チュートリアル：アプリケーションの移行 - 機能エミュレーションの追加

要件

Eclipse プロジェクト

このチュートリアルで使用する Eclipse プロジェクト には、ネイティブ COBOL プロジェクトの FunctionEmulation プロジェクトが含まれています。

第 1 段階：ユーザ定義関数の作成

1. SQL Server Management Studio を起動し、HCO_Test データベースを選択します。
2. FunctionEmulation.sql ファイルを探して開きます。このファイルは %PUBLIC%\Documents\Micro Focus\Enterprise Developer\Samples\Mainframe\SQL\hcoss\FunctionEmulation ディレクトリにあります。

   このファイルには、例題コードに必要なユーザ定義の数学関数を作成するスクリプトが含まれています。

3. [Execute] をクリックします。
4. Object Explorer から、[HCO_Test > Programmability > Functions > Scalar-Valued Functions] を展開して選択し、[Refresh] をクリックしてフォルダを更新します。これで、新規作成された関数が表示されます。

第 2 段階：Enterprise Developer および HCO for SQL Server の起動

Enterprise Developer ツールおよび HCOSS for SQL Server ツールが既に実行している場合は、この段階をスキップしてください。

1. [Start > All Programs > Micro Focus Enterprise Developer > Enterprise Developer for Eclipse] の順に選択して、Enterprise Developer を管理者として起動します。
2. Eclipse IDE から、[Run > Tools > HCO for SQL Server] の順にクリックします。

第 3 段階：HCOSS の関数マッピング

1. HCO for SQL Server インターフェイスから、[Customize SQL Name Mappings] をクリックします。
2. グリッドの下部までスクロールして、最初の空のセルをダブルクリックして編集可能にします。次の情報を該当する行と列に入力し、それぞれに対応する [Is Function] ボックスをオンにします。

   DB2 関数 / 特殊レジスタ	SQL Server での対応先
   atanh	dbo.atanh
   cosh	dbo.cosh
   sinh	dbo.sinh
   tanh	dbo.tanh

3. [Save] をクリックして接続をマッピングします。

第 4 段階：ネイティブ・アプリケーションの分析、ビルド、バインド

ネイティブ・アプリケーションの分析

1. Eclipse IDE から、[File > Import] をクリックします。
2. [General] を展開し、[Existing Projects into Workspace] を選択して、[Next] をクリックします。
3. [Set root directory] を選択し、%PUBLIC%\Documents\Micro Focus\Enterprise Developer\Samples\Mainframe\SQL\hcoss\FunctionEmulation ディレクトリを参照して、[OK] をクリックします。
4. [Projects] リストで、[FunctionEmulation] をオンにします。
5. [Copy projects into workspace] をオンにします。
6. [Finish] をクリックします。Eclipse はプロジェクトをロードし、それを自動的にビルドします。
7. COBOL Explorer から、[FunctionEmulation > COBOL Programs] を展開し、[FunctionEmulation.cbl] ファイルをダブルクリックして内容を表示します。ユーザ定義の関数を参照する EXEC SQL 文に特に注意してください。
8. コード・エディタを閉じます。
9. [FunctionEmulation] プロジェクトのプロジェクト・プロパティを開きます。
10. [Micro Focus > Project Settings > COBOL] の順に展開し、[SQL Settings] を選択します。いくつかの OpenESQL コンパイラ指令が既に設定されています。次の表に、それぞれの概要を示します。

    SQL(TARGETDB=MSSQLSERVER)	ターゲット・データベースは SQL Server です。
    SQL(DB=HCODemo)	SQL Server 接続名は HCODemo です。
    SQL(DIALECT=MAINFRAME)	HCOSS データベース構文変換を有効にします。
    SQL(DBRMLIB)	EXEC-SQL コマンドを抽出し、データベース要求モジュール (DBRM) に置きます。
    SQL(INIT)	データベース接続を開始します。
    SQL(NOCHECK)	SQL のコンパイル時検証は実行されません。

ビルド後のイベントの定義

1. [Properties] ウィンドウで、[Micro Focus > Build Configurations > Events] を展開します。
2. [Post build event command line] フィールドに次のコマンドを入力します。

   DSN SYSTEM(HCODemo) @"FunctionEmulation.hcodsn"

   このコマンドは DSN バインド・ユーティリティを呼び出し、使用する SQL データベース接続を指定し、バインド・スクリプト・ファイルの場所と名前を提示します。Eclipse はアプリケーションのビルドの直後にこのイベントを実行し、その時点でアプリケーションを自動的にバインドします。

3. [OK] をクリックします。Eclipse はネイティブのアプリケーションを自動的にビルドします。

バインド・スクリプト・ファイルの内容の表示

• COBOL Explorer から、FunctionEmulation.hcodsn を開いて内容を検証します。バインド・スクリプト・ファイルには、FunctionEmulation メンバを FunctionEmulation という名前のプランにバインドする BIND PLAN コマンド 1 つが含まれています。

結果の検証

1. Microsoft SQL Server Management Studio を使用して、SQL Server インスタンスに接続します。
2. Object Explorer で、[Databases > HCO_Test > Programmability > Stored Procedures] の順に展開し、パッケージとプランを実行したとき HCOSS により作成されたストアド・プロシージャを確認します。
3. 名前の一部に PLN を含んでいるストアド・プロシージャを開きます。

   この中に、ユーザ定義関数を呼び出すアプリケーション・コードが表示されます。

第 5 段階：ネイティブ・アプリケーションの実行

1. COBOL Explorer から、FunctionEmulation.cbl ソース・ファイルを開きます。
2. if sqlcode = 0 を含んでいる行にブレーク・ポイントを設定します。
3. [Run > Debug] をクリックしデバッグを開始します。
4. [Debug As] ダイアログ・ボックスの指示が表示された場合は、[COBOL Application] を選択し、[OK] をクリックします。
5. [Debug] パースペクティブを開く指示が表示されたら、[Yes] をクリックします。
6. [Resume] をクリックしてブレーク・ポイント設定を続行します。

出力から、結果がユーザ定義の関数によって実行された計算であることがわかります。