違いの概要

この COBOL システムは Microsoft Visual Studio と統合されています。ネイティブ COBOL アプリケーションを開発およびデバッグする手法は、Visual Studio で COBOL 以外のアプリケーションを開発する手法とほぼ同じです。

開発環境は Visual Studio であり、プロジェクトの管理およびアプリケーションのデバッグを行う機能がすべて備わっています。これには、次の内容が含まれています。

Micro Focus IDE で以前にビルドされた COBOL アプリケーションは、Visual Studio でビルドできます。これらの IDE の主な相違点は次のとおりです。

ソリューション、プロジェクト、およびソース ファイル フォルダー
ソリューションは、アプリケーション作成のために連携して動作するプロジェクトを格納するコンテナーです。ソリューションおよびそのプロジェクトは、ファイル システムではフォルダーとして表現されます。ソリューション フォルダーにはプロジェクト フォルダーが格納されており、プロジェクト フォルダーには主な COBOL ソース ファイルが格納されています。ソリューション エクスプローラーに表示されるフォルダー ツリーは、ディスク上のフォルダー ツリーと同じです。

複数のプロジェクトで共有されているファイル (コピーブックなど) がソリューションに含まれている場合は、共有ファイル用のフォルダーをソリューション内に作成できます。COBOL コピーブックは、ソリューションまたはプロジェクト フォルダーの外部にあるフォルダーに格納できます。コピーブックの場所はプロジェクトのプロパティで指定します。

コピーブックおよびソース ファイルの拡張子
ソース ファイルのデフォルトの拡張子は、cbl、cob、および cpy です。その他のコピーブックの拡張子は、COPYEXT コンパイラ指令を使用して定義できます。また、検索時にファイルが見つかるように、代替のファイル拡張子がテキスト エディターによって認識される必要があります。

特定の拡張子がコピーブックであることを指定するには、その拡張子をコピーブック拡張子のリストに追加して ([ツール > オプション > テキスト エディター > Micro Focus COBOL > Advanced > Copybook extensions])、プロジェクトに追加する必要があります (プロジェクトのプロパティの [COBOL] ページで [Additional Directives] に「copyext(ext1,ext2)」と入力します)。

拡張子および拡張子のないファイルを COBOL と関連付けるには、[ツール > オプション > テキスト エディター > ファイル拡張子] に移動します。

ソース コードの文字の値
16 進値を表しているテキスト以外の文字は、16 進文字列定義に変更することをお勧めします。

Net Express および Mainframe Express では、COBOL ソース ファイルは ANSI 文字セットを使用して記述され、00 から FF までのあらゆる 16 進値を使用する文字を含めることができます。ソース ファイルをディスクに書き込むとき、16 進数 20 未満の値の文字には、NULL 値の保護が適用されます。つまり、文字の組み合わせはディスクに書き込まれ、NULL (16 進数の 00) の後に元の文字が付けられます。

Visual Studio で作成された実行可能ファイル
Visual Studio では、プロジェクトごとに、.exe または .dll という実行可能ファイルが 1 つ作成されます。ネイティブ COBOL プロジェクトを .int または .gnt コードにビルドし、それらのコードを Micro Focus ライブラリ ファイル (.lbr) としてパッケージ化できます。実行可能ファイルの種類、場所、その他のビルド設定を選択するには、プロジェクトのプロパティで指定します。
ビルド構成
以前は、プロジェクトのビルド方法をビルド設定およびプロジェクト設定で指定していましたが、Visual Studio では、デフォルトのデバッグ構成やリリース構成などのビルド構成、または自分自身で作成した構成で指定します。
アプリケーションの実行またはデバッグ
ソリューションに複数のプロジェクトが含まれている場合は、アプリケーションの実行可能ファイルが、依存プロジェクトの実行可能ファイル (.dll) およびシンボル (.idy) ファイルを見つけられるようにする必要があります。いくつかの方法がありますが、その手順を次に説明します。
  • exe プロジェクトで、DLL を作成するプロジェクトへの参照を追加します。[デバッグ > オプションと設定] を使用して、シンボル ファイルがある場所を指定します。
  • プロジェクトの出力実行可能ファイルがソリューションの実行可能ファイルと同じフォルダー (bin フォルダーなど) に格納されるように指定します。プロジェクトのプロパティでビルド後のイベントを設定することで、DLL のビルド時にこのフォルダーにシンボル ファイルをコピーします。[プロジェクト > プロパティ > COBOL > Advanced > Build Events] を参照してください。
ソースのナビゲーション
Net Express または Mainframe Express では、COBOL アプリケーションをビルドした場合、プログラムのナビゲーションにコンテキスト情報がよく使用されます。Visual Studio に同じ機能はありませんが、次のオプションを 1 つ以上使用して同じ効果を実現できます。
  • [編集 > 検索と置換 > フォルダーを指定して検索]。検索結果は、[検索結果] タブに表示されます。検索結果内の項目をダブルクリックすると、ソース ファイルがテキスト エディター ビューにロードされ、識別された場所が表示されます。
  • プログラム エディターで、オブジェクトの上にカーソルを置き、右クリックして [定義へ移動] を選択するか、F12 キーを押します。ポップアップ ウィンドウにオブジェクトの定義が表示されます。
  • プログラム エディターで、オブジェクトの上にカーソルを置き、右クリックして [すべての参照の検索] を選択するか、Shift+F12 キーを押します。[シンボルの検索結果] ウィンドウにオブジェクトのすべてのインスタンスがリストされます。
[出力] ビューおよび [エラー一覧] に表示されるビルド結果
アプリケーションをビルドすると、ビルド結果が [出力] ビューおよび [エラー一覧] に表示されます。ビルド メッセージをダブルクリックすると、ソースを特定できます。また、[エラー一覧] 内の項目をダブルクリックすると、ソース ファイルをテキスト エディターにロードし、関連する場所を表示できます。これらのペインを表示するには、[表示 > 出力] および [表示 > エラー一覧] を選択します。