Server for COBOLは、COBOLアプリケーションを現在一般的に使用されているすべてのWindowsプラットフォーム上に展開するための、パフォーマンスに優れた実行環境です。Server for COBOLはさまざまなオブジェクトフォーマットをサポートしており、パフォーマンスと移植性をバランスさせるための柔軟性をユーザーに提供します。主たる要件がパフォーマンスであれば、特定のハードウェアチップに合わせてネイティブコードを最適化することができます。主たる要件が移植性であれば、オブジェクトコードが構築可能な場所に一旦アプリケーションを作成し、オペレーティングシステムやハードウェアプラットフォームの違いに関わらずそのコードが同様に機能するという確信の下で、サポートされているすべてのプラットフォームで稼動させることができます。Server for COBOLは、Net Express、Server Express等COBOL開発環境製品のための、実行用コンポーネントです。
IT関連組織やソフトウェア会社などは、アプリケーションコードを一旦作成して、それを最も採算性の良い運用環境に自由に展開できないかということを常々模索しています。Javaの出現と関連のパブリシティによって、IT業界は “write once, run anywhere”(一度書けばどこでも動く)という約束が実現されると考えました。実際には “write once, run anywhere” を可能とするものは目新しいものではなく、何年も前からありました。実をいえば、この約束を最初に果たし、常に実行してきた言語はJavaではなく、COBOLなのです。
Server for COBOLは、追加のプログラミングなしにCOBOLアプリケーションの移植性を実現します。強力なランタイム機能を完備した本製品によって、COBOLアプリケーションはコード変更することなく、すべての主要なWindowsプラットフォーム上での稼動が可能となります。Server for COBOLには、オペレーティングシステムインターフェイス、通信、ユーザーインターフェイス、データベースアクセスおよびファイル操作を簡素化する機能が含まれています。
アプリケーションの処理能力は、常に増強を求められます。プロセッサ性能の継続的な向上によってある程度は対応できるものの、顧客は何か問題が起こると、より大きな信頼性と迅速なリカバリを要求します。Server for COBOLには、システムが提供できる最高のパフォーマンスレベルでお使いの COBOLアプリケーションを稼動させるとともに、問題が発生した際の迅速な診断と復旧を可能とするツールやユーティリティが豊富に装備されています。
30年間にわたる実行用ソフトウェアの進化により、アプリケーションは常時その本来のパフォーマンスを確実に発揮できるようになりました。しかしシステムにはさまざまな原因で障害が発生する可能性があり、そのためServer for COBOLは高度な本番リカバリー機能も提供、できる限り短時間でのサービスの復旧を可能にします。
単一のソースベースから生成されたネイティブなマシンコード命令を実行できることで、Server for COBOLはアプリケーションを実行する64bit/32bitプラットフォームのパフォーマンス能力をフルに活用することができます。これによってIT関連組織にはアプリケーションの展開における幅広い選択肢が提供され、いずれの選択でも使用する展開用システムアーキテクチャに合わせてそれぞれ最適化が図られます。
ランタイムシステム・エンジンは、単一のCOBOLソースコードセットからの、中間コードの完全な移植性をプログラマに提供します。これは Java byte codeのCOBOL版ともいえるもので、ランタイムシステムはJava Virtual Machineまたは.NET Common Language Run-time (CLR)と同様の機能を果たします。このようにしてCOBOLの誕生から四半世紀以上にもわたってその本質的要素であった、’write once, run anywhere’ 特性が実現されるのです。
またランタイムシステムは、開発段階で作成された、完全に最適化されたハードウェア固有の「ネイティブコード」命令を実行することができ、与えられたオペレーティングシステムとチップセットの組み合わせから、最大限のパフォーマンスを引き出します。これはすべて、もとのソースコードには何ら変更を加える必要なく実現されます。「ネイティブコード」は中間コードから作成されるため、これらの高パフォーマンスオブジェクトの作成には、ソースコードへのアクセスすら必要ありません。
本番でアプリケーションにエラーが発生した場合、通常のデバッグ手法では問題の特定ができないことがあります。ソースコードも利用できず、問題の再現も簡単ではありません。FaultFinderはこのような危機的状況で必要とされる支援を提供します。障害発生箇所でのアプリケーションのスナップショットとともに、以下のような完全にコンフィギュラブルで総合的な障害診断情報を提供します。
ソフトウェアの主なコンポーネント(ランタイムシステム、ファイルハンドラ、Enterprise Serverなど)に関する実行時の診断情報を、すばやく簡単に取得することができます。CTFは1つ以上の出力先にトレースイベントを出力するためにエミッタと呼ぶモジュールを利用します。現在利用可能なエミッタは、textfile、binfile、idedbgおよびwineventです。textfileとbinfileエミッタは Serverが稼働するすべてのプラットフォームでサポートされますが、idedbgとwineventエミッタはWindowsプラットフォームだけでサポートされます。
Net Express最新版に含まれるCTF Viewerを利用すれば、64bit/32bitプラットフォームで生成したバイナリトレースファイルをbinfileエミッタとして参照できます。また、一連のライブラリルーチンが提供されており、アプリケーションプログラム自身による制御でトレースを取得することもできます。アプリケーション制御によるトレースイベントは、コンポーネントの制御するトレースイベントと混在して使用可能です。
Server for COBOLに、COBOLからの Webサービス利用のための、WebサービスCOBOLクライアントサポートが追加されました。このサポートを使用して、標準準拠の Webサービス(たとえば.NETまたはIBM WebSphereで作成された Webサービスや、Server for SOAで展開されたDirect COBOL Webサービスなど)を、他の言語やテクノロジーを通さずに直接COBOLから呼び出すことができます。
新たに追加されたServer for COBOL COBOL/XMLサポートにより、 XMLのパワーをシームレスにCOBOLアプリケーションに統合することができます。 この拡張構文およびランタイム機能によってCOBOLからのXML文書の利用、作成または更新ができ、B2BやB2C取引が容易になるとともに、お使いのCOBOLシステムとの直接のインターフェイスを持たない他のアプリケーションやシステムとのデータ共有が可能となります。
Server for COBOLでは、強力なOpenESQLを利用してODBCドライバが存在するすべてのデータソースにアクセスすることも、またはCOBOLの柔軟でパフォーマンスに優れたファイル操作システムを利用することもできます。Server for COBOLと業界標準であるODBCドライバの組み合わせによって、COBOLアプリケーションはすべての主要なデータベースへの、パフォーマンスと信頼性の高い接続性を実現できます。
「Rebuild」は、破損した索引編成ファイルの速やかな修復とともに、データファイルフォーマットの迅速かつ容易な変更を可能にします。