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第 3 章 構成

この章では、Fileshare クライアントと Fileshare サーバを構成する方法について説明します。

3.1 クライアントの構成

この項では、Fileshare クライアントで使用できるすべてのオプションについて説明します。これらのオプションは、Fileshare クライアント構成ファイルの中で必要な回数だけ、順番に関係なく指定できますが、各行に指定できるオプションは 1 つのみです。


注:


クライアントの構成オプション
指定内容
/cm CCI-protocol
Fileshare クライアントのデフォルトの通信プロトコル。CCI-protocol の有効値については次の表で説明します。
/cm CCI-protocol /s server-name
Fileshare サーバ、 server-name に要求を送信する場合に使用する通信プロトコルを指定します。CCI-protocol の有効値については次の表で説明します。
/ct CCI-timeout server-name 
通信タイムアウトの制限時間であり、1/10秒単位で指定します。デフォルトは1200 (120秒) です。詳細は、『通信』 の章の 『CCI タイムアウト』 の項を参照してください。
/f filename /s server-name
データファイル、 filename が、Fileshare サーバ、 server-name 上のリモートファイルであることを示します。デフォルト以外の Fileshare サーバに割り当てる各データファイルについて、このオプションを繰り返し指定します。 filenameserver-name の有効値は次の表で説明します。
/f filename
filename で指定したデータファイルがFileshare クライアントが常駐する PC 上のローカルデータファイルであることを示します。filename の有効値は次の表で説明します。
/s server-name
server-name で指定するサーバをデフォルトの Fileshare サーバとして指定します。

具体的な Fileshare サーバを指定せずにデータファイルへアクセスする場合、またはローカルデータファイル として指定していないデータファイル へアクセスする場合は、アクセス要求がデフォルトの Fileshare サーバに送信されます。 目的のデータファイルを検索する場合は、Fileshare クライアントが、Fileshare クライアントの構成ファイルでデフォルトの Fileshare サーバを定義した順序どおりに、各 Fileshare サーバを確認します。

どの Fileshare サーバにも該当するデータファイルが見つからない場合は、このデータファイル要求が、Fileshare クライアントの構成ファイルで最初に登録されているデフォルトの Fileshare サーバに送信されます。

Fileshare クライアントの構成ファイルで指定するオプションの有効値は次のとおりです。

オプション
有効値
CCI-protocol Windows
ccitcp
cciipx
ccinetb
cciappc

UNIX
ccitcp
ccinampu
server-name 16 字までの文字列。具体的な最大長は使用する CCI プロトコルによって異なります。Fileshare クライアントの構成ファイルには、最大 16 個の Fileshare サーバ名を記述できます。
filename オペレーティングシステムでサポートされている有効なファイル名。ファイル名には、埋め込まれた空白文字を含めることはできません。 filename の末尾にワイルドカード文字を使用すると、ファイルのグループを指定することができます。例えば、 /f \accounts\* と記述すると、 \accounts\ という文字列で始まるすべてのファイルを指定できます。

3.1.1 クライアント構成ファイルの例

この例では、通常の Fileshare クライアントの構成ファイルを示します。

/s server1
/s server2
/cm cciipx
/f \orders\* /s server3
/cm ccitcp /s server3
/f \accounts\payroll.dat
/f \transport\delivery\*

この例の各行について説明します。

1 行目

/s server1

この行では、 server1 をデフォルトの Fileshare サーバの 1 つに指定します。

この Fileshare サーバでは、ファイルの格納場所として特定の Fileshare サーバ (4 行目を参照) やローカルマシン (6 行目 と 7 行目を参照) を指定していないファイルを検索します。 複数のデフォルトの Fileshare サーバを指定した場合 (2 行目 を参照) は、構成ファイルに定義されている順番にしたがって Fileshare サーバを検索します。 この例では、 server1server2 の前に検索します。

2 行目

/s server2

この行では、 server2 もデフォルトの Fileshare サーバに指定します。ファイルの格納場所として特定の Fileshare サーバ (4 行目を参照)やローカルマシン (6 行目と 7 行目を参照) を指定していないファイルにアクセスする場合は、この Fileshare サーバは Fileshare サーバ、 server1 の後に検索します。

3 行目

/cm cciipx

この行では、CCIIPX をデフォルトの通信プロトコルに指定します。特定の CCI プロトコル (1 行目と 2 行目を参照) を指定していない Fileshare サーバに Fileshare クライアントが要求を送信する場合は、CCIIPX が使用されます。

4 行目

/f \orders\* /s server3

この行では、FHRedir が、文字列 \orders\ で始まる名前のファイルに対するアクセスをすべて Fileshare サーバ server3 へ送信するように指定します。

5 行目

/cm ccitcp /s server3

この行では、Fileshare サーバ server3 と通信する場合に使用する通信プロトコルとして ccitcp を指定します。この場合、 ccitcp は、Fileshare クライアントの構成ファイルで指定されているデフォルトの CCI プロトコルより優先されます (3 行目を参照)。

6 行目

/f \accounts\payroll.dat

この行では、ファイル、 \accounts\payroll.dat を Fileshare クライアントマシンにあるローカルファイルとして指定します。Fileshare クライアントは、呼び出し可能ファイルハンドラのローカルコピーを使用してこのファイルにアクセスします。

