SOMPOひまわり生命保険株式会社は、お客さまの豊かな人生や夢の実現をサポートし、自分らしい人生を過ごせる社会を実現する「ウェルビーイング応援企業」への進化を目指す、顧客志向の生命保険事業者です。顧客向けシステム、代理店向けシステム、契約管理システムの3基幹系システムは、SPARC/Solaris上で稼働するオンプレミスシステムでしたが、システムコスト増大や将来対応力の観点からクラウド移行を決断しました。Amazon Web Services上への段階的移行で、NetCOBOL上に構築された既存COBOL資産を活かす方針のもと、統合開発環境 Rocket® Visual COBOL、実行環境 Rocket® COBOL Serverの採用を決定。決め手は、NetCOBOL からの移行を妨げない互換性の高さでした。すでに顧客向けシステムは2024年に移行完了しており、残る2システムもプロジェクトが進行中です。
SOMPOひまわり生命保険株式会社は、1981年に設立され、個人向け保険事業を中心にビジネスを展開しているSOMPOグループ企業です。パーパスは、「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」。同社は生命保険の価値を進化させ、人々の人生に寄り添う存在であり続けることを目指しています。また、「ウェルビーイング応援企業」をビジョンに掲げており、保険と健康を組み合わせたInsurhealth®(インシュアヘルス)の提供を通じて、「万が一を保障するだけでなく、万が一を可能な限りなくすこと」に挑戦しています。具体的に、保険契約後の顧客接点を重視し、デジタル・データ・AIの活用を通じて健康増進を支援しています。こうした取り組みから、現在500万件を超えるご契約者が同社の保険を通じて安心を手に入れています。
同社には、3つの基幹系システムが存在します。システム規模順(昇順)に、顧客向けシステム、代理店向けシステム、契約管理システムがそれらです。いずれも、従来は富士通のSPARCアーキテクチャで動作するSolarisベースのオンプレミスシステムとして稼働していました。それぞれにCOBOL資産を有しており、顧客向けシステムと代理店向けシステムのCOBOL資産の割合は約4割、契約管理システムでは9割に上ります。
3つのシステムは、5年ごとにハードウェア更改が行われており、直近は2022年度に実施されました。それでは2027年度の更改はどうするか。同社ITデジタル企画部では、2022年度から検討を開始し、次期は3つのシステムをすべてクラウドへ移行することを決断しました。本プロジェクト全体を統括する近藤 修氏は、その理由を次のように語ります。
「当社では、おかげさまで順調にお客様が増えている一方、その規模拡大に伴い、システムの維持コストが増大していました。くわえて、従来のオンプレミス環境では事業環境およびAIなど技術変化に対して柔軟に対応しづらいという課題もありました。特に、3つの基幹系システムは、OSやミドルウェア、文字コード体系など、ITインフラとしての構成要素について、近年のIT環境の変化に照らして見直しや最適化が必要な状況にありました。
こうした背景から、次期システムではクラウドへの移行を通じて、変動への柔軟な対応力を確保するとともに、ITの潮流に沿ったデファクトスタンダード化を進めたいと考えました。経営層には、長期にわたり安定稼働し、継続的な成長を支えるシステム基盤へと変革する取り組みである、と説明しました」

SOMPOひまわり生命保険株式会社
情報システム部 次期インフラ推進グループ
課長(グループ長)
近藤 修氏
プロジェクトは2023年度よりスタートしました。変更となる構成要素が多いことから、リスクヘッジのため、「変えなくてもすむものは変えない」という大きな移行戦略が立てられました。その最大の対象がプログラム言語環境でした。この方針のもと、NetCOBOLで稼働していた既存のCOBOL資産は従来どおり活用することとし、それを実現する環境として選定されたのが、統合開発環境Rocket® Visual COBOLと実行環境Rocket® COBOL Server(選定当時は、Micro Focus Visual COBOLおよびMicro Focus COBOL Server)でした。システム環境の選定を主導した川﨑 隆史氏は、選定の理由をこう述べています。
「当社では、あらかじめ製品情報からわかる非互換を『既知の非互換』、動作させてみて初めて分かる非互換を『未知の非互換』と定義しています。未知の非互換はモダナイゼーションプロジェクトにおいてQCDへの影響が非常に大きいため、今回のツール選定に当たっては未知の非互換の発生率を把握するために、まずPoCとして顧客向けシステムの一部機能をNetCOBOLから乗せ換えて現新比較を行いました。そこで未知の非互換はほとんど出ませんでした。また、これと並行して、当社のシステムで利用しているCOBOLの命令群を抜き出し、これも現新比較してみました。その結果、置き換えが必要な命令もあったものの、対処の難しい非互換はなかったため、Rocket® COBOL Serverが同等の役割を果たせると確信しました。
開発環境であるRocket® Visual COBOLについても、市場シェアの高さに加え、Java連携をはじめとする機能の充実度が評価され、最終的な選定を後押ししました。」

