Visual COBOL 10.0 の新機能

Visual Studio Code 用の Rocket® COBOL 拡張および Visual Studio Code 用の Rocket® Enterprise 拡張

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Visual Studio Code 用の Micro Focus COBOL 拡張および Micro Focus Enterprise 拡張は、Rocket Software により Microsoft Visual Studio Marketplace で再パッケージされました。

  • Visual Studio Code 用の Rocket® COBOL 拡張 (旧称 Visual Studio Code 用の Micro Focus COBOL 拡張) により、Visual Studio Code で Visual COBOL および Enterprise Developer を使用して、COBOL の編集とコンパイル、およびデバッグ サポートの利用が可能になります。
  • Visual Studio Code 用の Rocket® Enterprise 拡張 (旧称 Visual Studio Code 用の Micro Focus Enterprise 拡張) により、Visual Studio Code で Enterprise Developer を使用して、PL/I の編集とコンパイル、およびデバッグ サポートの利用が可能になります。この拡張では、Rocket COBOL 拡張がインストールされます。
  • Visual Studio Code 用の Rocket® JVM COBOL 拡張 (旧称 Visual Studio Code 用の Micro Focus JVM COBOL 拡張) により、Visual Studio Code で JVM COBOL コードをデバッグするためのサポートを利用できます。
  • Visual Studio Code 用の Learn COBOL 拡張機能により、Micro Focus COBOL 基礎トレーニング コースのすべてのトレーニング資料を入手できます。

このリリースの新しい機能拡張は次のとおりです。

  • COBOL ノートブックでのコマンドライン引数の受け取りのサポート。
  • 新しいデバッグ起動オプション - launch.json ファイル内のプラットフォーム固有の値についてのコンソールおよび統合ターミナルのサポート。
  • Visual Studio Code の settings.json ファイルを使用した、エディター内のコードのさまざまな部分の色の微調整のサポート。これらを利用するには、Visual COBOL リリース 10.0 以上が必要です。
注:これらの拡張機能は、Visual COBOL インストーラーには含まれません。これらは Microsoft Visual Studio Marketplace の Web サイトから入手できます。すべての拡張機能は Windows および Linux で利用できます。

.NET サポート

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このリリースでは、.NET サポートが次のように強化されています。

  • .NET COBOL プロジェクトでは、.NET 8 が対象になりました。.NET 8 SDK または Visual Studio Code を使用して .NET 8 COBOL プロジェクトをビルドできます。以前のバージョンの .NET はサポートされません。

COBOL 言語

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • FREE 文 - MF 方言では、ALLOCATE 文で割り当てられたメモリを、FREE ADDRESS OF <データ名>を使用して直接解放できるようになりました。これにより、割り当て時に返すポインターを指定して (例:ALLOCATE <データ名> RETURNING <ポインター>)、その後にポインターを解放する必要がなくなります。
  • COBOL/Java の相互運用 - ネイティブ COBOL コードの COBOL と Java の相互運用について、次の機能が追加されました。
    • MF 方言で実行する場合の動的長の COBOL 項目の使用をサポート。
    • Java 静的メソッドを呼び出す際のユーザー定義の例外処理。
  • Entry_point_mapper_disable_auto_aliasing ランタイム チューナー - この新しいチューナーは、エントリ ポイント マッピング機能が IBM メインフレーム リンケージ エディターのエイリアス機能をエミュレートせず、代わりに「COBRT173 呼び出すプログラムがドライブ/ディレクトリ内に見つからない」というランタイム システム エラーを生成するかどうかを決めるために導入されました。
  • Enterprise COBOL のサポート - 次の機能強化により、IBM Enterprise COBOL バージョン 6.4 との互換性が向上します。
    • STRING および UNSTRING 文で、USAGE UTF-8 データ項目がサポートされるようになりました。
    • JSON-GENERATE および JSON-PARSE 文で ENCODING 指定がサポートされるようになりました。
    • 関数名段落で ENTRY-NAME および ENTRY-INTERFACE 句がサポートされるようになりました。ただし、これらの句は厳密に注記として扱われます。
  • 新しい MF レベル - このリリースでは、予約語の新しいデフォルト レベル (MF"23") が追加されました。
  • ポインターの逆参照 - DATA...AT と :: (二重コロン) 構文の両方を使用してポインターを逆参照する機能が改善されました。

コード分析および自然言語分析アシスタント

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このリリースには、COBOL AnalyzerEnterprise Analyzer の統合に関連する次の機能強化が含まれています。