7 行目

/f \transport\delivery\*

この行では、文字列 \transport\delivery\ で始まるファイル名をもつすべてのファイルをローカルファイルとして指定します。

3.2 サーバの構成

この項では、使用可能なすべての Fileshare サーバの構成オプションについて説明します。 サーバ名を指定する /s オプションは、必ず記述する必要があります。その他のオプションはすべて、必要に応じて指定するか、または、後述のように指定されたデフォルト値を使用します。


注:


サーバの構成オプション
指定内容

/s server-name
Fileshare サーバがネットワークで登録している名前を指定します。 これは 16 字までの文字列です。最大長は、使用する CCI プロトコルによって異なります。 指定する名前は固有のものでなければなりません。 同じサーバ名をもつ Fileshare サーバがすでにネットワークに登録されている場合には、エラーが返されます。

/d database-reference-file
Fileshare サーバが使用するデータベース参照ファイルの名前を指定します。 データベース参照ファイルは、使用する Fileshare の追加機能を決定します。 『データベースの一貫性』 の章にある 『データベース参照ファイルのメンテナンス』 の項を参照してください。
/t timeout-period
レコードロックをタイムアウトにする制限時間を設定します。Fileshare クライアントがレコードをロックしてから経過した時間がこの値を超えると、Fileshare サーバはすべてのレコードロックを解除し、完了していないトランザクションをロールバックします。タイムアウト時間は秒単位で指定します。デフォルト値は 60 秒です。値、 0 を指定すると、タイムアウトが無効になり、レコードロックの解除はアプリケーションプログラムで制御されます。有効値は、0 から 99999 までです。タイムアウトが発生するのは、 別の Fileshare クライアントがロックしている現在のレコードに対して、 ある Fileshare クライアントがアクセス要求した場合のみです。 『データベースの一貫性』 の章にある 『自動レコードロックのタイムアウト』 の項を参照してください。
/m record-size
Fileshare サーバが処理する最大レコードサイズを指定します。 デフォルト値よりも 小さな値 を指定すると、実行時に Fileshare サーバが必要とするメモリの量が少なくてすみます。 レコードサイズ は KB 単位で指定します。 有効値は、16 から 64 までです。16 未満の値を指定すると、Fileshare サーバは 16K のバッファサイズを使用します。 64 より大きな値を指定すると、Fileshare サーバは 64K のバッファサイズを使用します。

/cm cci-protocol
Fileshare サーバが使用できる CCI プロトコルを指定します。この Fileshare サーバに要求を送信するために使用する各通信プロトコルごとに、このオプションを繰り返し指定します。cci-protocol の有効値は次のとおりです。

Windows
ccinetb
ccitcp
cciipx

UNIX
ccitcp
ccinampu

/pf password-file
Fileshare サーバが使用するパスワードファイルの名前を指定します。詳細は、 『セキュリティ』 の章を参照してください。
/tr f
起動時に、Fileshare サーバのトレースオプションをアクティブにします。トレースメッセージは、画面に表示されると同時に、Fileshare サーバの現在のディレクトリ の fsscreen.lst というファイルに書き込まれます。このオプションは Fileshare サーバの性能に重大な影響を与えるため、問題を調査する場合以外は、使用しないようにします。詳細は、 『高度な操作』 の章にある 『Fileshare のモニタ』 の項を参照してください。
/wd working-directory
起動時に Fileshare サーバが変更するディレクトリ を指定します。このオプションは、Fileshare サーバを Windows NT のバックグラウンドサービスとして実行する場合にのみ使用します。詳細は、『高度な操作』 の章にある 『Windows NT サービスとしての Fileshare の実行』 を参照してください。

UNIX
-b working-directory

Fileshare サーバをバックグラウンドプロセスとして実行することを指定します。詳細は、 『UNIX で使用する Fileshare』 の章を参照してください。

 

3.2.1 サーバ構成ファイルの例

この例では、通常の Fileshare サーバの構成ファイルを示します。

/s mainsrv
/cm cciipx
/d dbase1.ref 
/t 120
/pf \pass\passwd.fil

この例の各行について説明します。

1 行目

/s mainsrv

この行では、ネットワークに登録するこの Fileshare サーバの名前として mainsrv を指定します。Fileshare クライアントは Fileshare サーバに要求を送信するとき、この名前を指定しなければなりません。

2 行目

/cm cciipx

この行では、Fileshare クライアントがこの Fileshare サーバに対する要求送信に使用できる通信プロトコルの 1 つとして cciipx を指定しています。

3 行目

/d dbase1.ref 

この行では、Fileshare サーバが使用するデータベース参照ファイルとして dbase1.ref という名前のファイルを指定します。

4 行目

/t 120

この行では、自動レコードロックのタイムアウト時間を 120 秒に指定します。

5 行目

/pf \pass\passwd.fil

この行では、Fileshare パスワードセキュリティ機能を有効化し、 有効なユーザ ID とパスワードを含むパスワードファイルとして \pass\passwd.fil を指定します。


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