.NET Frameworkで実行されるアプリケーションのために、Net Expressは、編集・デバッグ・プロジェクト管理においてCOBOLをVisual Studioに統合しています。また、.NETFramework以外のWindowsやUNIX、Linuxで実行されるアプリケーションのために、アプリケーション開発ツールとウィザードがすべて完備された、先進のIDEを提供しています。強力なプロジェクト処理能力で編集、コンパイルおよびデバッグの工程が簡素化され、COBOLプログラマのニーズに合わせたエディタによってコードの変更が容易です。
Net Expressのコンパイラーは、以下のものを提供します。
それぞれのハードウェアプラットフォームでのピークパフォーマンスに合わせて最適化可能な、パフォーマンスの高いネイティブコード
既存アプリケーションのリホストを容易にする、広範囲なCOBOLダイアレクトのサポート
スタンドアロンPCから、マルチプロセッサのUNIXシステムにいたるまでの、スケーラビリティ※2
グローバルアプリケーションのためのUNICODEサポート
マネージドコードと検証可能なコードのマイクロソフト中間言語(MSIL)へのコンパイル
メインフレームCOBOL方言との互換性
オブジェクト指向COBOL(COBOL2002構文を含む)、およびCOBOL開発とデバッギングの完全サポート
※2.Linux/UNIXプラットフォーム用にはServer Expressが必要となります。
複合アプリケーションにコード変更が行われた場合、その後のテストによってその変更が実際に実行されたかどうかの検証が困難なことが多いものです。テストカバレッジユーティリティは、COBOL開発者によるアプリケーション変更のユニットテスト、ならびにQA部門での「ホワイトボックス」テストを支援します。テストカバレッジは単独または累積のプログラム実行に対して、COBOLプログラムの実行を1行ずつトレースして記録し、プログラム実行を表示したりテストされていないコードブロックを強調表示するテキストまたはHTMLレポートの作成を支援します。
Net Expressは、Windows環境で実行されるCOBOLアプリケーションの構築、再利用、拡張、分析、メンテナンス等において、高い生産性と豊富な機能を提供します。Net Expressにより、COBOLアプリケーションをMSIL(Microsoft Intermediate Language)にコンパイルし、マイクロソフト共通言語ランタイム上で実行することができます。
.NET Frameworkにアクセス可能なCOBOLアプリケーションが作成できるだけでなく、既存資産を.NET Frameworkで活用することもできます。また、Visual Studio2008と統合されたNet Expressは.NET Framework2.0,3.0,および3.5といった多様なバージョンに対応可能で、マネージドおよび実証済みのコードのCOBOLアプリケーションは32ビット/64ビットどちらのアプリケーションとしても実行できます。
Net Expressは、Visual Studio 2008との統合・拡張により、Visual Studioの操作性と使いやすさに加えCOBOLのパワーと有用性を活かします。その結果、以下のような戦略的な開発環境が実現します。
Visual Studioでの開発において、Visual Studio COBOLプロジェクトを簡単に作成・カスタマイズ・メンテナンスすることが可能
Net ExpressはVisual Studio 2008(Express Editionを除くすべてのEdition)にCOBOLサポートを追加可能
コンソールやWebアプリケーションのようなCOBOLアプリケーションの共通タイプ向けのCOBOLプロジェクトタイプを提供
Net Expressに新たに追加されたCOBOLテンプレートにより、アプリケーションとモジュールの開発にかかる時間を削減
Visual Studio クラスビュー機能を使ったCOBOLクラスブラウザ機能により、迅速に効果的なCOBOLオブジェクト指向開発が可能
Visual StudioでCOBOLアプリケーションを編集・デバッグする際のCOBOL言語の色分け表示やWatch Windows、ブレークポイントなど
「IntelliSense」サポートの拡張により、手続き型コードとオブジェクト指向コードの両方の開発支援をさらに促進
Visual StudioのIDEで、COBOL、Visual C#、Visual Basic .NETやその他の言語からなる混合アプリケーションをシームレスにデバッグ
Net Express は、ユーザーインターフェイスやビジネスロジック、データアクセスを含む完全な.NETアプリケーション作成のためのオプションを提供しており、最新の.NET GUIやWebユーザーインターフェイスをCOBOLで作成できます。Windows Presentation Foundation(WPF)アプリケーションを迅速に作成でき、Visual Studio 2008 WPFペインタを利用してCOBOL WPF Formをペイントします。