  • IDE の自然言語分析アシスタント - COBOL AnalyzerEnterprise Analyzer との統合により、IDE に自然言語分析アシスタントのチャット ウィンドウが追加されました。COBOL Analyzer または Enterprise Analyzer リポジトリで COBOL ワークスペースに関するクエリを入力できます。分析アシスタント ウィンドウの結果から、プログラム フロー グラフを開いたり、複雑度レポートを表示したり、COBOL ソース ファイルを開いたりできます。
    注:この機能を使用するには、COBOL Analyzer 10.0 または Enterprise Analyzer 10.0 のライセンス コピーが必要です。
  • 複雑度レポート - アプリケーション サーバー エクスプローラー ビューでワークスペースの複雑度レポートを生成できるようになりました。複雑度レポートにより、ワークスペース内のファイルのさまざまなメトリックを表示および比較できます。
  • Windows では、Eclipse IDE の COBOL Analyzer および Enterprise Analyzer のワークスペースとソース ファイルについて、サーバー エクスプローラーからプログラム フロー グラフ (Windows のみの機能) を利用できるようになりました。

コンパイラ指令

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このリリースでは、次のコンパイラ指令が新たに追加されました。

  • ILPOINTER-REFERENCE - パラメーターの一部として BY VALUE または BY REFERENCE が指定されていない場合に、メソッド パラメータとして使用するポインターを渡す方法を決定します。

カスタマ エクスペリエンス向上プログラム

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このリリース以降、カスタマ エクスペリエンス向上プログラムでは、Micro Focus 製品の使用方法に関する高レベルの匿名情報を収集します。収集される情報には、製品名とバージョン、および使用する OS と機能が含まれます。これらの情報は、製品の改善、ひいてはカスタマ エクスペリエンスの向上を目的として収集されます。

カスタマ エクスペリエンス向上プログラムへの参加は、デフォルトで有効になっています。mfceipconfig コマンドライン ユーティリティを使用してオプト アウトすることも可能です。

Eclipse 統合

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • Visual COBOL が Eclipse 4.28 (2023-06) をサポートし、Eclipse 4.28 に同梱されるようになりました。これよりも前のバージョンの Eclipse はサポートされません。
  • Quick Fix - Quick Fix 機能が強化され、エディターでエラーの上にマウス カーソルを置くと表示されるポップアップ ボックスから、自動的に適用できる修正がリストされるようになりました。これは、Java と連携する際に提供される機能に似たものです。
  • ビルド前およびビルド後の処理イベント - ビルド処理イベント (Properties > Micro Focus > Build Configurations > Events) の一部として使用するスクリプト ファイルをコーディングして、COBOL ビルド プロセスの結果に影響を与えたり、IDE にエラー メッセージを導入したりできるようになりました。ビルド前およびビルド後の処理イベント」を参照してください。
  • コピーブック グラフのサポート - COBOL ファイルのコピーブックの依存関係のグラフを表示できるようになりました。グラフを使用して、受信および発信の依存関係を確認できます。
  • コピーブック パスの設定 - デバッグ時にスタンドアロン ファイルで参照されるコピーブック ファイルを見つけやすくするための新しい設定ページが導入されました。コピーブック ファイル (またはそれらを呼び出すファイル) が元の (ビルドされた) 場所から移動された場合は、このページを使用します。一致するものが見つかるまで、リストは順番に検索されます。
  • JVM COBOL のデバッグ時の条件付きのブレークポイントで、<、>、<=、および >= 演算子を式内で使用できるようになりました。
  • 文の終了時に適用されるフォーマット機能設定 - 新しいフォーマット機能設定 (Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Typing > Format sentence on period) では、文がピリオドで終了する場合に、現在のフォーマット機能プロファイルの設定に従って現在の文がフォーマットされます。

Enterprise Server

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • リモート ファイル アクセス - 構成済みのリモート ファイル アクセス (RFA) MFCS コネクターを使用してファイルにリモートでアクセスできるようになりました。通常のファイル、カタログ化されたデータセット、およびスプール出力にアクセスできます。これにより、新しいデータ ツール ユーティリティを使用して COBOL データ ファイルをリモートで編集することも可能です。また、既存の Enterprise Server セキュリティ構成を使用して、ファイル、データセット、スプール出力をローカルまたはリモートでダウンロードおよびアップロードできるようになります。さまざまなセキュリティ機能により、このソリューションは FTP や SSH などのより一般的なソリューションよりもセキュアな代替手段となります。

Enterprise Server Common Web Administration (ESCWA)

