バーチャル モダナイゼーション フォーラム 2021
開催レポート

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ビジネス価値の源泉となるアプリケーションは、
使い続けることこそが最もスマートな変革

ITモダナイゼーションの現実的なアプローチは、ポートフォリオに合わせてアプリケーション戦略を立案・実行することにある──。10月8日(金)、マイクロフォーカス合同会社は「バーチャル モダナイゼーションフォーラム2021」を開催。セッション構成は大きく二部からなり、前半は、マイクロフォーカス合同会社が段階的なアプリケーションモダナイゼーションを提案するとともに、当社最新製品利用による具体的なモダナイゼーション技術を披露。後半は、当社パートナー企業が次々登場し、成功を収めた大規模モダナイゼーション事例を紹介した。

冒頭、挨拶に登場したMicro Focus President APJ, Stephen McNultyは、まず視聴への感謝を述べ、マイクロフォーカスが40年以上にわたり世界のITモダナイゼーションを支援してきたことに言及した。そして、本フォーラムで届けるマイクロフォーカスの最新テクノロジーや日本でのケーススタディが、視聴者にとって有用な情報であることを確信するとともに、今後も新旧テクノロジーの間に橋をかけ続けることで顧客を支援していくと力強く語った。
Micro Focus President APJ, Stephen McNulty

Micro Focus President APJ,
Stephen McNulty

Session1 既存資産のモダナイゼーションが、リスクの回避とコスト最適化をもたらす

Session1に登壇したのは、マイクロフォーカス合同会社コンサルタント 小林純一。「DXを実現するモダナイゼーションソリューション」と題して、海外および日本のモダナイゼーション最新動向や基幹システムのクラウド移行、DXを実現するテクノロジーについて解説した。

企業にとってDXの対象となるアプリケーションポートフォリオは多岐にわたり、それぞれ個別にアセスメントを行って戦略を立案しなければならないと小林は主張する。存続させる理由がなくなったアプリケーションはリタイア、特質のないアプリケーションはパッケージにリプレースといった具合だ。一方、現時点でビジネス価値を生み出しているコア アプリケーションはより慎重なアセスメントが必要だ。価値は高いがコストがかかっている、現在の価値をさらに高めたい、というならモダナイゼーションの対象だ。
現在、世界の企業が注目しているモダナイゼーションにクラウド活用がある。マイクロフォーカスのテクノロジーを活用すれば、リホストによって「クラウド対応」が、また、COBOLビジネスロジックのREST API化で「クラウド最適化」、マネージCOBOLによるアプリケーションサーバー運用で「クラウドネイティブ化」が実現。このような段階的なステップで、価値ある既存アプリケーションを最新環境に適応させることが可能だと訴求した。
マイクロフォーカステクノロジーによるクラウド活用の3ステージ

マイクロフォーカステクノロジーによる
クラウド活用の3ステージ

Session2 クラウド活用の3つのステージを実現するマイクロフォーカス最新ソリューション

続くSession2では、具体的にどのように「クラウド対応」「クラウド最適化」「クラウドネイティブ化」を実現するかデモを交え解説しつつ、発表まもない最新版COBOL製品・エンタープライズ製品を披露した。

最初に登場したCOBOL事業部 技術部 朝日宣文が紹介したのは、COBOLビジネスロジックのREST API化とマネージCOBOLとクラウドサービス連携だ。既存COBOLロジックを他のシステムから活用したいというようなとき、これをCOBOL専用のアプリケーションサーバーであるEnterprise Server上に載せれば、REST APIとしてアクセス、実行することができる。
COBOLビジネスロジックのREST API化で「クラウド最適化」

COBOLビジネスロジックのREST API化で
「クラウド最適化」

送受信されるデータの変換やマッピングに関しても、Visual COBOLのIDE利用で、マッピング定義の作成、サービス登録、テストプログラムの作成といった一連の流れをIDE上で実施できる。また、マイクロフォーカスのCOBOL製品では、コンパイラ機能により既存COBOLプログラムを直接Javaバイトコード、.NETの共通中間言語であるCILコードに生成できる。「これにより、クラウドが提供するサービスと既存COBOLプログラムを戦略的に連携させながら活用できる」と朝日は強調した。

続いて、COBOL事業部 技術部 高橋桂子は、エンタープライズ製品を紹介。Enterprise Serverは、COBOL製品の全機能に加え、IBMメインフレームのJCL、CICS、IMS機能をエミュレートできる機能を有し、クラウド環境においてもこれらの機能を稼働させることができる。また、コンテナ型仮想化を利用した実行環境を構築することも可能で、まさに「クラウド対応」を現実のものとする。
開発環境製品のEnterprise Developer と Visual COBOL の最新バージョン7.0では、従来のEclipse、Visual Studioに加え、軽量で高速なVisual Studio CodeもCOBOL拡張機能を導入することでIDEとして利用可能になった。セッションでは、データメンテナンスに便利なデータファイルツールなど最新機能を実際にデモして見せた。
マイクロフォーカス エンタープライズ製品の機能

