次の図は、単一の MSS 対 CICS 接続を示します。この双方向接続を実現する MFA サーバ構成の文を図で強調表示しています。MSS と CICS に対応する構成要件が存在すること、および構成全体が TCP/IP スタックと VTAM SNA サーバによって提供される通信インフラストラクチャに依存していることに注意してください。
ES/MSS は Windows プラットフォームまたは UNIX プラットフォーム上で動作し、TCP/IP 通信によって z/OS システムに接続します。他のソフトウェア要素は、z/OS プラットフォーム上に存在します。MFA サーバは z/OS 上で動作し、ミドルウェアとして機能することにより、ES/MSS と CICS システムの間を透過的に接続します。MFA サーバは通常は CICS と同じ z/OS システムにインストールされますが、必ずしもそうする必要はありません。MFA サーバと CICS の間の接続には標準の CICS ISC LU6.2 プロトコルが使用され、MFA サーバと CICS を SNA ネットワーク上の異なるシステムに存在させることが可能です。ES/MSS と MFA サーバは、ソケット・リスナを起動し、ソケット接続要求を受信および発信することによって、TCP/IP ネットワークに参加します。CICS と MFA サーバは、VTAM ア セス方法制御ブロック (ACB) を作成して開き、LU6.2 会話を割り当てて管理することによって、論理ユニット (LU) として VTAM SNA ネットワークに参加します。
MFA サーバの構成は簡単です。構成には大きく分けて 3 つのパートがあり、図で 1 ~ 3 の番号が付いています。パート 1 は、単純な有効化の文です。パート 2 は、z/OS CICS システムを定義し、このシステムに VTAM SNA 接続するために必要な情報を提供します。パート 3 は、ES/MSS システムを定義し、このシステムに TCP/IP 接続するために必要な情報を提供します。これらの文はすべて、MFA サーバの <hlq>.CNTL データ・セットの PARMS メンバ (パート1) と SERVERS メンバ (パート 2 とパート 3) で参照できます。ここに示したのは、そのデータ・セットの実際のサンプルの ES/MSS と CICS の定義です。構成要件を理解し、使用しているシステムに適した値を決定したら、テキスト・エディタを使用してサンプル定義をそれらの値で更新し、構成を完了します。MFA サ バ定義では、プリプロセッサや構成ユーティリティは使用しません。また、MFA サーバを再起動すると、構成情報は失われます。したがって、MFA サーバを起動するたびに、スタートアップ中に現在の定義が読み取られ、処理された後、有効化されます。テスト中に変更が必要になった場合は、単純に構成文を更新して MFA サーバを再起動するだけです。
この後のサブセクションでは、ES/MSS - CICS 接続のために必要なカスタマイズについて説明します。説明では、MFA サーバ・インストールで提供されるサンプル定義を参照します。今回初めて ES/MSS 構成を実行する場合、サンプル定義を説明に従って更新すると、手間がかかりません。