WPFフォームにより、2D/3Dグラフィックスやマルチメディア機能を含むCOBOLアプリケーションのルックアンドフィールを、宣言的なXMLベースの画面定義によって難しい手続きプログラミングを必要とせずにインターフェイスを定義する機能と、統合できます。Visual Studio Form Designerも、ペイントとCOBOL Windows Formsや Webform Screensを自動生成するために使用でき、その自動生成されたWindowsフォームはWPFアプリケーションで使うことができます。
オブジェクト指向ではない、既存の手続き型のCOBOLプログラムも、そのままの形で .NET Framework上で使用することができます。新たに導入された複数実行単位のサポートによって、クラスメソッドではない手続き型COBOLプログラムを、複数のインスタンスから同時に呼び出すことが可能となりました。これによって Webフォームや Webサービスのアプリケーションで、既存の COBOLロジックを容易に再利用することができます。さらに、単なる再利用にとどまらず、拡張されたオブジェクト指向COBOL構文やデータ型のサポートを駆使すれば、より自然に .NET Frameworkに適合したアプリケーションを COBOL言語によって開発することができるのです。
COBOLプロジェクトテンプレートは、COBOLで書かれたWCFアプリケーションにより、SOAへのCOBOLビジネスロジックの展開を容易にします。WCFは、サービス指向のアプリケーションを構築するための Microsoft の統一されたプログラミング モデルです。プラットフォーム間を統合し既存のコンポーネントと相互運用する、セキュリティで保護された信頼性の高いトランザクション型のソリューションを構築できます。
WCFでWebサービスを使うことにより、言語やプラットフォームに依存せずにCOBOLビジネスプロセスを活用できます。また、Visual Studioツールを使用すると、他の.NET言語と同じ方法でCOBOLからASP .NET Webサービスを作成・展開できます。さらに、.NET環境下のCOBOLアプリケーションにWeb参照を追加することにより、開発者は.NETやJava、COBOLで書かれた他の標準的なWebサービスにアクセスできます。
C#やVB.NETのテストクライアントから呼び出されると、Visual Studio Team Editionのコードカバレッジ機能がCOBOLアプリケーションでも使えます。コードカバレッジは、新規または修正されたコードのテストプロセスが最大リスクのエリアをカバーしていることを確認するための重要なツールを提供します。テスト中に実行されているコードのラインを表示し、開発の質と生産性を向上させることができるのです。
Net ExpressのDirect COBOL Webサービス機能により、サードパーティのアプリケーションを必要とせずにWebサービスを作成、利用および展開することができます。Interface Mapping ToolkitによってWSDL(Web Service Definition Language)ファイルや適切なマッピングなど、COBOLリンケージセクションをWebサービスとして公開するのに必要なファイルが作成されます。
そしてInterface Mapping Toolkitで作成したDirect COBOL Webサービスは、Webサービス用のSOAPサーバとしての機能を果たすServer for SOAを使用して展開することができ、COBOL Webサービスを確実に実行するための、スケーラブルなトランザクション環境が提供されます。
またNet Expressには、COBOLからのWebサービスの運用のための、WebサービスCOBOLクライアントサポートも含まれています。このサポートを使用すれば、標準ベースのWSDLファイル(.NETやIBM WebSphereで作成されたWebサービスなど)またはマッピングファイルから、テンプレートのCOBOLクライアントプログラムを構築することができます。
Net ExpressのCOBOL/Java相互運用性のサポートにより、COBOLと Javaの混成アプリケーションも、プログラマによる複雑で環境に依存したインターフェイスのコーディングなしに作成することが可能となり、またCOBOL資産内に記述されているビジネスルールがJavaおよびJ2EEアプリケーションに拡張されます。
COBOL2002規格準拠のオブジェクト指向構文(INVOKE文)を使用して、バッチ型のCOBOLプログラムからJavaクラスのメソッドやメンバーにアクセスすることができます。これによってサードベンダーの提供するJava APIをCOBOLプログラムから利用することができるようになります。
