IMS データベースのロールバック回復

IMS データベースの完全性を保護するために使用するロールバック回復機能について説明します。

ロールバック回復は、IMS データベースの完全性を保護するために防御の最前線で使用される機能です。データベースを回復する最も迅速な方法であり、データベースがオフラインから戻ることができない期間を最小限に短縮します。ロールバック回復は、エンタープライズ・サーバによって自動的に呼び出され、IMS トランザクションまたは IMS データベース・エンジンに障害が発生したとき破損したデータをチェックし修復し、作業ユニットで指定されたすべてのデータベースのコミットしていないデータをバックアウトすることでデータベースを回復します。

データベースの更新中に停電またはハードウェアの障害が発生すると、ロールバック回復ではデータベースを適切に回復できない場合があります。このようなとき、ロールバック回復によってエンタープライズ・サーバのコンソールとロールバック・リスト・ファイルに、データベースの完全性を検証し回復の措置を講じる必要があることを促すメッセージが送信されます。データが破損した場合、再ビルド・ユーティリティまたは IMS データベース・フォワード回復を使用して (有効な場合) データを修復できます。

またロールバック回復は、JCL ジョブとして手動で呼び出すか、またはコマンド・ラインから mfims imsdbu ロールバック関数を使用して呼び出すこともできます。これらのオプションは、ロールバック回復を実行する際の時間と状況を制御する方法として利用できます。

注:自動ロールバック回復はデフォルトでオンに設定されています。この設定をオフにするには、エンタープライズ・サーバ・インスタンスの構成情報で、ES_IMSDB_ROLLBACK 環境変数を 0 に設定します。次に例を示します。
[ES-Environment]
ES_IMSDB_ROLLBACK=0
自動ロールバック回復をオフに設定しても、JCL ジョブから手動でデータベースを回復するか、または mfims imsdbu ロールバック関数を使用して回復できます。