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第 5 章 プログラムの作成

この章では、プログラムの作成方法について説明します。

5.1 はじめに

『アプリケーションのパッケージ化』の章の『実行可能ファイルのタイプ』の項で説明しているように、作成できる実行可能ファイルには、次の 5 つのタイプがあります。

実行可能ファイルを作成するには、Cob ユーティリティを使う必要があります。 Cob は、指定された出力実行可能ファイルに従って、コンパイラ、システムリンカのどちらか、または両方を起動します。

コンパイラによるプログラムのコンパイルは 2 段階で行われます。

システムリンカは、ネイティブオブジェクトコードを、呼び出し可能な共有オブジェクト、システムの実行可能プログラム、または共有ライブラリに変換します。

Cob には、ソースコード、中間コード、またはネイティブオブジェクトコードを指定することができます。 特定のタイプの実行可能ファイルを作成する場合は、C または C++ のソースコードを指定することもできます。 Cob で、様々なタイプの実行可能ファイルが作成される手順を次の図で示します。

以降の項では、Cob ユーティリティを使用したプログラムのコンパイルに関する概要を説明します。 Cob ユーティリティの使用方法に関する詳細は、『COBOL システムインターフェイス (Cob)』の章を参照してください。 64 ビットモードで作業している場合は、『32 ビットモードおよび 64 ビットモードでの作業』の章も参照してください。

5.2 中間コードファイルの作成

コンパイラを使って、直接、中間コードファイルを作成することができます。 プログラムをリンクする必要はありませが、プログラムを実行する場合は、次のいずれかの操作を行う必要があります。

詳細は、『アプリケーションのパッケージ化』の章を参照してください。

ソースコードファイル、 myprog.cbl を中間コードにコンパイルするには次のように入力します。

cob -i myprog.cbl

これにより、myprog.int という中間コードファイルが作成されます。

cob -a myprog.cbl

コマンドを指定すると、中間コードファイルとともに、Animator で使用するファイルも作成されます。

5.3 生成コードファイルの作成

生成コードファイルは、コンパイラを使って作成します。 プログラムをリンクする必要はありませが、 プログラムを実行するには、次のいずれかの操作を行う必要があります。

詳細は、『アプリケーションのパッケージ化』の章を参照してください。

ソースコードファイル、 myprog.cbl を生成コードにコンパイルするには次のようにします。

cob -ug myprog.cbl

これにより、myprog.gnt という、生成コードファイルと、Animator 情報ファイルが作成されます。

次のように入力すると、.int ファイルから .gnt ファイルを作成することができます。

cob -ug myprog.int

-g オプションを使用すると、Animator で使用されるファイルが作成されます。

5.4 呼び出し可能な共有オブジェクトの作成

呼び出し可能な共有オブジェクトは、次の手順で作成します。

どちらの手順でも Cob を使用します。

プログラムを実行するには、次のいずれかの操作を行う必要があります。

詳細は、『アプリケーションのパッケージ化』の章を参照してください。

ソースコードファイル、 myprog.cbl を、呼び出し可能な共有オブジェクトにコンパイルするには、次のように入力します。

cob -z myprog.cbl

これにより、呼び出し可能な共有オブジェクト、 myprog.so が作成されます。

cob -zg myprog.cbl

コマンドを指定すると、呼び出し可能な共有オブジェクトと、Animator で使用されるファイルが作成されます。

次のように入力すると、.int ファイル、およびネイティブオブジェクトコードファイル (.o) から、呼び出し可能な共有オブジェクトを作成することができます。

cob -z myprog.int

または

cob -z myprog.o

詳細は、『呼び出し可能な共有オブジェクト』の章を参照してください。

5.5 システムの実行可能ファイルの作成

システムの実行可能ファイルは、次の手順で作成します。

どちらの手順でも Cob を使用します。

たとえば、ファイル、 myprog.cbl にソースプログラムが含まれている場合は、次のように入力して、プログラムをシステムの実行可能ファイルにコンパイルしてリンクするまでを 1 回で実行することができます。

cob -xg myprog.cbl

これにより、myprog というシステムの実行可能ファイルが作成されます。

-g オプションを使用すると、Animator で使用されるファイルが作成されます。

5.6 共有ライブラリファイルの作成

共有ライブラリファイルは、次の手順で作成します。

どちらの手順でも Cob を使用します。

たとえば、ファイル、 myprog.cbl に共有ライブラリとして作成するコードが含まれている場合は、次のように入力して、プログラムを共有ライブラリファイルにコンパイルしてリンクするまでを 1 回で実行できます。

cob -Zg myprog.cbl

-Z オプションを使用すると、libmyprog.so という共有ライブラリファイルが作成されます。

-g オプションを使用すると、Animator で使用されるファイルが作成されます。

共有ライブラリファイルはそれ自体を実行することはできません。 Cob のコマンド行で、-l フラグを使用して、システムの実行可能プログラムにリンクする必要があります。 たとえば次のようにします。

cob -x myapp.o -L. -lmyprog

これにより、システムの実行可能プログラム、 myapp が作成され、myapp が実行されると、libmyprog.so がロードされます。

5.7 コンパイラ指令の使用

プログラムのコンパイル方法を制御するオプションは豊富に用意されています。 これらのオプションは、コンパイラを起動する際に、指令を使用して指定します。 コンパイラ指令は、コマンド行で個々に入力することができます。デフォルトで使用する指令をグループ化し、これを自動的に、または、コマンド行から、あるいは、ソースコード内から呼び出すようにすることもできます。

標準的な操作を行う場合は、知っておくべき、または使用すべき指令はほとんどありません。 多くの場合は、デフォルトの値を使用します。 指令に関する詳細は、『コンパイラへの指令』の章で説明します。

多くの指令は、コンパイラに他の COBOL コンパイラと互換性のあるコードを作成するよう指示するものです。これらに関する詳細は、『Compatibility Guide』で説明しています。 もっとも頻繁に使用される指令は、コンパイラによる出力を定義する指令です。

指令の設定に関する詳細は、『コンパイラの使用』の章の『指令』 の項を参照してください。

5.8 詳細情報

プログラムのコンパイル、およびリンクに関する詳細は、このマニュアルの次の章を参照してください。

コンパイラ指令に関する詳細は、『コンパイラへの指令』の章を参照してください。


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