.NET COBOL 相互運用の OCCURS 句の例

3 番目のプロジェクトペア (StdCbl03*) は、OCCURS 句を使用する COBOL プログラムを示すサンプルです。

InterfacingWithStdCOBOL.sln ソリューションの 3 番目のプロジェクトペア (StdCbl03*) は、OCCURS 句を使用する COBOL プログラムを示すサンプルです。このプロジェクトも StdCbl02 と同様、COBOL データとオブジェクトプロパティをプロキシクラスで変換し、これらのプロパティを C# クライアントに公開します。

StdCbl03 プロジェクトには、次の各プログラムが含まれています。

StdCbl03.cbl：コピーブックで定義されている 2 つの OCCURS 句を使用する COBOL プログラム。OCCURS 句の 1 つを次に示します。
11 から 16 行目
```
01 INOUT-FIELDS.
  03 INOUT-FIELD01                PIC  9(02)       COMP.
  03 INOUT-FIELD02                PIC  X(26). 
  03 INOUT-TABLE          OCCURS 3.
    05 INOUT-TABLE-FIELD01        PIC  X(15). 
    05 INOUT-TABLE-FIELD02        PIC    S9(09)V9(5)  COMP-3.      
```
この OCCURS グループは、2 つのフィールドの 3 回の出現、または各項目に 2 つのフィールド (プロパティ) を含むサイズ 3 の配列と見なすことができます。出現するそれぞれが 2 つのプロパティを持つオブジェクトの場合、.NET の ArrayList を効果的に利用できます。
OOiInoutfields.cbl：入出力フィールドをオブジェクトプロパティとして公開する COBOL クラスを定義します。このクラスは StdCbl03Client.cs でインスタンス化され、生成された各オブジェクトが ArrayList 項目に格納されます。その後、ArrayList は OOiStdCbl03.Cbl に渡されます。次に例を示します。
7 から 33 行目
```
    *> OO COBOL class for OUT-TABLE table
 class-id. OOiOutFields.
 working-storage section.
    *> using native .NET Type and/or classes
 01 OutTableField01      type System.Double property.
 01 OutTableField02      type System.Double property.
       
 end class.
```
OOiOutfields.cbl：上記のプログラムと同じように、出力フィールドをオブジェクトプロパティとして公開する COBOL クラスを定義します。オブジェクトプロパティは、StdCbl03Client.cs 内で ArrayList 項目として使用されます。
OOiStdCbl03.cbl：次の処理を通じて OCCURS グループを操作するプロキシ COBOL プログラム。
- .NET マネージクライアントとの間でやり取りされる配列を使用します。
  メソッド ExecStdCbl03 の作業記憶域節の 31 行目：
```
01 obj-InoutFieldsItem    type OOiInoutFields
```
  連絡節の 59 行目：
```
01 obj-InoutFieldsArray   Object Reference ArrayListClass.
```
  36 行目：
```
procedure division using obj-InoutFieldsArray as type System.Collections.ArrayList
                         obj-OutFieldsArray   as type System.Collections.ArrayList.
```
- ぞれぞれの ArrayList 内で、出現ごとにオブジェクトプロパティから値を取り込み、コピーブックで定義されている元の OCCURS グループに格納します。
  47 から 51 行目：
```
Move 1 to Idx
Perform varying obj-InoutFieldsItem through obj-InoutFieldsArray
			 Set INOUT-TABLE-FIELD01(Idx) to 
                       obj-InoutFieldsItem::"InOutTableField01"
    Move obj-InoutFieldsItem::"InOutTableField02" to 
                       INOUT-TABLE-FIELD02(Idx)
			 Add 1 to Idx	 
	End-Perform  
```
  ArrayList には、2 つのプロパティを含むオブジェクトが 3 つ格納されており、OCCURS グループ内の 2 つのフィールドの 3 回の出現に対応しています。
- プロキシ COBOL クラスから既存の COBOL モジュールを呼び出し、OCCURS グループを持つ元のデータ構造を渡します。OOiStdCbl03.cbl のコードを参照してください。
  53 行目：
```
Call "StdCbl03"									
         using INPUT-FIELDS INOUT-FIELDS OUTPUT-FIELDS
```
StdCbl03Client.cs：C# で記述されたクライアントプログラム。次の処理を行います。
- .NET の ArrayList (正しくは System.Collections.ArrayList) を作成します。
  31 行目：
```
ArrayList InOutArray = new ArrayList(3);	
```
- ArrayList 項目のオブジェクトプロパティを次のように設定します。
  36 から 39 行目：
```
OOiInoutFields inOutFieldsItem0 = new OOiInoutFields();
inOutFieldsItem0.InOutTableField01 = "Item #1";  
inOutFieldsItem0.InOutTableField02 = 111.111;
InOutArray.Add(inOutFieldsItem0);				
```
- 新しく作成されたプロキシクラス内の ExecStdCbl03 メソッドを呼び出します。
  55 行目：
```
objStdCbl03.ExecStdCbl03(ref InOutArray, ref OutArray );		
```

この結果、C# やその他の .NET マネージコードとの間でやり取りされる .NET ArrayList (System.Collections.ArrayList) が得られます。ArrayList は、DataGrid へのバインドなど、さまざまな方法で使用できます。