移行準備のために使用される HCOSS ツールは、スキーマ抽出ファイルと呼ばれるデータに依存します。このファイルには、移行するデータベース・スキーマに関する、DB2 システム・カタログから抽出されたメタデータが含まれます。DB2 データベースから SQL Server データベースへの移行準備の最初のステップとして、Extract Schema ツールを使用してこのファイルを作成します。このツールは、HCOSS ユーザ・インターフェイスから、または MFExtractSchemaInfo コマンドを使用してコマンド・ラインから実行することができます。
スキーマ抽出処理
Extract Schema ツールは、実際にデータの移行を開始する前にメインフレームにアクセスする必要がある、唯一の HCOSS ツールです。このツールは、SYSIBM スキーマ内の次の DB2 カタログ・テーブルから、選択したスキーマのデータを抽出します。
オブジェクト・タイプ
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DB2 システム・カタログ・テーブル
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テーブル、エイリアス、同義語、列、シーケンス
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- SYSTABLES
- SYSCOLUMNS
- SYSSEQUENCES
- SYSSYNONYMS
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索引
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ルーチン、パラメータ
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制約 (リレーショナル、チェック、キー)
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- SYSCHECKS
- SYSCHECKDEP
- SYSCHECKS2
- SYSCONSTDEP
- SYSTABCONST
- SYSKEYCOLUSE
- SYSRELS
- SYSFOREIGNKEYS
- SYSSEQUENCESDEP
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ビュー
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注:メインフレームにアクセスするために使用するユーザ ID とパスワードの組み合わせには、DB2 システム・カタログ・テーブルへの読み取り権限が付与されている必要があります。すべての必要なテーブルのリストについては、
『必要な DB2 カタログ・テーブル』を参照してください。
Extract Schema ツールは、次の操作を行ってスキーマ抽出ファイルを作成します。
- DB2 データベースに接続します。
- DB2 データベース内の使用できるスキーマのリストを要求します。
- 使用できるスキーマのリストを、ツールに入力します。
- 移行のための特定のスキーマの選択を可能にします。
- スキーマ内の各テーブルについて、予測テーブル行数または実際のテーブル行数の選択を可能にします。
- 選択したスキーマ内のオブジェクトの表現が含まれた XML ファイルを生成します。これには、次のようなものがあります。
- 依存テーブルまたはビュー、および別のテーブルの外部キーから参照されているテーブルなどの依存オブジェクト
- SQL Server 2008 で同じスキーマ・オブジェクトを作成するために必要なパラメータ値
- 結果をレポートします。
スキーマ抽出ファイルの変更、エクスポート、インポート
スキーマ抽出ファイルを作成したら、Schema Extract ツールを使用して、そのファイルを変更、エクスポート、インポートできます。エクスポートおよびインポート機能では、複数のユーザとスキーマ抽出ファイルを共有したり、移行に関する問題をトラブルシューティングする際に、Micro Focus SupportLine に提供したりできます。
セキュリティ
Extract Schema による処理中のカタログおよびメインフレームへのアクセスに関して、2 種類のセキュリティ実装方法を用意しています。
- カタログのセキュリティ
- カタログのセキュリティが懸念される場合は、SYSIBM DB2 カタログ・テーブルのビューを含むスキーマを追加で作成することを検討してください。こうすることで、Extract Schema ツールのユーザは新しいスキーマから抽出することが可能になるため、カタログ・テーブル本体へのクエリによるアクセスは不要になります。カタログのセキュリティが懸念されない場合は、Extract Schema ツールを実行するすべてのユーザは、SYSIBM スキーマ内の必要な DB2 カタログ・テーブルにクエリでアクセスする必要があります。
- メインフレームのセキュリティ
- メインフレームへのアクセスを 1 人または 1 台のシステムに制限している場合、 Schema Extract ツールのエクスポートおよびインポート機能を使用すれば、メインフレームへのアクセスを許可しなくても、別のユーザがスキーマ抽出ファイルにアクセスできるようにすることができます。
HCOSS は、生成されたスキーマ抽出ファイルを、データベース移行処理の次のステップ (移行する特定のテーブルおよびビューのリストの定義) で使用します。