SOMPOシステムズ株式会社

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保険代理店システム「SJNK-NET」基盤の移行プロジェクト
安定性と上位互換性を評価しMicro Focus Visual COBOLを選択

SOMPOホールディングスの戦略的IT企業であるSOMPOシステムズ株式会社では、基幹業務システムの一つとして保険代理店システム「SJNK-NET」を提供しています。同社では次世代の損保基幹システムを再構築する未来革新プロジェクトが進行、その本格的な開発着手を前に「SJNK-NET」基盤を迅速かつスムーズに更改する必要がありました。
「SJNK-NET」は35,000を超える代理店が利用する重要なシステムで、2002年のリリース以来、機能拡張や最適化など何度も大規模改修が行われてきました。当初よりMicro Focus製品を利用いただいており、今回の基盤移行ではVisual COBOLを選択、2018年のシステム更改に向け準備が進められています。

The Overview

「保険の先へ、挑む。」をブランドスローガンに、より多くの顧客に「安心・安全・健康」に資する最高品質サービスを提供しているのがSOMPOホールディングスです。この活動をSOMPOグループの戦略的IT企業として支えているのがSOMPOシステムズ株式会社で、グループの展開する国内損保事業、国内生保事業、介護・ヘルスケア事業、海外保険事業という4つの事業分野において、ICT技術を駆使しながら力強く支援しています。

2016年4月からスタートした中期経営計画では、新経営基本方針“Our Way”を発表しました。同社はここで、SOMPOホールディングス事業環境およびIT潮流が激しく変化する中にあってもそれに即応可能なゆるぎない理想を高く掲げ、常にクオリティの高いITソリューションとITサービスを提供、顧客に最大の付加価値を提供することを明言しています。

The Challenge

2000年代に入ってから、同社は基幹業務でのプログラム利用を効率化するため、全社レベルで分散環境プラットフォームにおけるアプリケーション構築フレームワークを確立しました。プログラムを、フローコントロールロジック、プレゼンテーションロジック、ファサードビジネスロジック、ビジネスロジック、データアクセスロジックとレイヤーに分類、提供するチャネルごとに、新規開発が必要なパート、守るべき資産として幅広く再利用するパートを区分しました。中でも重要なのがビジネスロジック部分です。ここでは、ホスト上で構築された検証済みのCOBOLプログラムがオブジェクト化され、COBOL再利用基盤として導入されたMicro Focus Net Expressにより分散環境システム上でそのまま活用されてきました。

同社基幹システムの一つである保険代理店システム「SJNK-NET」でも部品化されたCOBOLプログラムをCOM化して利用しています。Windows OSベースのWebアプリケーションシステムで、2002年のリリース以来、機能拡張や最適化など何度も大規模改修が行われてきました。

「SJNK-NET」は、保険料計算、申込書作成、ダイレクト計上、事故報告、顧客管理、代理店掲示板など、代理店が業務を行うために必要な機能を備えた重要なシステムで、35,000を超える保険代理店に提供されています。約款などの変更によりビジネスロジックは頻繁にアップデートが必要で、代理店チャネルを担当するホストチームと分散環境チームが、密接に連携してCOBOLプログラムをメンテナンスしています。

同社では、2015年より次世代の損保基幹システムを再構築する未来革新プロジェクトが進行しています。これについて、SOMPOシステムズ株式会社 ITシステム本部 オンライン基盤グループ統括担当 部長 進藤誠氏は次のように語ります。

「このプロジェクトは、これまでのチャネル別システム開発体制の全面統合を主たる目的としており、開発生産性向上や商品開発スピードアップ、コスト削減を狙っています。これに本格的に着手する前に立ち上げたのが『老朽化対応プロジェクト』で、現行システムのハードウェア、OSを始めとするソフトウェア環境を最新バージョンに移行するものです」

