Microsoft .NET Framework の一部である Windows Communication Foundation (WCF) を使用すると、サービス指向アプリケーションを作成できます。WCF サービスはいくつかの機能から構成されており、それらを各種のエンドポイントを介してクライアント アプリケーションに公開できます。
Visual COBOL では、バージョン 3.0 以降の .NET Framework を対象とする WCF COBOL サービスを作成してアクセスできます。注:これは、ASMX Web 参照クライアントに置き換わる機能です。.NET Framework v. 2.0 を対象とする場合は、ASMX Web 参照クライアントが唯一の選択肢となります。
以降では、WCF サービスの作成および使用のプロセスを簡単に説明します。
コントラクトとは、サービス エンドポイントがクライアント アプリケーションに公開する操作を含むインターフェイスです。
注:WCF サービスでは、System.ServiceModel 名前空間と System.Runtime.Serialization 名前空間のメンバーを主に使用します。
WCF サービスは、上で作成したインターフェイスと、サービス操作を表すメソッドを実装する、COBOL クラスとして定義できます。
WCF サービスにアクセスするための詳細 (ホストおよびエンドポイントの詳細) をプロジェクトの App.config ファイルで指定します。App.config ファイルは、WCF 構成エディターを使用して編集できます。ファイルを右クリックして [WCF 構成の編集] を選択します。
サービスの機能を公開するサービス エンドポイントを指定し、サービスのメタデータ交換を有効にする必要があります。エンドポイントの基本要素 (いわゆる ABC) は、サービスのアドレス (Address)、バインディング (Binding)、および公開するサービス コントラクト (Contract) です。WCF サービス ライブラリ テンプレートでは、エンドポイントとメタデータ交換の詳細があらかじめ構成されており、必要に応じて変更できます。
Visual Studio には WCF ホスト アプリケーションおよび WCF テスト クライアントが用意されているため、クライアント アプリケーションがなくてもサービスをホストしてテストできます。
これは、サービスを使用するアプリケーションです。クライアントは、いずれかのエンドポイントを介して WCF サービスに接続し、公開されているサービス操作を使用します。
クライアント アプリケーションを WCF ソリューションの新しいプロジェクトとして作成して、WCF サービス プロジェクトへのサービス参照を追加できます。プロジェクトを右クリックして [サービス参照の追加] を選択し、[サービス参照の追加] ダイアログでソリューション内のサービスを見つけて選択します。
WCF サービスにアクセスするためのエンドポイントの詳細 (サービスのアドレス、バインディング、サービスの名前とコントラクト) をクライアント アプリケーションのプロジェクトの app.config ファイルで指定します。
WCF サービス プロジェクトがクライアント アプリケーションと同じソリューションに含まれている場合、通常は、デバッグを開始すると自動的にサービスがホストされます。この動作は、WCF サービス プロジェクトのプロジェクト プロパティで構成できます。
詳細については、「Tutorial: Creating and Accessing WCF COBOL Services」および「Samples」の「WCF Book Service and Client」を参照してください。