デバッグ対象のコンテナーの実行

本トピックでは、Windows 用の Visual COBOL ビルド ツール ベース イメージを実行し、アプリケーションのクラスおよびデバッグ ファイルのボリュームのマウントを行うことで、アプリケーションをデバッグできるようにする方法について説明します。

コンテナーを実行する際は、docker run コマンドで通常指定するパラメーターに加えて次のものを指定する必要があります。

• コンテナーのデフォルトのコマンドを上書きするリモート デバッグ オプションを指定した java コマンド。これにより、コンテナーの実行時に、リモート デバッグを有効にするために必要なプロセスが開始されるようになります。
• コンテナーがリッスンするポート。コンテナーで DHCP または TCP トンネリングを使用する場合は、イメージの作成時に使用した Dockerfile で EXPOSE コマンドを使用してポートが指定されている必要があります。

たとえば、コンテナー デモンストレーションとして提供されている JVM COBOL の Hello World プロジェクトを実行する場合の docker run コマンドの例を次に示します。

docker run -p 8000 --rm 
 --name helloworld-x64-debug 
 --cap-add=SYS_PTRACE
 -v %CD%\bin:c:\app 
 --workdir c:\app 
 -it microfocus/edbuildtools:win_8.0_x64 
 java -Xdebug -Xrunjdwp:transport=dt_socket,server=y,suspend=y,address=8000 com.microfocus.example.Program1

上記の docker run コマンドで指定しているパラメーターは次のとおりです。

-p 8000

ポート番号 8000 をパブリッシュします。

--rm

実行の終了時に自動的にコンテナーを削除するように指定します。

--name helloworld-x64-debug

コンテナーで使用する名前を指定します。

--cap-add=SYS_PTRACE

Linux コンテナー内部のデバッグを有効にします。

-v %CD%\bin:c:\app

ローカル フォルダー %CD%\bin をコンテナー内のフォルダー c:\app にマウントします。%CD% は現在のディレクトリを表します。

--workdir c:\app

コンテナーの作業ディレクトリを設定します。-v パラメーターで指定したフォルダーと同じにする必要があります。

-it

コンテナーを対話的に実行するように指定します。

microfocus/edbuildtools:win_8.0_x64

実行するイメージの名前を指定します。この例では、64 ビット Windows 版の Enterprise Developer Build Tools for Windows イメージを指定しています。

java -Xdebug -Xrunjdwp:transport=dt_socket,server=y,suspend=n,address=8000 com.microfocus.example.Program1

ポート 8000 でクラス com.microfocus.example.Program1 のリモート デバッグを有効にする java コマンドを指定します。

Listening for transport dt_socket at address: 8000