マイクロフォーカス
エンタープライズ製品の機能

Session3 成功をおさめた大規模モダナイゼーション事例をパートナー企業が紹介

Session3には、マイクロフォーカス製品でみごとモダナイゼーションに成功した、大規模な国内事例が集合した。

キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は、旧住友金属工業時代にメインフレーム開発・運用経験を蓄積、また長年にわたりマイグレーション専門組織として多くの案件からノウハウを獲得してきた。同社がセッションで最も時間を割いたのは、沖縄電力株式会社の事例だった。沖縄電力は、1976年からNEC メインフレームで基幹システムを動かしてきた。過去には他言語へのリライトを検討したが、期間・費用がマッチしなかったためマイグレーションに方針転換した。
今回、キヤノンITSは2度のPoCで顧客の信頼を勝ち取り、第四世代言語プログラム3,000本、JCL6,000本という大規模システムのモダナイゼーションをゴールに導いた。発表者 戸村浩明氏は、今後の展開として「脱COBOLが話題に上っているが、これは習得容易な言語。適材適所に残し、他の言語と組み合わせて共存させていくのがよい。まずは、安全で確実な Micro Focus COBOL へ移行し、メンテナンス性を向上させる工夫を施せば、引き続き有効活用できる」と呼びかけていた。
沖縄電力基幹システムのオープン系システム移行に成功

沖縄電力基幹システムの
オープン系システム移行に成功

株式会社シーイーシー(以下、シーイーシー)では、IBM z/OSで稼働する大手証券会社メインフレームの資産をLinux サーバーへリホストするという案件を受注した。対象はバックエンドシステムで、COBOLで数百万ステップ、PL/I、アセンブラなどで数万ステップ、JCLで数万ステップという規模に上る。ソリューションとしてマイクロフォーカス製品が選ばれたのは、IBM メインフレームと互換性が高いこと、導入実績が豊富で、金融機関でも導入実績があり安心感があったこと、オープン系 COBOL として知名度が高く、今後の保守で技術者の確保がしやすいことが理由だった。
シーイーシーは、フロントシステムの保守ベンダーで業務を熟知。担当した角茂昭氏らは事前検討工程を重視するなど地に足をつけた運びでプロジェクトを主導。不要資産の棚卸で COBOLを21%削減しただけでなく、PL/I、アセンブラ、EASYといった資産を COBOL へ変換して未来のエンジニア確保に備えるなど、重要なメリットも数多くもたらした。
大手証券会社でマイクロフォーカス製品が選ばれた理由

大手証券会社でマイクロフォーカス製品が
選ばれた理由

最後は、株式会社エクサによるみずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社(旧みずほ情報総研株式会社、以下、MHRT)のリホスト事例だ。移行対象はMHRTが開発・運用を担っている、1,000社以上の企業向け給与計算代行サービス「FX Ware® 給与計算アウトソーシングサービス」。移行資産は、IBM z/OS上のCOBOL 5,629本、アセンブラ103本、JCL 5,683本。MHRTの掲げた移行要件が、新システムの安定稼働、人材・ノウハウの継承、そして、運用コスト半減、機能性向上、エコシステムの実現であったことから、マイクロフォーカス製品が基盤に採用された。
株式会社エクサは、マイクロフォーカス製品を活用した大規模システムのマイグレーション経験があり、かつ同様の給与計算システムのマイグレーション経験からパートナーに選ばれた。プロジェクトは実質1年半で本番稼働を実現。小川智愛氏は、成功要因として事前検証や資源のスリム化、テスト自動化、顧客の協力などがあるとし、マイクロフォーカス製品で非互換部分を極小化できたことも大きかったと分析していた。
みずほリサーチ&テクノロジーズが掲げたマイグレーション要件

みずほリサーチ&テクノロジーズが
掲げたマイグレーション要件

<プログラム>

Session1:DXを実現するモダナイゼーションソリューション

Session2:マイクロフォーカスのソリューション・最新製品紹介

Session3:モダナイゼーションソリューション ユーザー事例のご紹介

  • 「最新事例を含む3社のマイグレーション成功事例ご紹介」
    キヤノンITソリューションズ株式会社様
  • 「大手証券会社様におけるメインフレームのリホスト事例」
    株式会社シーイーシー様
  • 「みずほリサーチ&テクノロジーズ様(旧みずほ情報総研様)におけるリホスト事例」
    株式会社エクサ様