第 1 章 : はじめに

ここでは、Server Express を使用して開発したアプリケーションを実行するために必要なライセンスについて説明し、開発したアプリケーションをディプロイするマシンにこれらのライセンスをインストールする方法について概要を説明します。

ここでは、Enterprise Server を含まない Micro Focus Server を、基本 Micro Focus Server と呼びます。 旧製品では、これを Application Server と呼んでいたため、参照先で Application Server という記述が残っていることがあります。

このマニュアルは Windows 版と UNIX 版があります。本書の中で UNIX と言うときには、Linux も含んでいることに注意してください。ライセンスに関するガイドブックは、本書のほかに Server Express の「開発ライセンスガイド」が用意されています。

概要

注: ここでは、Micro Focus Server ライセンスの技術的な条件について説明しています。Micro Focus Server ライセンスの 正式な法的拘束力のある記述については、 『MICRO FOCUS エンドユーザソフトウェア使用許諾契約書』 に記載されています。
本書で説明される技術的な動作は、ライセンスが許諾する内容とは独立しています。 許諾された範囲を超えてライセンスを使用することは、技術的な動作とは無関係に違法です。 本書で説明されるライセンス管理機能は、お客様を不注意に違法行為を行ってしまう危険から 保護するために提供しているものですが、その保護機能は完全ではありません。
ソフトウェアによるいかなる保護機能も、不注意によるライセンス違反を繰り返すことと、 悪意のある違法行為とを区別することができません。

Server Express を使用して開発されたアプリケーションを、Server Express 外で実行するには、Micro Focus Server 上で実行する必要があります。 つまり、Micro Focus Server を実行するライセンスが必要になります。 ここでは、このような Micro Focus Server ライセンスについて説明します。

アプリケーションが内部使用目的であっても、再販目的であっても、実稼動環境でアプリケーションを実行するには、Micro Focus Server ライセンスが必要です。

Micro Focus Server ライセンスは実行ライセンス、またはディプロイライセンスと呼ばれることがあります。

ここでは Micro Focus Server ライセンスについてのみ説明します。Server Express を実行するために必要なライセンスの詳細については、『 開発ライセンスガイド 』を参照してください。

ライセンスのインストール

Micro Focus Server のライセンスを購入すると、ライセンスキーカードが提供されます。 このカードには、Micro Focus Server ライセンスが印刷されており、 製品名とライセンスユーザ数が記載されています。 ライセンスキーも印刷されているので、これを使用してライセンスをシステムにインストールします。

Micro Focus Serverライセンスは、AppTrack と呼ばれるライセンス管理ユーティリティを使用してインストールすることができます。詳細は、「ライセンスのインストールと管理」の章を参照してください。

ディプロイライセンスの利用状況をを監視することもできます。詳細は、「Micro Focus Serverライセンス利用の監視」の項を参照してください。

Micro Focus Server ライセンスの要件

ここでは、必要な Micro Focus Server ライセンスについて説明します。 詳細は、 『 MICRO FOCUS エンドユーザソフトウェア使用許諾契約書』を参照してください。

エンドユーザと開発者

Micro Focus Server ライセンスは、次の 2 種類のユーザを対象とします。

ライセンスモデル

アプリケーションを実行するための Micro Focus Serverライセンスには 2種類のモデルがあります。 それらは、モデル1 ライセンス、および、モデル2 ライセンスと呼ばれます。 Micro Focus Server 5.0 からは、モデル2 ライセンスのみが出荷されています。

モデル1 ライセンス

モデル1 ライセンスは、古い形式のライセンスです。 Micro Focus Server 5.0 の以前のバージョンで Application Server製品などに出荷されていた時期があります。 モデル1 ライセンスは、既に出荷されることがなくなっていますが、旧版の製品を購入してご使用を継続している場合には、 これをそのまま Micro Focus Server 5.0 で使用することもできます。

モデル1 ライセンスには 3つのタイプがあります。

標準ライセンスとトランザクションライセンスは、特定の数の同時使用ユーザ数をサポートします。一方サーバライセンスの場合、単一のサーバ上のユーザ数に制限はありません。 標準ライセンスとトランザクションライセンスは混在させることができます。

モデル2 ライセンス

モデル2 ライセンスは、Micro Focus Serverとともに出荷される形式のライセンスです。 5.0 以前のバージョンでも Application Server製品とともに出荷されていた時期があります。 旧版の製品を購入して、既にモデル2 ライセンスを所持している場合、それをそのまま Micro Focus Server で使用することができます。

モデル2 ライセンスには 2つのタイプがあります。

ライセンスモデルの混在

インストールされた一つの Micro Focus Server に対して、モデル 1ライセンスとモデル 2ライセンスの両方を混在してインストールすることはできません。 しかし、同一のコンピュータ上にインストールされた複数の Micro Focus Server のそれぞれに対して、モデル 1ライセンスとモデル 2ライセンスを個別にインストールすることはできます。

64-bit AIX:

64 ビット版の Application Server を AIX にインストールすると、64 ビット版用のライセンスが発行されます。 AIX にインストールされた 32 ビット版の Application Server に関連するライセンスはすべて有効のままです。 ただし、AIX にインストールされた 64 ビット版の Application Server では 32 ビット版用のライセンスは使用できません。同様に、AIX にインストールされた 32 ビット版の Application Server で、64 ビット版用のライセンスを使用することもできません。

モデル 1 からモデル 2 へのライセンスの移行

既にお持ちのモデル 1ライセンスを、モデル 2ライセンスに交換することができます。 製品の購入元にお問い合わせください。

ライセンスデータベース

インストールしたライセンスは、すべてライセンスデータベースに格納されます。このデータベースは、ユーザが初めてライセンスをインストールしたとき (別の Application Server のユーザの場合もあります) に作成されます。このデータベースは、ディレクトリ /var/mfaslmf にあるファイル mfasdb に保持されます。

AppTrack でライセンスをインストールしたり削除したりする場合を除き、データベースの内容は変更できません。 データベースのキーは暗号化されており、ユーザは AppTrack を介してのみ見ることができます。 AppTrack へのアクセスは、オプションのパスワードシステムで制限できます。

1 つのマシンは、1 つのアクティブなライセンスデータベースを保有できます。 そのデータベースは、いったん生成されると、移動できません。異なるマシンからライセンスデータベースをコピーしたり、バックアップを取っておいたライセンスデータベースから復元したりすることもできません。

データベースが削除されたり破損したりした場合は、aslmdbrecover ユーティリティを使用してライセンスを再インストールして再作成する必要があります。 悪意をもったユーザが故意にデータベースを破壊したり、削除したりすることを防止する手段はありません。

環境の設定

AppTrack 実行環境または Micro Focus Server を使用するアプリケーションは、アプリケーションまたは Micro Focus Server のインストールプロセスの一部として設定されます。 設定されない場合は、次のように行う必要があります。

  1. Micro Focus Server を示す環境変数を設定します。

    方法

  2. Micro Focus Server ライセンスがインストールされていなければインストールします。

    方法


Copyright © 2006 Micro Focus (IP) Ltd. All rights reserved.