アジャイル開発および Micro Focus 開発ツール

「アジャイル方式の概要」および「アジャイル開発のワークフロー」セクションでは、アジャイルソフトウェア開発の概念を紹介し、アジャイル開発がプロセスとしてどのように機能するかを概説します。本セクションでは、アジャイル開発のプロセスについて説明し、Micro Focus が提供する各種製品がそのプロセスにどのように適合して価値を付加するかを示します。

以下の図は、「アジャイル開発のワークフロー」のトピックで紹介しているプロセスを示していますが、プロセスのさまざまな段階で使用できる Micro Focus 製品が追記されています。この図では Micro Focus 製品を紹介していますが、説明されているプロセスでは Micro Focus 製品の使用は必須ではないため、プロセスの一部でサードパーティ製品をすでに使用している場合は、引き続きその製品を使用して Micro Focus 製品と統合できます。

上図内の数字の箇条書き箇所の詳細は次のとおりです。

Micro Focus ALM Octane を使用して要件を管理します。
要件モジュールは、プロジェクトの構想から配布までのあらゆる側面を文書化して追跡するための中心となるリポジトリです。これには、ビジネス目標、顧客の要求、機能要件のほか、承認や進捗の追跡が必要になるその他の要件が含まれます。
Micro Focus ALM Octane を使用してエピック、フィーチャー、ストーリーで構成される製品バックログを作成します。
製品バックログで、開発項目をランク付けし、開発サイクルを計画できます。エピック、フィーチャー、およびストーリーの階層で、プロジェクトを完了するために必要な作業を記述します。要件モジュールからバックログに要件をプッシュして、ランクや他の作業に対する優先順位を付けることもできます。
Micro Focus ALM Octane を使用してスプリントとリリースを作成します。これを使用して、開発チームが行う作業を製品バックログで定義および追跡します。
各スプリントの間、開発者はバックログから項目を取り上げて対処し、スプリント終了時までに完了します。各スプリントの終了時には、スプリントバックログの項目が完了している必要があります。これには、コーディングだけでなく、テストの実施、文書化、ディプロイ可能な実用製品への統合 (必要な場合) が完了していることも含まれます。
必要に応じて、提供可能な製品パッケージを Visual COBOL を使用して作成します。
Visual COBOL を使用する場合、開発者は、Enterprise Analyzer が提供する分析、インテリジェンス、およびレポート作成用の一連のツールを使用して、作業中のアプリケーションを素早く完全に理解できるようになります。ALM Octane と Visual COBOL の統合により、開発者はコードの変更に容易に対応し、同時に ALM Octane のステータス情報を最新の状態に保つことができます。

スプリントが終了したら、アジャイル計画段階に戻り、次のスプリントバックログを作成します。プロジェクトが終了したら、要件収集段階に戻り、新製品のバックログを作成します。

次のリストでは、アジャイル開発のプロセスに関わる各 Micro Focus 製品を簡単に概説します。

ALM Octane (バックログモジュールおよびチームバックログモジュール)
Micro Focus ALM Octane は、アジャイルソフトウェアプロジェクト用の企業レベルの計画および追跡ソリューションです。

ALM Octane は、チームによるコラボレーションを容易にし、製品提供パイプラインの管理や変更による影響の可視化が可能な Web ベースのアプリケーションライフサイクル管理プラットフォームです。

ALM Octane は、Visual COBOL だけでなく、DevOps ツールチェーン内のサードパーティツールとも簡単に統合できるように設計されています。
ALM Octane (要件モジュール)
Micro Focus ALM Octane では、他の要件管理ツールと比較して、チームがより協業的かつ柔軟な方法で製品を開発できます。

要件は、開発手法に応じて、リリースの概要や正式なドキュメントとして定義できます。
COBOL Analyzer
Micro Focus COBOL Analyzer は、大規模で複雑なアプリケーションを扱う際の課題に対処するように設計された、強力なコード解析および視覚化ツールセットです。

COBOL Analyzer を使用すると、アプリケーションを十分理解できるようになります。つまり、変更に要する時間が短縮され、変更が望ましい効果を発揮し、新しい問題が生じないという確信が得られます。

また、COBOL Analyzer を使用してクエリを実行し、コードが内部基準に準拠しているかどうかを判断することもできます。基準に準拠していないコードは、コミット後またはビルドプロセス中にエラーと見なされます。
Visual COBOL
Micro Focus Visual COBOL は、COBOL アプリケーションの開発およびディプロイのための次世代ソリューションです。Visual Studio および Eclipse を使用して COBOL システムをモダナイズするとともに、COBOL アプリケーションおよびサービスを .NET、JVM、クラウドなどの新しいプラットフォームにディプロイできます。

Visual COBOL の以下の機能は、アジャイル開発プロセスの非常に重要な部分です。
- SCC 準拠のソースコード管理システムと統合することで、ソースコードとシームレスに連携できます。
- Visual Studio に統合することで、色づけ、IntelliSense、エラーフラグ、インテリジェントコピーブック処理などの便利なデバッグ機能を使用して、問題をすばやく追跡し、原因を特定して編集できます。
- xUnit スタイルのテストフレームワークである Micro Focus Unit Testing Framework には、コマンドラインまたは Visual COBOL IDE から単体テストを作成、コンパイル、実行、およびデバッグできるようにする xUnit フレームワークの数多くのアーキテクチャが用意されています。
- コアダンプを使用したデバッグ。アプリケーションがクラッシュした際に、アプリケーションの状態をコアダンプファイルでディスクに保存するように設定できます。コアダンプファイルからは、ソースコード内のエラー発生箇所、エラー発生時のメモリの内容、およびその時点で設定されていた変数や式の値がわかります。このコアダンプファイルを使用して問題をデバッグできます。
- リモートデバッグにより、使用しているコンピューターとは別のコンピューター上で稼働しているプログラムをデバッグできます。
- 統合化トレース機能 (CTF) によって生成される詳細な診断情報は、デバッガーを簡単にアタッチできない場合に問題を診断する上で非常に役立ちます。