Interface Mapping ToolkitによってEJBが作成され、Server for SOAおよびJ2EE Connecterとの連動によって展開されると、IBM WebSphereやWebLogic、Oracle Application Server、Jboss、富士通 Interstage、日立 Cosminexus、NEC WebOTXなどといった主要なJavaアプリケーションサーバからの、J2EE準拠形式でのCOBOL資産へのアクセスが可能になります。
Net Expressの新たなCOBOL/XMLサポート機能追加により、COBOLからのXMLドキュメントの利用、作成および更新が一層容易となりました。
COBOLファイル処理構文に基づいて、XML文書をオープン、読み取りおよび書き込みできます。操作は簡単で問題が発生することもありません。
また、独自の構文拡張機能により、動的XML文書の処理、XMLタグのCOBOLデータ名へのマッピング、およびXMLの概念(ネームスペースや属性など)の処理も可能です。W3C準拠のXMLスキーマとCOBOLインターフェイスは、COBOL/XML変換ツール(CBL2XML)を使用して、相互にマップしたり部分利用することができます。
FaultFinder ユーティリティ … 本番でアプリケーションにエラーが発生した場合、異常終了の時点でのスナップショットを提供することで、問題の診断を行います
Profiler ユーティリティ … COBOLアプリケーションのパフォーマンスの分析レポートを作成します
Enterprise Server … 問題診断用のトレースファイルを保管します
統合化トレース機能 (CTF) … ソフトウェアの主なコンポーネントに関する実行時の診断情報を、すばやく簡単に取得することができます。また、一連のライブラリルーチンが提供されており、アプリケーションプログラム自身による制御でトレースを取得することもできます。アプリケーション制御によるトレースイベントは、コンポーネントの制御するトレースイベントと混在して使用可能です
Net ExpressはUNIXおよびLinuxプラットフォーム用のCOBOL開発環境であるServer Expressと、緊密に統合されています。Net Expressをベース開発環境としてLinux/UNIXターゲットのシステム開発をすることが可能で、高い生産性を実現できます。
UNIXアプリケーション・インポートウィザードにより、Linux/UNIX開発者はLinux/UNIX アプリケーションを迅速かつ容易にNet Expressプロジェクトに取り込むことができます
UNIXパブリッシュ機能により、アプリケーションプロジェクトをLinux/UNIXサーバに転送し、Makeファイルを作成したりシングルステップで再構築したりすることができます
リモートデバッギング機能により、Server ExpressにパブリッシュされたLinux/UNIXアプリケーションを、Net Express Animatorを使用して遠隔操作でデバッグすることができます
Net Expressは、COBOL SQLアプリケーション作成・再利用・拡張のための革新的な機能を備えています。
既存のOpenESQLの互換性をODBCを通じて再利用および維持
ソースコードの変更なしにマネージド ADO .NETデータへのアクセスが可能
OpenESQLのEXEC ADO構文を使用して、ADO.NETアプリケーションをCOBOLで迅速かつ容易に作成。EXEC ADO文は標準的な組み込みSQL文の形式とよく似ているため、堅牢で柔軟性のあるADO.NETプログラムをCOBOLで簡単かつ効率的に作成できます
新しいEXEC ADO構文により、ADO.NETデータセットを各言語全体で共有。これらの機能により、複合アプリケーション間でのデータ交換性が大幅に向上します
Net Expressは、COBOL内蔵のファイル操作システムの力を余すことなく利用できます。このファイルシステムは、2GBを超えるようなサイズの大規模な順ファイル、相対ファイル、行順ファイルおよび索引編成ファイルを扱うことが可能です。
データファイルエディタ … データファイルを検査してアプリケーションによってどのように更新されたかを確認、またはアプリケーション用にテストデータを提供するためのファイルの作成と編集を行います
データファイルコンバータ … フォーマット/文字セットを変更します
レコードレイアウトエディタ … 表示およびデータファイルエディタによる編集のために、データファイルのレイアウトを指定します
ファイル索引修復機能により、索引編成ファイルの修復、再構築が行われます
EBCDIC/ANSI文字セット変換用のCodecompユーティリティによって、文字マッピングテーブルのカスタマイズが可能です