プロダクション・システムは常にいくつかの診断をオンにした状態で実行することをお奨めします。これは、予期しない問題をトラブルシューティングできるようにするために必要です。診断はリソースを消費し、問題判別機能とパフォーマンスの間には常に競合が存在します。ユーザは、問題の再現を試みることや単に診断をオンにして問題の再発生を待つことに比べて、最初の発生時に問題を診断できることがどれほど重要なのかを判断する必要があります。最低条件として、次のレベルの診断をお奨めします。
場合によっては、タスク制御、記憶域制御、およびアプリケーション・コンテナ・コンポーネントもオンにする必要があります。
トレースと内部的にトリガされるダンプの設定は、[Edit Server > Diagnostics] ページまたは ESMAC の [Control] ページで指定します。[Edit Server > Diagnostics] ページのトレース・フラグに相当する ESMAC の [Control] ページのトレース・フラグは次のとおりです。
[Edit Server > Diagnostics] ページで行った設定は、ESMAC の [Control] ページで行った設定をオーバーライドします。
システムまたはトランザクションの異常終了時に作成されたダンプは、内部的にトリガされたダンプです。[Control] ページで選択していれば、これらのダンプは異常終了の発生時に作成されます。また、外部的にトリガされるダンプ (つまり、コマンドへの応答で直ちに取られるダンプ) を取得することもできます。外部的にトリガされるダンプを開始する方法はいくつかあります。
casdump コマンドはさらなる柔軟性を提供します。
ディレクトリ・サーバがシステム・サービスとして実行されていて、ユーザが Enterprise Server Administration インターフェースからサーバを起動した場合、サーバはそのユーザのユーザ ID のもとで実行されないため、casdump は機能しません。casdump を機能させるには、次のいずれかを行う必要があります。
最初に、次のように casdump を実行します。
casdump /res-name
デフォルトでは、casdump はダンプを作成する前に共有メモリをロックしようとします。共有メモリをロック状態のままにする形でエンタープライズ・サーバが失敗した場合は、コマンドがハングする可能性があります。
コマンドがハングした場合は、/d オプションを使用してコマンドを再実行できます。
casdump /res-name /d
/d の使用は、「共有メモリをロックしない」ということを意味します。これにより、casdump が記憶域チェーンを追跡およびダンプしている間は実行中のエンタープライズ・サーバによって共有メモリが変更されるため、コマンドが失敗する可能性もあります。
別の方法としては、コマンドがチェーンの追跡とブロックのフォーマットを開始する前にすべての共有メモリを最初にブロックとしてダンプする /b オプションを使用します。
調査のためにダンプ・ファイルを Micro Focus に送ることを予定している場合は、/f オプションを付けてコマンドを実行するように求められる可能性もあります。このオプションは、FAQE チェーン (Free Area Queue Element) と共有メモリをブロックとしてダンプします。
外部的にトリガされたダンプは、/d オプションを指定した場合はダンプ X データセット (casdumpx.rec)、/d オプションを指定しなかった場合は現在のダンプ・データセット (casdumpa.rec または casdumpb.rec) に書き込まれます。