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • カタログ ビューのフィルター処理オプションが改善され、ページングが追加されました。新たに追加された [Load on navigation] チェック ボックスを選択すると、以前に選択した条件に基づいてフィルター処理できます。
  • 新しい構成レポート ページを使用すると、ESCWA および MFDS 構成での潜在的なセキュリティの脆弱性を視覚化できます。ドメインと構成属性の各組み合わせには、独自のヘルプ ダイアログがあります。
  • ロールベースのセキュリティの構成。ESCWA のユーザー ビューを構成できるようになりました。ユーザーが特定のロールを必要としない場合は、対応するページと API を非表示にできます。[Role Options] ページでロールベースのアクセスを構成できます。[Security] をクリックし、[ESCWA Configuration] を展開して ESM を展開し、[Roles] をクリックします。
    注:ロールベースのセキュリティは、既存の製品セキュリティに加えて機能する ESCWA 専用の機能です。
  • 必要に応じてロックを削除し、削除されていないロックが原因で壊れたアプリケーションを修復できるようになりました。この機能は [Lock] ページで有効にできます。[Native > Monitor > Locks] をクリックしてから [Remove Locks] をクリックします。この機能は、OPERCMDS リソース クラスの casstop リソース エンティティによって制御されます。
    注意:
    ロックを誤って削除すると、システムが不安定になり、データが破損したり失われたりする可能性があります。
  • リージョンの検証 - ESCWA で、エンタープライズ サーバー リージョンの選択されたコンポーネントの構成を検証できるようになりました。この機能を使用すると、選択したリージョンの潜在的な起動または構成の問題を特定できます。検証プロセスでは、casverify ユーティリティを使用して検証アクションを実行します。
  • API 戻りコードが改善されました。以前は、リージョン モニターおよびコントロール API が呼び出されると、HTTP 200 コードが返され、JSON 出力でエラーが指定されていました。この戻りコードが改善され、より多くの情報を提供するようになりました。API を構成すると、新しい動作と古い動作のいずれかを選択できます。
  • ESCWA ユーザー インターフェイスの応答性が向上し、より多様な小型 Web ブラウザーで使用できるようになりました。

Enterprise Server セキュリティ

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • VSAM 外部セキュリティ マネージャー (ESM) モジュールで提供される Enterprise Server セキュリティ機能は、デフォルトで有効になっています。ブラウザベースの UI または IDE で ESCWA、Micro Focus Directory Server、およびリージョンと対話する場合、コマンド ラインから特定のユーティリティを使用する場合、TN3270 エミュレーターを使用してリージョンにアクセスする場合、FileShare にログインする場合、または FileShare を使用する場合は、有効な資格情報を入力する必要があります。
  • TLS 証明書チェック ユーティリティ - TLS 証明書の問題の診断に役立つ、製品の新しい実行可能ファイルです。証明書の有効性をチェックし、証明書チェーンを検証し、証明書とプライベート キーが一致することを確認し、指定されたホスト名/アドレスと一致する SAN が証明書に含まれていることを確認できます。TLS 証明書の問題を診断することで TLS のユーザビリティが向上します。
  • Enterprise Server にファイルベースのセキュリティを提供する VSAM ESM モジュールが GA 品質になりました。
    • ファイルベースのシンプルなセキュリティ メカニズムを通じて、ユーザー認証およびリソース承認の制御を有効にできます。
    • セキュリティ データは、YAML または LDIF からインポートして YAML にエクスポートできます。これにより、移植性が向上し、編集やスクリプトの作成が容易になります。
  • HTTP と MFBINP の対話、および Web サービスと J2EE、Web、リモート ファイル アクセスの対話タイプでは、追加のセキュリティ機能をオプションで利用できます。リスナーを構成して、ユーザー認証を要求したり、特定の種類のリクエストへのアクセスを制限したりできます。

Interface Mapping Toolkit

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • imtkmake -defmapコマンドで、サービス インターフェイスのデフォルトのマッピング サポートを強化する新しいパラメーター (entrypoint、method、および path) がサポートされました。

ライセンスの変更点

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  • 本製品の以前のリリースで利用できた SafeNet Sentinel ライセンス システムは廃止され、リリース 10.0 では利用できなくなりました。本製品では、リリース 8.0 で導入された Micro Focus AutoPass ライセンス テクノロジーも使用されています。リリース 10.0 以降、本製品で利用できるライセンス テクノロジーは AutoPass のみになります。
  • SafeNet Sentinel ライセンスはサポートされなくなったため、リリース 10.0 以降では AutoPass ライセンスを使用する必要があります。既存の SafeNet Sentinel ライセンスを AutoPass ライセンスに変更する場合は、アカウント マネージャーにお問い合わせください。

注:SafeNet Sentinel ライセンスを使用する他の Micro Focus 製品またはバージョンがインストールされているマシンにバージョン 10.0 をインストールすると、互換性の問題が発生する場合があります。バージョン 10.0 のインストール プロセスはこのような問題に対処するように設計されていますが、次のシナリオを想定し、ライセンスが期待どおりに機能するように何らかのアクションが必要になる場合もある点に注意してください。

Micro Focus Unit Testing Framework

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • 複数のシナリオ用にコンパイルされたテストの単体テスト コードで環境変数を使用できるようにする新しい構成ファイル形式が導入されました。ポータブル環境ファイルにより、複数の方法 (Windows/UNIX、32 ビット/64 ビットなど) でコンパイルされたテスト ケース用に環境変数を提供できます。

OpenTelemetry

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このリリースには、UNIX プラットフォームでの OpenTelemetry のサポートが含まれます。OpenTelemetry により、テレメトリ データを収集することで、Enterprise Server アプリケーションの監視性が向上します。OpenTelemetry を構成して、必要な情報を、Prometheus、Grafana、Dynatrace などのサードパーティの監視ソフトウェアで使用できる形式で出力できます。これにより、プロセスとワークフローのパフォーマンスと動作を視覚化できます。