もちろん「SJNK-NET」も例外ではありません。セキュリティ強化上も重要な施策であるため、できるかぎり迅速かつスムーズな移行が目指されました。

進藤誠氏

SOMPOシステムズ株式会社
ITシステム本部
オンライン基盤グループ統括担当
部長 進藤誠

SJNK-NETの仕組み

アプリケーションレイヤー構成

The Solution

同社でのMicro FocusのCOBOL製品利用開始は1990年代にまでさかのぼります。「SJNK-NET」では2002年のリリース時よりMicro Focus Net Expressを活用いただいており、現在このツールはインフラとして定着しています。今回の「老朽化対応プロジェクト」では“アプリケーションに影響を及ぼさず、トラブル発生を最小限に抑えこむ”“インターフェイスを変えない”ことが優先とされました。そして、その観点からCOBOL再利用基盤として選択されたのが、Micro Focus Visual COBOLです。進藤氏は次のように語ります。

「OSをWindows Server 2012に上げるのが主たる作業ですが、これによって影響を受ける範囲は幅広く、ハードウェア、データベースなどいろいろな点に気を配らなければなりません。COBOL環境に関してはそうした心配が要らない、安定性の高いものを選びたく、Micro Focus Visual COBOLであれば、歴代のCOBOL規格に忠実に作られており、上位互換性も保証されているため、問題なく移行できるだろうと考えました」

同氏の発言どおり、Visual COBOLのCOBOLコンパイラーは Net Expressのコンパイラーからの高い上位互換性を持っており、ほとんどの既存アプリケーションは再コンパイルするだけで移行することが可能です。

「SJNK-NET」に長年携わってきたSOMPOシステムズ株式会社 システム統括本部 テクニカルグループ テクニカルリーダー 小路智広氏は語ります。

「当社は早くからアプリケーション構築フレームワークを確立し、COBOLプログラムの部品化を推進してきました。Micro FocusのCOBOL製品は、COBOLプログラムのCOMコンポーネント化が容易にできますし、COBOL部品を集約したサーバーを構築し、保険料計算や保険商品の妥当性チェックなどの機能をWebサービスとして様々なチャネルに展開することも可能です」

さらに小路氏は「SOAで仮想化技術やクラウドと組み合わせることで、必要に応じ自由にスケールアウトすることもできます。将来的に部品化したCOBOLプログラムをグループ企業やさらに外部に提供したいと構想したときにも、セキュアにインターフェイスを提供することができるので、そこにも期待を持ちました」と続けました。

小路智広氏

SOMPOシステムズ株式会社
システム統括本部
テクニカルグループ
テクニカルリーダー
小路智広

The Result

「SJNK-NET」でのMicro Focus Visual COBOL適用は2017年1月、既存プログラムをリコンパイルするところから始まります。同年3月にフィジビリティスタディへ移行、2018年のゴールデンウィークに本番稼働を予定しています。小路氏は見通しを次のように語ります。

「すでにリリースノートや変更差分には目を通しており、この分ならスムーズに移行できるだろうと確信しています。『老朽化対応プロジェクト』のバックエンド側は、同じインターフェイス、同じ品質を保っていられることがとても重要で、Micro Focus Visual COBOLはその点を信頼しています」

「老朽化対応プロジェクト」では、サーバースペック向上によるシステムコスト最適化も見込まれています。また、その先ではアプリケーションのユーザビリティー向上やマルチデバイス対応も手がけるといい、保険代理店でのシステム操作性が大きく向上しそうです。

そして、今回の老朽化対応プロジェクトにより、未来革新プロジェクトへと駒を進める体制が整備されました。同社の目指す、より高い開発生産性で、よりスピーディーな商品提供を可能にするとともに、よりリーンなコスト構造の次世代の損保基幹システム構築がここから加速しようとしています。

Technical Keyword

COBOLをCOMコンポーネントとしてWebサーバーに実装
ホスト上ビジネスロジックの部品化・再利用による効率化

ユーザープロフィール

SOMPOシステムズ株式会社

本 社

東京都立川市

資 本 金

7,000万円

従 業 員 数

1,466名(2016年9月現在)

事 業 内 容

コンピュータおよび関連機器による情報処理サービスの受託業務
ソフトウェアの開発受託および販売業務 等

ユーザー事例(PDF版)

SOMPOシステムズ株式会社 (811KB)