SOMPOひまわり生命保険株式会社
ITデジタル企画部 次期インフラ推進グループ
シニア・アプリケーションアーキテクト
川﨑 隆史氏
近藤氏は、川﨑氏を補足して次のようにコメントしました。
「AMCソフトウェアジャパンは、専業メーカーとしてセミナーの開催など活動が盛んです。COBOLの利用継続に関して最も意欲を持っているのではないでしょうか。使い続けるかどうかを考えるときに、こうした姿勢は非常に重要です。製品供給やサポートの不確実性は、無用な移行対応コストを発生させ、本来予定していた前向きな投資機会を損失させるリスクにつながります。そのようなリスクが低いという点も安心材料になりました」
2023年8月より、顧客向けシステムの移行プロジェクトが始まりました。COBOL資産に関しては、NetCOBOLとRocket®COBOL Server間の変換ツールを開発し、機械的な変換を進めました。ロジックに手を入れていないことから、単体テストよりシステムテストに多くの時間を割くことができ、1年3ヶ月という当初予定したスケジュールを遵守して、2024年11月はじめに移行を完了しました。以降、トラブルなく安定的に稼働しています。一方、代理店向けシステムと契約管理システムも現在移行プロジェクトが進んでおり、前者は2026年10月に、後者は2027年度に本稼働を予定しています。変換ツールの弛まぬブラッシュアップで変換効率の向上が図られており、先行した顧客向けシステムに比べて規模の大きいこれらのシステムにおいても、現実的な期間での移行実現に向けた見通しが立っています。
代理店向けシステムの移行プロジェクトでPMを務める柳沼 宏明氏はこう語ります。
「クラウドにリフトしたからといって、レスポンスが遅くなったり、使い勝手が悪くなるようでは元も子もないので、性能の維持に関しては特別に神経を使っています」
近藤氏は今回のRocket® 製品導入効果を次のように述べます。
「NetCOBOLからRocket® COBOL Serverへの移行においては、未知の非互換がほとんどなく、従来の開発手法やスキルをそのまま活かすことができました。そのため、言語面で新たな教育コストをかけることなくクラウド移行を実現できた点は、大きな利点だったと感じています。」
また、基幹系システム担当チームは、今回の移行でハードウェア更改という負荷の大きい業務からも解放されました。これで生まれた時間の使い方について、基幹系システム環境の企画・運用を担当する柳澤 健氏はこう発言します。
「運用をさらに洗練させたいという思いが常々あったのですが、この機会に自動化や効率化を大きく前に進めていこうと考えています」
柳澤氏とチームを組む山口 洋氏も同様の見解を示しています。
「今までは、人が受けつけたり、人が介入してOK/NGを出すというのが運用の流れでしたが、AIなどを採り入れてスピードを速めるといった未来を見据えており、すでに動き出しています。」
契約管理システムの移行プロジェクトでPMを務める拝島 佳樹氏は、AMCソフトウェアジャパンへの期待を次のように語りました。
「問題発生時のスピード感を期待しています。プロジェクトを進める上では、品質上の問題があれば速やかに解決を図りたく、それによってスケジュールの影響なく進めることを望んでいます。また、基幹系システムであることから、運用後も、業務継続に直結するため障害時における早期復旧が何よりも重要となります。」
同社において、COBOL資産は活き続けています。
「保険という商品は特性上、非常に息の長いものであり、メインフレーム時代に作られた計算モジュールが、現在も中核機能として現役で使われているケースが少なくありません。そうした実績ある資産を、機能や品質に問題がないにもかかわらず書き換えることは、必ずしも合理的な判断とは言えません。必要な部分を活かしながら使い続けられる点にこそ、COBOLの価値があると感じています」
このように語ったアプリケーション担当の天津 匡孝氏の言葉が強く印象に残りました。


SOMPOひまわり生命保険株式会社
情報システム部 次期インフラ推進グループ
チーフ・アプリケーションアーキテクト
柳沼 宏明氏

SOMPOひまわり生命保険株式会社
ITデジタル企画部 次期インフラ推進グループ
シニア・インフラストラクチャアーキテクト
柳澤 健氏

SOMPOひまわり生命保険株式会社
ITデジタル企画部 次期インフラ推進グループ
課長代理
山口 洋氏

SOMPOひまわり生命保険株式会社
ITデジタル企画部 次期インフラ推進グループ
課長代理
拝島 佳樹氏

SOMPOひまわり生命保険株式会社
ITデジタル企画部 次期インフラ推進グループ
課長代理
天津 匡孝氏


The Challenge
・顧客増に起因するオンプレミスシステムコストの増大
・技術の変化に照らしたIT構成要素の最適化が必要
The Solution
・ITインフラのデファクトスタンダード化をめざしたクラウドへの移行
・統合開発環境として Rocket® Visual COBOLを採用
The Results
・互換性の高さから効率的な移行が実現
・言語に関して教育コストが不要
・ハードウェア更改からの解放で、運用高度化を追求
本 社
東京都千代田区
資 本 金
172億5000万円
従 業 員 数
2,825名(2025年度末現在)
事 業 内 容
生命保険業