「継続的デリバリーの概要」および「継続的デリバリーのワークフロー」セクションでは、継続的デリバリーの概念を紹介し、継続的デリバリーがプロセスとしてどのように機能するかを概説します。本セクションでは、継続的デリバリーのプロセスについて説明し、Micro Focus が提供する各種製品がそのプロセスにどのように適合し、そのプロセスに価値をもたらすかを示します。
以下の図は、「継続的デリバリーのワークフロー」セクションで紹介しているプロセスを示していますが、プロセスのさまざまな段階で使用できる Micro Focus 製品が追記されています。この図では Micro Focus 製品を紹介していますが、説明されているプロセスでは Micro Focus 製品の使用は必須ではないため、プロセスの一部でサードパーティ製品をすでに使用している場合は、引き続きその製品を使用して Micro Focus 製品と統合できます。
継続的デリバリーは事実上、継続的インテグレーション プロセスの拡張であるため、この図の最初の 5 つの手順は、「継続的インテグレーションおよび Micro Focus 開発ツール」で示した図の手順と同じです。
この図では、ChangeMan ZMF をソース コード管理システムとして使用する方法を示していますが、その製品だけを使用することに限定されるものではありません。Enterprise Developer は SCC 準拠のソース コード管理システムと連携するため、Enterprise Developer では実質的にあらゆるソース コード管理システム (Micro Focus 製品またはサードパーティ製品であるかにかかわらず) とシームレスに作業できます。
メインフレーム開発では、Enterprise Developer および Enterprise Sync (Micro Focus Enterprise スイートの別の製品) を併用することで、メインフレームのソース コードを分散型のソフトウェア構成管理プラットフォームに複製し、並列アプリケーション開発の効率を大幅に向上させることが可能です。
この時点で、手順 2 でチェックインされた変更が正常にビルドされ、ビルドに使用されたソース コードにビルド ラベルが適用されています (そのため、必要に応じてビルドを再作成できます)。
ビルドに失敗した場合、CI サーバーは手順 1 からのプロセスを再開する関連開発者に通知を送ります。開発者は、Enterprise Developer を使用してビルド エラーを解決するために必要な変更を行います。
この時点で、手順 2 でチェックインされた変更は正常にビルドされテストが完了しています。手動の作業はほとんどあるいはまったく不要です。
メインフレームでホストされるアプリケーションの場合、この段階でのテストでは、Windows ワークステーション上で行われるテストに加えて、メインフレームでの変更のテストも含める必要があります。
受け入れテストに失敗した場合、CI サーバーは手順 1 からのプロセスを再開する関連開発者に通知を送ります。開発者は、テストの失敗を解決するために必要な変更を行います。
Jenkins を使用して上記リストの CI サーバー タスクを実行する方法については、「Enterprise Developer および Jenkins の連携」を参照してください。
次のリストでは、継続的デリバリーのプロセスに関わる各 Micro Focus 製品を簡単に概説します。
Micro Focus ChangeMan ZMF は、開発から運用テストまでのメインフレーム ソフトウェアの変更を確実に実装するための包括的で自動化された変更管理システムであり、主要な関係者に対してリリース プロセスを可視化することで変更管理をビジネス問題として扱います。ChangeMan ZMF は企業資産を保護し、より短時間でより多くの成果を上げることを支援します。
Micro Focus Deployment Automation は、ソフトウェアのディプロイを簡素化および自動化します。ディプロイ パイプラインの自動化、サイクル時間の短縮、および迅速なフィードバックの提供をシームレスに行うことにより、継続的デリバリーおよび運用環境のディプロイをサポートします。Deployment Automation を使用すると、高品質で価値あるソフトウェアを効率的かつ迅速に信頼性の高い方法で提供できます。
Micro Focus Enterprise Analyzer に用意されている幅広いツールおよびコンテンツにより、アプリケーションを十分理解できるようになります。つまり、変更に要する時間が短縮され、変更が望ましい効果を奏し、新しい問題が生じないという確信が得られます。
また、Enterprise Analyzer を使用してクエリを実行し、コードが内部基準に準拠しているかどうかを判断することもできます。基準に準拠していないコードは、コミット後またはビルド プロセス中にエラーと見なされます。
Micro FocusEnterprise Developer は、メインフレーム COBOL および PL/I の開発活動を合理化する統合開発環境 (IDE) を提供します。このツールセットにより、迅速な統合機能およびリモート開発機能を通じて、モダン テクノロジへのアクセス、柔軟性、および拡張性が得られます。
Enterprise Developer には、継続的デリバリー プロセスでの使用に特に適した次の機能が含まれています。
記録をデバッガーにロードすることで、プログラムの実行に影響を与えたすべての処理 (すべての入力、ディスク アクセス、キーボード ストロークなど) を監視できます。また、デバッガーを使用して実行パスを行き来できるため、アプリケーションのクラッシュやその他の予期しない動作の潜在的な原因に容易に専念できます。
Micro Focus Enterprise Sync および Enterprise Developer を統合することで、並列開発がより迅速かつ効率的になります。メインフレームのソース コードを分散プラットフォームで複製することで、モダン アプリケーションの開発プロセスを採用するのに役立つ、モダンな GUI ベースのツール群を最大限に活用できます。
Enterprise Sync を使用すると、分散ソース管理の変更がメインフレーム ソフトウェア変更管理システムと自動的に同期され、メインフレーム アプリケーションのソース コードを主要な記録システムとして維持しつつ、ソフトウェアの変更および構成管理プロセスの整合性を保証します。
Micro FocusEnterprise Test Server は、Windows 用の IBM メインフレーム アプリケーション テスト環境です。スケーラブルで低価格なコモディティ ハードウェアでもメインフレーム アプリケーションの変更を自信を持ってテストでき、テストのキャパシティを拡張して、今日のビジネス要件によって期待される出荷タイムラインおよび品質基準を満たすことができます。
Enterprise Test Server がテストを簡略化できる方法の例として、実行環境をエクスポートおよびインポートする機能があります。アプリケーションをテストするための Enterprise Test Server 環境を設定すると、その環境の定義を XML ファイルにエクスポートできます。このファイル内の XML 定義には、Enterprise Test Server 環境のすべての側面の詳細 (環境定義、データ ファイルの場所、環境変数の設置など) が含まれます。定義をエクスポートしたら、テスト中に使用できるようにインポートして、テストで使用する Enterprise Test Server 環境が、既知の正しい環境とまったく同じ環境になるようにします。
Micro Focus Release Control を使用すると、ビジュアル リリース カレンダーおよび自動承認プロセスを使用して、定義からディプロイまでのリリース プロセスを計画、制御、および自動化できます。Release Control が提供する自動化機能および統合機能により、可視性および追跡精度が改善され、コンプライアンスおよび制御手順の遵守向上が期待できます。
Micro Focus Silk Test を使用すると、厳格な品質基準を維持し、どのデバイスやプラットフォームでもアプリケーションのテストを高速化できます。Silk Test を使用すると、単一の強力なテスト自動化ソリューションを使用して、Web、モバイル、リッチ クライアント、およびエンタープライズの各種アプリケーションをテストすることにより、検証作業を標準化できます。
Micro Focus Silk Central により、計画、追跡、レポート、および実行用の単一のハブにテスト資産を統合し、品質目標を定義し、手動および自動の機能テストおよびパフォーマンス テストをスケジュールし、結果を集中管理されたダッシュボードに表示できます。