FixPack は、Micro Focus が提供する実行可能ファイルです。製品の 1 つのコンポーネントの修正や更新に使用します。たとえば、Documentation FixPack はマニュアルを更新し、Compiler FixPack はコンパイラを更新します。FixPack は WebSync で提供されます。AddPack も同様ですが、修正ではなく、特別な機能を追加します。
FixPack または AddPack は、実行可能 zip ファイルです。WebSync からダウンロードした後、これらのファイルを実行してマシン上の製品を更新します。
または、インストール プロセスの最後にこれらのファイルが実行されるように、セットアップを構成することもできます。製品が CD-ROM ではなくハード ディスクに保存されるように、セットアップのファイルの 1 つを編集する必要があります。たとえば、製品をハード ディスクに xcopy するか、サーバー インストールを行い、クライアント インストールに適用する FixPack および AddPAck を追加します。
また、この機能を使用して、セットアップで独自のユーティリティを実行することもできます。
この機能を FixPack 機能と呼びます。
セットアップは、ファイル wrapper.ini の手順に従って行われます。このファイルは、インストール CD のルートにあります。サーバー インストールでは、クライアント インストール (トピック「サーバー / クライアント インストール」を参照してください) を実行するための wrapper.ini は cinstall ディレクトリに存在します。
FixPack、AddPack などのユーティリティを実行するようにセットアップを構成するには、wrapper.ini の [FixPacks] セクションを更新して、これらのファイルを実行するコマンドを追加します。構文と例を次に示します。
また、セットアップで [FixPacks] セクションだけを実行し、既存のインストールに更新を適用することもできます。この場合は、次のコマンドを使用します。
setup /fixpacks
この機能は、いろいろな方法で使用できます。
- 複数のマシンに適用する FixPack ユーティリティと AddPack ユーティリティの両方、または一方がある場合に、この機能を使用すると、すべてのマシンに同じ更新内容が適用されます。FixPack または AddPack がすでにインストールされているマシンにこれらのファイルを適用しても、単に無視されるだけで、悪影響はありません。
- 最新の FixPack と AddPack をすべて使用して wrapper.ini ファイルを最新の状態に維持している場合は、ユーザーが定期的に setup /fixpacks を実行して最新の FixPack と AddPack をすべて適用するように指示できます。
- この FixPack 機能をサイレント インストール機能とともに使用して、更新の適用をさらに自動化することもできます (トピック「サイレント インストール」を参照してください)。
[FixPacks] セクションで使用できるコマンドは、次のとおりです。
Filen=filename |
n は整数であり、filename は実行可能ファイルの完全パスとファイル名です (.exe、.bat など)。これによって、セットアップはファイルを実行します。実行可能ファイル名の後に、スペースで区切ってパラメータを指定できます。 |
Textn=text |
n は整数です。n に一致する Filen コマンドの実行中に表示するテキストを指定します。 |
Directory=path |
path はディレクトリの完全パスです。これによって、セットアップは指定したディレクトリにあるすべての実行可能ファイル (.exe、.bat など) を実行します。 |
Text=text |
Directory コマンドの実行中に表示されるテキストを指定します。 |
備考:
- クライアント インストールの場合は、これらのコマンドはユーザーのマシンで実行されますが、指定したパスは、通常、サーバー上のパスを指します。そのため、どのドライブ文字がユーザーに割り当てられるかが判明しない限り、UNC パスを使用する必要があります (つまり、サーバーと共有名を完全に指定します)。
- FixPack と AddPack の間には依存関係があるため、Directory ではなく Filen を使用して FixPack と AddPack が正しい順序で適用されるようにすることをお勧めします。特定の FixPack または AddPack が適用済みでなければ、適用できない FixPack と AddPack もあります。
- 実行可能ファイル名に指定したパスにスペースが含まれている場合は、それを引用符で囲む必要があります。また、パラメータがあるときは、コマンド行全体 ("=" の後) を引用符で囲む必要があります。どれかのパラメータにスペースが含まれている場合は、それを引用符で囲んでください。
- どのような順序で指定しても、Directory コマンドが (もしあれば) 最初に実行され、次に n の昇順で Filen コマンドが実行されます。Filen+1 コマンドがなければ、実行は Filen で終了します。コマンド File2、Directory、File1、File5、および File3 がある場合は、Directory、File1、File2、File3 の順に実行されます。File4 がないため、File5 は実行されません。
- Text または Textn コマンドで表示されるテキストは、次の Text または Textn コマンドによって置き換えられるまで画面に表示されます。Text または Textn コマンドを指定しない場合は、セットアップは最初の Directory または Filen コマンドの実行前に、デフォルトのテキスト「Installing additional FixPacks」を表示します。
次に、[FixPacks] セクションの例を示します。
[FixPacks]
Directory=¥¥server¥share¥updates
Text=Please wait, applying FixPacks
File1=¥¥server¥share¥doc00n31.exe
Text1=Applying Documentation FixPack
File2=¥¥server¥share¥cmp00n31.exe
Text2=Applying Complier FixPack
上記のように指定した場合は、製品のインストール後 (または setup /fixpacks を使用した場合) に、次のような処理が実行されます。
- 「Please wait, applying FixPacks」が表示されます。
- (WebSync から FixPack および AddPack をダウンロードした後に、FixPack および AddPack が格納されている) ¥¥server¥share¥updates にある実行可能ファイルがすべて実行されます。
- 「Applying Documentation FixPack」が表示されます。
- doc00n31.exe が実行されます。
- 「Applying Compiler FixPack」が表示されます。
- cmp00n31.exe が実行されます。
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