autos] に source-string 変数とその初期値が表示されていることに注目してください。コードをステップ実行して、この値の変化を確認します。

コードのステップ実行

準備ができたので、コードをステップ実行して、SOURCE-STRING の値がどのように変化するか見てみましょう。

  1. F11 ([Step Into]) を押して、強調表示された行をステップ実行します。

    プログラムの最初の行が実行されて、カーソルがコードの次の行に移動します。

  2. [Autos] ウィンドウで SOURCE-STRING の値を調べて、コードの最初の行で指定されているとおりに変更されたことを確認します。
  3. F11 をもう一度押します。

    DISPLAY 文が実行されます。Windows のタスク バーで、アプリケーションのコンソール ウィンドウが表示されたことを確認します。アプリケーションのコンソール ウィンドウにも SOURCE-STRING の値が表示されます。

  4. 次の 2 行も同じようにステップ実行して、SOURCE-STRING 変数の値の変化を確認します。

    カーソルが COPY 文の行に移動して、helloworld.cbl ファイルのエディターで HELLO.cpy コピーブックがインラインで開きます。

  5. F11 を押してコピーブックの DISPLAY 文を実行します。

    コンソール ウィンドウに「Hello COBOL World」と出力されます。

  6. F11 を押して GOBACK 文を実行します。

    アプリケーションが終了してデバッグが停止し、デバッグで使用するウィンドウやツール バーが非表示になります。

Hello COBOL World アプリケーションを再度試す場合に備えて、ソリューションを保存しておくことができます。

次のステップ

本製品のヘルプから参照できる高度なチュートリアルに進んでください。